高値圏で揺れた一週間と東西のマネーフロー。来週のFOMC・GDP速報値を控えた相場シナリオを解説|2026年4月25日(土)リファスタ

杉兼太朗

杉兼太朗

テーマ:金相場

高値圏で揺れた一週間と東西のマネーフロー。来週のFOMC・GDP速報値を控えた相場シナリオを解説


おはようございます。
リファスタの杉でございます。
土曜日の朝9時、今週も始まりました。
週末の朝のひととき、コーヒー片手にお付き合いいただけたら嬉しいです。

今日は、4月20日から24日までの一週間を、丁寧に振り返っていきます。
そして、来週、4月の最終週に何が控えているのか。
ここを、皆さんの売り時・買い時の判断材料に変えていく時間にしたいと思います。

今週は、ひとことで言うと「高値圏で揺れた一週間」でした。
派手な急騰も、急落もない。
でも水面下では、停戦延長、ホルムズ海峡、そして米連邦準備制度の議論。
たくさんのことが動いていました。

最初に結論からお話しします。

  • 国内の金は高値圏で持ち合い。
  • 中央銀行は今年も買い続けている。
  • その一方で、欧米の個人投資家は3月に過去最大の利益確定をした。
  • 東のお金と西のお金で、温度差が出始めています。
  • そして来週、4月29日にはFOMC、4月30日にはアメリカのGDP速報値。
  • ここを境に、相場のシナリオが切り替わる可能性があります。


今日はこのあと、こんな順番でお話しします。
ひとつ、今週の国内金価格の動き。
ふたつ、海の向こうで何が起きていたか。
みっつ、中央銀行と東西のマネーフロー。
よっつ、ダイヤモンド市場の今。
いつつ、来週のシナリオと、皆さんへの実務的なヒント。
それでは、まいりましょう。

【セクション1:今週の国内金価格を、振り返る】


まずは、今週の国内金価格、リファスタのK24買取価格をおさらいします。

日付K24買取価格(円)前日比
4月20日(月)26,655円今週高値
4月21日(火)26,501円-154円
4月22日(水)26,546円+45円
4月23日(木)26,570円+24円
4月24日(金)26,395円-175円


週間の始値が26,655円、終値が26,395円。
変化率はマイナス0.98パーセント。
1パーセントに届かない、わずかな下落です。

ただ、ここで大事なのは「率」よりも「中身」です。
今週のレンジは、たった260円幅。
1グラムあたりの値動きが、260円の中に収まっていたんです。
2万6,000円台の世界で、1パーセントに収まる動き。
これは「持ち合い」と呼ぶのが正確な表現です。

なぜ持ち合いになったのか。
ここに、今週の本質があります。
国内の金価格は、ふたつの力で決まります。
ひとつ目は、海外のドル建て金価格、つまりXAU/USD。
ふたつ目は、ドル円の為替レート。
このふたつを掛け算したものが、国内の金価格のベースになる。

今週はこの両方が、それぞれ反対方向に動きました。
ドル建ての金は、4月22日に4,739ドルまで下落。
木曜日に少し戻して、金曜日もおおむね横ばい。
週で見ると、軟調でした。

一方、ドル円は159円台後半。
週末には159.76円という、円安方向の水準で着地しました。
円安は、円建ての金にとっては追い風です。
つまり、海外金が下がって押し下げる力と、円安が押し上げる力。
この綱引きが、結果として「動かない」を作った。
これが今週の構図です。

K18の買取価格も見ておきましょう。
本日の朝の時点で、20,072円から20,750円のレンジ。
ジュエリー査定をご検討中の方にとっては、この水準もまだ十分に高い数字だと思います。

1年前の同じ時期と比べて、どれくらい違うか。
2025年の4月最終週、K24買取は2万円前後でした。
そこから今、26,000円台。
率にして30パーセント以上の上昇です。
1年で3割。これが、皆さんのお手元にあるジュエリーの今の実力です。

【セクション2:海の向こうの一週間】


ここからは、海外で何が起きていたかを見ていきます。
今週の主役は、ふたつ。
ひとつ目は、中東の停戦交渉。
ふたつ目は、アメリカの経済指標と金融政策の織り込み。

まず、中東から。
今週木曜、4月23日。
ホワイトハウスで、トランプ大統領がイスラエル・レバノン双方の特使と会談しました。
そしてその場で発表されたのが、停戦の3週間延長です。
CNBC、CNN、NPRなど、主要メディアが一斉に報じました。

しかし、ヒズボラはこの延長を「断固拒否する」と声明を出しています。
さらに金曜日、イスラエルがレバノン国内を新たに空爆。
脆い停戦は、誰も信じきれない状態のまま、来月中旬まで延長されました。

そしてイラン。
イランとの停戦は、ニュースの建前としては「無期限延長」となっていますが、
実態は、パキスタンを仲介役にした交渉が続いています。

ここで非常に大きなニュースがひとつあります。
明日、土曜日。
アメリカのウィットコフ特使と、ジャレド・クシュナー氏が、イスラマバードに飛びます。
そこで、イランの外相と直接、和平交渉に入ります。
CBS News、CNNが先ほど、報じたばかりです。

つまり、ライブをお届けしている今この瞬間にも、和平交渉が動き始めようとしているわけです。
ホルムズ海峡は、もう7週間にわたって閉鎖が続いています。
アメリカ海軍は、ホルムズ海峡で31隻の船舶を留め置いている。
原油価格は、この一週間でおよそ20パーセント上昇しました。
インフレ再燃のリスクが、世界中の中央銀行を再び緊張させています。

この状況で、明日の交渉が一歩前進するのか、決裂するのか。
週明けの相場は、ここに大きく左右されます。

次に、アメリカ。
今週は、これといったビッグイベントがあったわけではありません。
ただ、市場は静かに、来週を「待っていた」週でした。

来週何があるのか。
4月28日と29日、FOMC、つまり連邦公開市場委員会が開催されます。
政策金利の発表は、日本時間で30日の早朝。
現在の政策金利は3.50パーセントから3.75パーセント。
CMEのフェドウォッチによると、金利据え置きの確率は99パーセント以上。
これは「決まっている」と言って良い水準です。

注目は、金利そのものではなく、パウエル議長の記者会見です。
そして、声明文の文言。
中東情勢によるエネルギー価格の上昇、原油20パーセント高。
これがインフレ期待に与える影響を、Fedがどう評価するか。
ハト派なのか、タカ派なのか。
ここが来週、相場を動かす最大の材料になります。

そしてもうひとつ。
4月30日、日本時間の夜。
アメリカの第1四半期GDP速報値が発表されます。
フィラデルフィア連銀の最新サーベイでは、第1四半期の成長率は年率2.6パーセントと予想されています。
これは前回予想の1.6パーセントから1ポイント引き上げられた水準です。
予想を上回れば、ドル買い・金売り。
予想を下回れば、利下げ期待が高まり、金が買われる。

このシナリオも、今、皆さんの頭に入れておいてください。
米10年債利回りは、今週、4.30パーセント前後で安定。
ドルインデックスは98.8。
ドルは静かに強含みでしたが、年初から見ると4パーセント近く弱い水準です。
これは中長期では、金にとっての追い風が続いていることを意味します。

【セクション3:中央銀行と東西のマネーフロー】


ここからは、もう少し大きな視点でお話しします。
「誰が、金を買って、誰が、売っているのか」。
世界的な金の買い手は、大きく分けて3つあります。

  • ひとつ、各国の中央銀行。
  • ふたつ、ETFなどの金融商品を通じた個人・機関投資家。
  • みっつ、ジュエリーや投資コインなどの実物需要。[/箇記事]
  • まず、中央銀行。
  • ワールドゴールドカウンシルの最新レポートによると、
  • 2026年2月、世界の中央銀行は合計27トンの金を、純粋に買い増しました。
  • これは2025年の月平均26トンとほぼ同水準です。
  • 国別で見ると、
  • [箇条書き]ポーランドが20トン。これは2025年2月以来の大型購入です。
  • ウズベキスタンが8トン。これで5ヶ月連続の買い増し。
  • カザフスタンも8トン。
  • そして注目は、中国。中国人民銀行は、これで16ヶ月連続の買い増しとなりました。保有量は2,308トン。総外貨準備の10パーセントに到達しています。


ワールドゴールドカウンシルは、2026年通年で、中央銀行の買い増しは合計850トンに達すると予想しています。
これは去年とほぼ同水準で、過去5年の平均を上回る水準です。
つまり、相場の急落があっても、
中央銀行は一貫して金を買い続けている。
これが、金価格の底を支えている最大の構造です。

一方で、3月。
皆さん、覚えていらっしゃると思いますが、3月は荒れました。
1月に史上最高値を更新したあと、3月にかけて急速に値を切り下げた月です。
その3月、何が起きていたか。

モーニングスターの集計によると、3月、コモディティETFから、過去最大となる128億ドルが流出しました。
日本円にして、およそ2兆円です。
SPDRゴールド・シェアーズが79億ドル。
iシェアーズ・ゴールド・トラストが38億ドル。
両方ともに、月間流出額の過去最大記録となっています。

この流出は、ほぼすべて、北米の投資家によるものでした。
ところが、同じ3月、アジアでは正反対のことが起きていました。

中国の金ETFには、11億ドルが流入。
2026年に入ってからの累計では、中国の金ETFは81億ドルの流入超過。
インドの金ETFも、3月に新しいファンドが1本ローンチされ、合計で26ファンドにまで増えました。

つまり、3月の相場下落で売っていたのは欧米の個人投資家。
買っていたのは、アジアの個人投資家と、世界の中央銀行。

東のお金と、西のお金で、温度差が出始めています。
これが、今のグローバルなマネーフローです。

なぜアジアが買うのか。
中国は不動産市場が長期低迷、株式市場も冴えない。
人民元も弱含み。
そんな中で、安全資産として金に逃避するお金が、ETFに流入している。
インドは、結婚シーズンを控えての需要。
そしてホルムズ海峡封鎖で、ドル決済の物理的な金の供給が滞っている。

中国の卸売市場では、現物の金がスポット価格に対して1オンスあたり15ドルから20ドルのプレミアムで取引されている。
これは1月中旬以来の高水準です。
この需給のひっ迫感は、相場の下値を強くサポートしています。

そして、皆さんが今、お手元に持っている、ジュエリーや延べ棒。
これは、まさにこの東のマネーが買い向かっている対象と同じものです。
そう考えると、見えてくる景色も少し変わってくるんじゃないでしょうか。

【セクション4:ダイヤモンド市場の今】


次に、ダイヤモンド市場についてお話しします。
ラパポートの最新マーケットコメントは、4月23日付。
コメントは一行、「マーケットトレンドは安定」。
派手な動きはありません。
ただ、表面の安定の下では、いくつかの構造変化が進行しています。

ひとつ目は、合成ダイヤとの価格差です。
天然ダイヤと合成ダイヤの卸売価格差は、今や、1カラットの一般的なグレードで、約8倍から10倍。
合成ダイヤは、ここ2〜3年で価格が大きく下落しました。
これがエンゲージメント市場の「裾野」を取りに行ったため、
天然ダイヤの大衆品グレードに、価格圧力がかかっている状態です。

ふたつ目は、高品質帯の引き合いの強さ。
1カラット以上、Dカラー、フローレス、エクセレントカット。
いわゆる「投資級ダイヤモンド」と呼ばれる領域では、
昨年来、引き合いがむしろ強まっています。
特に2カラット、3カラットのDフローレスは、品薄が続いています。

なぜか。
合成ダイヤと、最も明確に差別化できるのが、この「高品質・大粒」の領域だからです。
そして、富裕層の資産分散先として、
不動産でも株でもない、「持ち運べる資産」としての価値が再評価されています。

つまり、ダイヤモンド市場は今、
真ん中が薄くなり、上が強くなっている、という二極化が進行中です。

リファスタにご相談いただく中でも、
ご家族から受け継いだ、古いデザインのリングを、現代風にリフォームしたい。
あるいは、お母様の世代のダイヤを、お嬢様のために再設計したい。
こうしたお問い合わせが、確実に増えています。

買取に出すか、リフォームするか、保有を続けるか。
価格は、判断の一要素にすぎません。
むしろ、そのジュエリーが、ご家族の中でどんな意味を持っているか。
そこから考えていくほうが、後悔のない選択につながるように思います。

【セクション5:来週のシナリオと、皆さんへのヒント】


ここからは、来週の話をします。
4月の最終週、4月27日から5月1日までの一週間です。
来週の主要イベントを、時系列でお伝えします。

  • 4月26日、土曜日。今日のあと、明日。ウィットコフ特使、クシュナー氏が、パキスタンでイランと交渉。進展があれば、月曜の朝、金は売られる方向。決裂や悪化が報じられれば、月曜の朝、金は買われる方向。
  • 4月28日から29日、火曜・水曜。FOMCの政策決定会合。金利据え置きはほぼ確定。焦点は、声明文の文言と、パウエル議長の記者会見のトーンです。
  • 4月30日、木曜の夜、日本時間。アメリカの第1四半期GDP速報値、3月の個人所得・支出統計、そしてPCEデフレーター。特にPCEデフレーター、つまりFedが重視するインフレ指標は、中東発の原油高が反映され始める可能性があります。ここが上振れすると、金にとっては、短期的に逆風です。
  • 5月1日、金曜日の夜、日本時間。4月のISM製造業指数、そして雇用統計の前哨戦。週末を前に、相場はポジション整理に入りやすい時間帯になります。


来週のシナリオを、3つに整理します。

  • シナリオ1、強気。イラン交渉が決裂、もしくはホルムズ海峡で軍事的緊張が再燃。原油価格が一段高となり、安全資産需要が再度盛り上がる。このケースでは、ドル建て金価格は4,800ドルを試す動き。国内のK24買取価格は、27,000円台を回復する可能性があります。
  • シナリオ2、中立。交渉も指標も、どちらつかずで終わる。今週のレンジ、26,400円から26,700円の中で、もう一週、持ち合いが続く。これが現状で最も確率の高いシナリオだと、私は見ています。
  • シナリオ3、弱気。イラン交渉が前進し、ホルムズ海峡再開の道筋が見える。同時に、PCEデフレーターが上振れ、Fedがタカ派姿勢を強める。このケースでは、ドル建て金価格は4,650ドル方向にもう一段下げ、国内のK24買取価格は、26,000円割れを試す可能性があります。


3つのシナリオ、それぞれに確率があります。
私の見立てでは、強気が25パーセント、中立が50パーセント、弱気が25パーセント。
中立がベースケース。
ただし、明日の交渉次第で、この確率は週末のうちに大きく書き換わります。

最後に、皆さんへの実務的なヒントを、3つだけお伝えします。

  • ひとつ目。高値圏でのご売却は、一括ではなく、分割で。今週のように、260円幅で動く相場では、半分を今売って、残り半分を来週以降に持ち越す。このやり方が、後悔を最も小さくします。分割売却は、その後悔を半分に減らす技術です。
  • ふたつ目。ご家族から受け継いだジュエリーは、まず査定。売る・売らないの判断は、その後でいい。リファスタの査定は、無料です。LINEでのチャット査定なら、お写真を送るだけで、30秒で目安価格をお伝えします。
  • みっつ目。来週は、ニュースが多い週です。特に水曜の夜中から金曜にかけて、相場は動きやすくなります。売却を予定している方は、月曜・火曜のうちに、お見積もりだけでも取っておくこと。これが、相場急変時の「機会損失」を防ぐコツです。


【まとめ】


今週も一週間、本当にお疲れ様でした。
そして、土曜日の朝の貴重なお時間を、リファスタにいただき、本当にありがとうございます。

毎朝4時、皆さんのスマートフォンに、私たちのレポートをお届けしています。
一日のはじまりに、少しだけ、相場の景色を見てから動き出していただく。
そんな存在で、ありたいと思っています。

そして、毎週土曜のこの9時のライブが、
皆さんが一週間の出来事を整理し、来週のご判断を組み立てていく場所になれば。
スタッフ一同、それを願って、毎週準備を続けています。

明日は日曜日。
ホルムズ海峡では、和平交渉が動きます。
中東の砂漠の朝、皆さんがコーヒーを飲んでいるその時間に、
誰かが、世界の相場を動かす言葉を選んでいる。
歴史は、いつも、皆さんの暮らしの隣で動いています。

来週も、毎朝4時のレポートで、
そして来週土曜の9時、またここでお会いしましょう。

良い週末を。
リファスタの杉でした。
ありがとうございました。

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杉兼太朗
専門家

杉兼太朗(貴金属・宝石・ブランド品買取業)

ラウンジデザイナーズ株式会社 リファスタ

貴金属、宝石、ブランド品を買い取り、価値を正当に評価して次世代へとつなぎます。無料LINE査定や宅配買取にも対応し、急な資金の用立てや、終活、遺品整理といった幅広い顧客のニーズに寄り添います。

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