世界ETF市場規模は1,468兆円! 16年半で17倍以上に増えたETFの特徴とは?
『独立系の運用助言急拡大 預かり資産3兆円、5年で2.7倍 脱「ノルマ営業」活発に、業界ルール整備に課題』という記事内でRIA(アール・アイ・エー)が取り上げられました。
記事中では以下が記述されています。
【米国では、金融機関所属のアドバイザーのほか、完全に独立した立場で運用を助言する「RIA(公認投資助言者)」経由の預かり資産が伸びている。顧客資産の残高に連動する報酬体系が一般的。】
このテーマについて金融庁データなど引用し、もう少し深堀りいたします。
投資家目線のサービスを後押し
日本のIFAの預り資産がこの5年で2.7倍に膨らみ、3兆円の大台に達したというニュースが2021年3月23日の日経新聞で報じられています。
従来の証券会社の厳しいノルマでは「お客様のためにならない」と考えて、独立した金融パーソンが増えたことは喜ばしいことです。
このような新聞記事は投資家目線のサービスを後押しする効果があるでしょう。
運用先進国である「米国でのアドバイザー事情」や、日本の金融商品取引法を知ると、更に先のアドバイザー事情を知ることができると思います。
・「独立系の運用助言急拡大」 IFAは仲介者
記事で【独立系の運用助言急拡大】と採り上げています。
日本のIFAは「金融商品仲介業者」であり、販売の一部を担う立場で、米国ではICと呼ばれる「自営型取り次ぎ者」です。
日本の金融商品仲介業者とは、金融商品取引業者等(証券会社等)の委託を受けて、「有価証券の売買等の媒介」や「有価証券の募集、もしくは売出しの取扱い」などを行う法人、または個人のことです。
【IFAは証券会社と仲介契約を結び、金融商品を提供する】と記事で紹介されています。そして記事内の図表でも
【証券会社から手数料を分配】の記述があります。
証券会社で上がった収益の一部を得ている、証券会社の営業を担っている者ということなのです。
日本のIFAは、ほとんどが株式、投信、ファンドラップの売買の仲介や、販売を証券会社に取り次ぐ事を自営で行う事業者です。
米国でアドバイザーと名乗れるのはRIA
実は米国では、RIA(投資顧問業)のライセンスを持たない者は「アドバイザー」名称を使用することができないことになっています。
【2019 年 6 月 5 日に SEC が公表した Final 版の”Regulation Best Interest (Reg BI)”によれば、ブローカー・ディーラー(RIA との兼業なし)が「アドバイザー」の名称を使用することを制限する、としている】
金融庁HP 「独立系フィナンシャルアドバイザー(IFA)に関する調査研究」P6 脚注9
ttps://www.fsa.go.jp/common/about/research/ifahoukokusyo.pdf
アメリカの顧客本位の基準からすると、日本のIFAのほとんどは「アドバイザー」名称は使えないということになります。
日本での投資助言業 RIAとは?
日本でアドバイスは広く使われている言葉です。
しかし金融商品の助言を行うには、投資助言業等の登録が必要です。
株式等の分析を行い、助言を行う事業者は「投資助言業者」などです。
日本で投資の助言をするのは、「投資助言業者=RIA」なのです。
投資助言業は、顧客に対して投資顧問契約に基づき、有価証券の価値等又は金融商品の価値等(デリバティブ取引を含む)の分析に基づく投資判断に関し、助言を行うものであり、代理業は投資顧問契約又は投資一任契約の締結の代理又は媒介を行うもの
(関東財務局 Webサイトより一部抜粋)
顧客本位かどうかが重要
記事の記載には以下があります。
【「顧客本位かどうかはIFAの倫理観に委ねられている」と問題点を指摘する。ノルマがない半面、収益拡大のため高頻度の売買に頼ったり、手数料の取り分が大きい商品を勧めたりする業者も存在するとされる】
【「短期間で荒稼ぎしようとする小規模なIFAは少なくない」(大手IFA関係者)】
「IFAは顧客本位なサービス」とのイメージを用いて、実際には高い手数料で自分たちが儲けることが最優先である事業者も、残念ながら存在しているようです。
資産形成のパートナー選びには、顧客本位である事業者選びが重要なのです。
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