米国でトップレベルで著名な金融専門誌・バロンズでRIAトピックスが取り上げられました。
円高の状況が続いている昨今、為替の円高部分を証券の損として損益通算の対象にできる場合があることをとご存知でしたか?
確定申告等にて使える裏ワザを解説いたします。
損益通算の仕組みについて
例えばA株とB株をX証券会社で運用していたとします。
A株が50万円の利益が発生した場合、通常であれば所得税で10万1575円の税金が発生します。
しかし、B株が250万円の損が発生した場合、
この人の合計は250万-50万円で200万円の損になりますね。
つまり、合計で損になっているため納税する必要なしということになります。
特定口座での取引であれば証券会社が合計の損益を自動で計算し、納税まで行ってくれますが、
一般口座で取引を行っている方は自分で確定申告の作業が必要です。
(画像クリックで大きな図表が表示されます)
注意するポイント 複数特定口座は申告必要な場合も
先ほどの例に追加して、別のZ証券会社でC株を運用していたとします。
このC株が10万円程度配当が発生した場合、Z証券では10万円プラスになっているため、
2万315円源泉徴収されてしまいます。
しかし、X証券とZ証券の合計ですと
先ほどのX証券での200万円損からZ証券での10万円の配当を引き、190万円のマイナスということになります。
この場合、Z証券の2万315円は収める必要のない税金ということになるため、
確定申告で納め過ぎた税金の還付が受けられるということになります。
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外国株運用での円高対策の裏ワザ!為替円高を証券の損として損益通算
海外ETFや外国株に投資している人必見のテクニックがあります。
為替の円高部分を証券の損としてこの損益通算をすることができる場合があります。
仮定の例で解説します。
例えば2015年10月末に100ドルの株を814株持っていたとします。
当時のドル円は122.90円だったため、円の時価評価額は
122.90円×100ドル×814株=1000万4060円となります。
一方、売却せず5年間保有し、2020年10月16日になりました。
この銘柄の値段は100ドルで変わりが無かったとします。
ドル円が104.36円になってしまったとします。
この場合、円の時価評価額は
104.36円×100ドル×814株=849万4904円となります。
銘柄のドルベースの値段は実は変わっていません。
評価の損失はこの事例では円高の影響です。(為替差損)
円の時価評価額では150万円以上安い値段となるのです。
売却した場合、150万9156円の差損となります。
これは外国株式の売却損として、損益通算の対象となり得るのです。
(画像クリックで大きな図表が表示されます)
しかし、為替差損があったとしても、
外貨預金などはこの方法を使用することはできません。
本件の裏ワザでは為替の差損部分と、他の日本の証券の売却益や
日本の配当益など幅広く損益通算の対象にできます。
新たな非課税枠を創出することができるのです。
また、売却した翌日以後に同じ銘柄を同じ数量購入した場合、
先ほどの例でいう150万円の為替差損を確定した上で、
同じ銘柄を再び保有することができるのです。
※同日に行うと為替差損の対象にならないため、
同銘柄の売却・購入は翌営業日以後にずらす必要があります。
※翌日以後の購入の場合、銘柄価格・為替の変動があります。
※株式売買の手数料が別途発生します。
※著者および関係会社は本件について質問等一切お答え致しません。
また、本件に関し一切の責任を負いません。
※方法を間違えると税制メリットが受けられない可能性があります。
本件を活用する際は必ず税務の専門家に確認ください。