人気を集める米国株投資。 2020年から日経CNBCにて「米国投資家に学べ」シリーズ特集にて解説②
「ビットコイン先物ETF(1)米国市場で取引開始へ 」というタイトルで、ビットコイン先物ETFが米国市場で取り扱いが始まる見込みをお伝えしました(2021/10/18)。
ビットコインETFを日本で買える?
ビットコインETFを国内の証券会社で買えるのでしょうか? 結論は「買えない」です(2021/10/18時点)。
日本では投資家保護の観点から、国内の証券会社で取り扱うETFについては金融庁の登録が必要となっています。
この登録が無いと、国内の証券会社を通じて、海外ETFの購入はできないということになります。
海外口座を通じて買うことは可能だが…
海外の証券会社に口座開設をした場合は、日本で未登録の海外ETFなども購入することは、実は可能です。
注:海外の証券会社を使っての取引を勧めるものではありません。
日本の税制対応が必要
海外証券口座は、日本の税制に対応していないと考えられます。
・購入時の円貨(ドル建てで買った商品は、買った時点の日本円相当額)、売却時の円貨を自身で把握し、損益の管理が必要です。
・海外の証券会社が、日本の特定口座制度を用意してくれるとは思えないので、確定申告を自身で行う必要もあるでしょう。
・日本の証券会社のような手厚いサービスメニュー期待できないでしょう。
・相続発生時には、相当に大変な交渉が相続人に残されます。
・日本で登録のある海外ETFで、十分なラインナップがあるとも考えられます。
日本ではETF登録が無いため、投資コストが高い事例は過去から
別の観点では日本でETFの登録が無いために、日本の投資家が「カモられている」事例があることもまた事実です。
最近では、「イノベーション」をテーマにした、有名な米国のETFプロバイダー(メーカー)が日本でも有名になり、強力な営業施策がとられているように感じます。
本国米国では、ETFの形で投資家に低コストで運用ツールを提供しています。
本国では低コストのETF、日本では高コスト投信
本国ではETFとして、低コストツールになっているものが、日本では「(ETFでない)投資信託」形式となっており、購入時に手数料、保有コストも高いケースとなってしまっているのです。
これは今に始まった話ではなく、過去には債券で有名な会社やなどでも同様の事例がありました。
日本の投資家は、米国の投資家よりも「高コスト」の商品を勧められているケースが存在することも、また事実です。
コア・サテライト戦略を知る
過去、退職金運用者が痛い目にあった事例を紹介しておきます。
退職金約3500万円を「仕組み債」で運用し、1000万円以上の損失が出たケースが、報道されていました。
ひとつの商品に大きな割合を投資してしまうことは危険なのです。
リスクの高い商品には、投資するにしても「損を許容できる範囲で」の投資とすべきです。
資産運用の中心となる、「コア」の部分の戦略は、リスクがある程度に収まるものとすべきが無難でしょう。
新興国、高金利通貨、ハイイールド、レバレッジ・デリバティブズを用いた運用(含む仕組み債)などは、リスクが高い場合が多いです。
高いリスク商品の一部に私は「飛び道具」という表現を用います。
これら飛び道具は「コア」に据える事には危険が伴います。退職金で1000万円超の損失の事例などは、まさに危険が実際に発生した事例です。
ベーシックで安定的な商品を「コア」運用に用い、リスク愛好家の投資家は一部を「サテライト(=衛星、コアの外側にあるの意)」として、「飛び道具」を用いる選択もあります。
決して、飛び道具をコアとすべきでなないと筆者は考えております。
今後、暗号資産(仮想通貨)関連などのETFも更に出てくると思われます。
その時に、”果たして、コアに向いている、資産クラスなのか?”を、改めて考えてほしいと思います。