日本も事実上の利上げへ 次期総裁への配慮か?

安東隆司

安東隆司

テーマ:所長解説のおカネ学♫

日銀が2022/12/19-20日に開催した金融政策決定会合で、大規模緩和を修正する方針を決めました。

2021年3月に0~0.25%程度としてきた長期金利を0.5%に見直しました。

既に長期金利は0.5%水準近い水準もありました。

「長期金利は一時21ベーシスポイント(bp)高い0.46%と2015年7月以来の水準まで上昇」
出所:Bloomberg 2022/12/20 『円急騰で債券と株急落、日銀が長期金利変動幅拡大-市場に驚き』

為替では円高方向となり、株式市場は下落しました。
金利上昇で日本のREIT市場では6%以上の下落の銘柄も9銘柄あり、REIT平均分配金利回りは4.03%に上昇しています。
(速報ベース)

サプライズ発表は、次期日銀総裁への配慮か?

~以下は全て筆者の私見でひとつの見方です~
日銀の次期総裁の人事が水面下で話し合われていることでしょう。
世界中の中央銀行が利上げに踏み切っている中、日本だけが低金利据え置きとなってきました。
例えば、日米の金利差が拡大し、150円台までの円安の時期もありました。
過度な円安は、エネルギー高などの弊害もあるわけです。

景気悪化に備えた、利下げ余力を作りたい

将来の景気の悪化の時期もあるでしょう。
その時に、「利下げ」というカードがありませんでした。
下げる金利が、低金利で余力が無かったわけです。

次期の日銀総裁は誰になるにしても、日本だけが低金利という状態をいずれ修正する時期はあるでしょう。

しかし、次の総裁がいきなり利上げの方向転換は市場との対話が十分にできないでしょう。
次期総裁にバトンタッチする前に、方向性が変わることを黒田総裁が気を遣っているのではないかと思うのです。

そして、景気後退期に対応できる「利下げ」ができる体制を事前に作って、後を託すという「地ならし」ではないかと思うのです。

急激な利上げへのハードル

日本の国債費(国債の償還や利払い費)は、金利上昇で大きな影響を受けます。
急激な利上げは、日本の国債費の上昇を招きかねません。
ゆるやかな変化を目指す方向性ではないかと推察します。


~繰り返しになりますが、上記は全て筆者の私見でひとつの見方です~
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安東隆司
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安東隆司(投資顧問)

おカネ学株式会社 Reliable Investment Advisors Japan Co.,Ltd(英文名称 略称 RIA JAPAN)

富裕層の資産の管理や運用、承継などを行う。売買手数料0などお客様と利益相反の少ないサービスを追求。また、海外ETFを中心とした資産形成の知識・経験が豊富。テーラーメードの投資助言を大切にしている。

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