あなたの運用法「ガラパゴス運用」に陥っていませんか?安東隆司の解説動画公開
外出自粛要請で家で過ごす方が増えているかと思います。
ネット証券では口座開設数の増加が確認されたりと、このタイミングで新たに資産運用を始める方も増えているようです。
しかし、生半可な知識で資産運用を始めてしまうと思わぬケガをしてしまう可能性もあります。
今回は数回にわたり、長期間の資産運用にとって大切なことをお届けしたいと考えております。
【GW特別連載コラム~生半可な知識ではケガをする バックナンバー】
第1回:①純資産ランキングで投信を選んで本当に大丈夫?
前回のおさらい
前回は純資産ランキング上位の銘柄が必ずしも良い成績を上げるわけではないことを解説しました。
純資産ランキング上位5銘柄のうち、3銘柄の信託報酬が1.7%以上と高コスト傾向がありましたね。
更にこの銘柄の中には毎月分配型という仕組みの銘柄があります。
「お小遣いがもらえる」で選んでしまうと1/4に目減りも?毎月分配型のワナ
この毎月分配型では販売員より「毎月、お小遣いのように分配金がもらえます」とセールスされる場合があります。確かに毎月お小遣いが貰えたら嬉しく感じてしまいますよね。
しかし、高い分配金が出るから良いファンドだと判断してしまうのは危険です。
なぜかというと解約すると戻ってくる金額が大きく減っている場合があるからです。
特別分配金が実は『元本取り崩し金』って納得してますか?
毎月分配型の中には分配する金額ありきで、運用の成果を超えても分配している『特別分配金』という仕組みのものがあります。
通常の分配金では儲かった範囲で払い出されるため、分配金の払い出しによる「元本割れ」はありません。
しかし、特別分配金は元本からも取り崩して分配金の払い出しが行われています。
「毎月お小遣いが貰えていると思っていたら、自分が出した金額をただ分割で受け取っていただけだった」となる可能性があるのです。
「特別分配金は税金がかからない」といった誤解をされている方もいらっしゃいますが、
運用の成果よりも大きな分配金を支払っているので運用で儲かっていない。つまり「譲渡益」が発生していないのです。
元本を取り崩して受け取っているだけなので、税金がかからないのは当然ですね。
特別分配金については金融機関は販売員はわざわざ説明してくれないと思いますが、実態をしっかりと理解することが必要です。
当初100万円で投資したものが、解約したら26万円になっていた!?
純資産ランキング上位5銘柄の中には基準価額1万円でスタートしたものが4月16日時点で2607円まで下落しているものもあります。
一例として、100万円をこの毎月分配型に投資していたとしましょう。
もし、特別分配金で戻ってきた額を生活費や娯楽に回していて、
ある時に「まとまったお金が必要だし、この投資信託を解約しよう」と解約したらビックリ!100万円で買ったものが26万円になっていた!ということもあり得るのです。(投信運用開始時より運用していた前提の場合)
純資産ランキング上位5銘柄中4銘柄が毎月分配型
毎月分配型には注意が必要ということをお話しました。
しかし、残念ながら純資産ランキング上位5銘柄のうち、4銘柄が毎月分配型の銘柄です。
また、前回解説したように純資産ランキング上位5銘柄全てのリターンがマイナスになっています。
「みんな買っているから」「売れ筋だから」で商品を選ぶことは大変危険です。
毎月分配型でも投資元本が減っていない銘柄も。低コストの海外ETF
しかし、とある海外ETFの銘柄は、毎月分配型でも、投資元本が減っていません。
更に4月16日時点で13.48%のリターンを上げていました。
その理由のひとつを担っているのが年率0.15%の超低コストであることです。
日本の投資信託純資産ランキング上位5銘柄のうち3銘柄がコスト1.70%以上です。
海外ETFでは桁違いにコストが安いことがわかります。
低コストの運用がリターンに直結するということですね。
強力なセールスやランキング上位の銘柄ですと魅力的に感じてしまいがちですが、仕組みを知らずに買ってしまうと大きく損してしまう場合があります。
「安定した運用で……」と考えてしまうところですが、そこでおすすめされるバランス型にも注意が必要です。
次回は「損する仕組みに投資しているかも?注意すべきバランス型とは」をお届けいたします。
また、今回登場した「毎月分配型」「特別分配金」についての詳しい説明は弊社代表の書籍『元メガバンク・外資系プライベートバンカーが教える お金を増やすならこの1本』P74以降に詳しい解説が掲載されています。
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