仕組債はメリットは金利条件上限までだが、デメリットは大幅な場合も! 安東隆司の解説動画公開
金融庁は年内にも証券会社が有償の投資アドバイス(助言)業務へ参入しやすくなるよう規制を緩和する。投資助言・代理業の規制を緩和し、金銭や株式・債券などの貸し付けを認めるなど、証券業との兼業ハードルを下げる。政府が資産所得倍増プランを掲げるなか、欧米に比べて劣る投資助言の価値を高め、国民の資産形成を促進する狙いがある。
証券会社など第1種金融商品取引業者は「株式相場が上がりそう」「円高になる見通し」など市場分析に基づいて投資家に無償の助言をしてきた。一方、顧客の資産構成を個別に分析した上、有償で有価証券や金融商品を勧める場合は金融商品取引法で定める投資助言業を兼ねる必要がある。
市場動向が読みにくくなるなか、投資アドバイスの重要性が高まってきている。
証券会社、助言ビジネス参入しやすく 兼業規制緩和へ
2022/10/24 日本経済新聞
従来の証券ビジネスでは生き残れない
証券業界は新たな収益確保のため、投資助言業への参入を試みてきました。
対面証券の従来の商売では生き残りが厳しくなっていることが背景です。
・ネット証券の台頭と売買手数料の減少
・売買の頻度が高い、手数料が高い商品が証券(コミッション型)での高い収益性
→ 投資家(顧客)サイドでは運用リターンが下がる
→ 従来のコミッション型は顧客と利益相反が強い形
証券業が生き残るために、従来のビジネスモデルが適さないことで、フィーベース型のビジネスモデルへの転換を図りたいという意図なのでしょう。
本当の顧客本位を兼業で実現できるのか?
証券と助言業の兼業で、本当に顧客本位が実現できるのでしょうか?
少しでも手数料が高いものを勧めるような助言が行われる可能性があります。
証券業(販売者側)を兼業している立場で、本当に投資家思いを実現することは実際には難しいと思います。
日本で良く見られる「自社系列、グループ優先」という立場が拭えないと考えられること、
従来行ってきているビジネスで、コスト開示が不透明だからです。
業界に甘い証券業界
仕組み債の販売を中止する証券会社が増えてきました。
金融庁のメスが入った結果、取扱いを中止決定した証券会社が続出しています。
しかし、金融トラブルを扱うFINMACで仕組み債が数年前から問題になっていたことは、証券会社ではわかっていた事柄です。
しかし、証券業界の団体では仕組み債に対する規制が不十分だったのでしょう。また、仕組み債のコスト開示等には今でも応じていません。
業界として、投資家を守る姿勢が不十分ではないでしょうか?
「金融庁に指摘されて内容を見直す」体制は、業界の収益維持が優先されていた側面、ガバナンスが不十分な側面ではないかと思うのです。
兼業するならば、全面コスト開示をしてから
アドバイスをしながら、販売の収益を得ることには利益相反が付きまといます。
コストの高い商品を組み込むアドバイスがされる
コストの高い、投資信託を買うように助言をされることが心配です。
ファンドラップに、なぜETFが入らないのか?
ファンドラップという商品があります。
ファンドは投資信託のことですから、投資信託を組み込む資産運用であれば、コストの安いETFを組み込んだほうが、投資家にとってトクでしょう。
現在の日本の証券会社で、一般的な高いコストの投資信託をなぜツールとして用いるのでしょうか?
プロであれば、世界中のプロが運用に用いているETFを顧客に勧めるべきではないでしょうか?
知識の多いプロが、コストを隠して理解不十分の投資家に、高いコストの運用をさせている
投資家の皆様はこんな風には感じないのでしょうか?アドバイザーを名乗るならば、全てのコスト開示を速やかに行うべきだと思うのです。
アドバイザーの立場であれば、
コストの安い商品をツールで使うことが顧客に忠実
だと思うのです。
一般的な投資信託をラップ使う合理的な理由はあるのでしょうか?
アドバイザー(助言業)を兼業するのであれば、ツールで用いている「一般的な投資信託」がETFよりなぜ優れているのかを明らかにするべきなのです。
現状のファンドラップや、仕組み債など高いコストの運用を勧めてきたことと決別する覚悟が無い者に、安易に兼業を認めることは危険だと思います。
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金融庁HPに掲載されている資料で、RIAがハイレベルの顧客本位実現している、という内容が記載されています。
RIA(アール・アイ・エー)とは、Registered Investment Adviser という米国の職業名称です。
和訳をすれば、「登録を受けた、投資のアドバイザー」です。
日本では投資助言・代理業の登録を受けた者がこれにあたります。
顧客のためを実践し信頼されているRIA
・証券会社の利益でなく、顧客の利益を優先
・顧客のためのアドバイスをする
・顧客から信頼され、手数料(投資顧問報酬)を受ける
米国のRIAは、このような事柄を実現していることが記載されています。
米国のアドバイザー事情に詳しい、沼田悦子教授のコメントが掲載されています。
沼田氏(帝京平成大学教授)は、 米国 の RIA の 現状について「顧客本位のサービスを提供しているが故に 、 RIA に 利益が付いてくるという仕組みが出来ている」と説明した 。
RIA に は、証券会社の証券外務員が独立し、投資顧問の資格を取って個人向けにアドバイスしたりする人がいるが、「証券会社の利益ではなく、顧客の利益を優先して、顧客のためになるアドバイスをしてくれる」と信頼されることで、手数料収入を得ているという。
顧客が RIA に 求めるものは「資産運用でパフォーマンスを上げること」や「値上がりしそうな銘柄を目利きすること」だけではなく、「(お客さまの)金融資産全体を管理してくれること」や「自分に合った個別化したアドバイスを提供してくれること」だという。顧客層については「さまざまタイプのアドバイザーがいて、富裕層から資産形成層まで幅広い 」。
(出典)金融庁HP 2022/09/22 第20 回 金融審議会市場制度ワーキング・グループ 事務局説明資料2
IFA とは何者か?=フィデリティ投信がパネルディスカッション( 2020 年 11 月 25 日) JIJI Financial Solutions
5分でわかるフィーベース型RIA 特別番組が無料公開中!
RIAを5分で解説された番組が無料公開中です。
近年金融庁では「顧客本位の業務運営」を普及すべく金融機関に働きかけを強めています。
フィーベース型ビジネスは、投資家が運用成功し契約残高が増加することでアドバイザーの報酬も少し増える仕組みです。
つまり、WIN-WINの関係が築きやすい構造といえるでしょう。
資産運用でアドバイザーを探している人は、是非とも報酬がどのように発生しているのか、その仕組みについてを知ってほしいと思います。
その上で、あなたが信頼できるアドバイザーを見つけてほしいと思います。
東証マネ部!にて日本のRIA事業者を初の採り上げ
東証マネ部!にRIA JAPAN代表 安東隆司のインタビュー記事が公開されています。
東証マネ部!に日本のRIA事業者が採り上げられたのは初めてのことです。
(記事へのリンクは本コラム下部に掲載しています)
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