経営者・社長が抱える悩み コミュニケーションの上手なとり方で不安解消!
経営者・社長の背負う責任の重さは、他の誰とも比べようがありません。損得勘定抜きに相談する相手がいなければ、周りはイエスマンばかりになってしまいます。視野を広く保つためにも、外部に相談相手を持ちましょう。
経営者・社長には 「孤独」 がつきもの
経営者・社長は悩みや苦しみをむやみに他人に話せないため、心から共感してくれる相手が非常に少ない孤独な環境にいます。
社会的地位も高く、周囲からも一目置かれる存在の経営者や社長。羨望の目で見られがちですが、「心の内側を理解してくれる人は少数しかいない。」と嘆く方も少なくありません。
顧客のため、社員とその家族のため、朝から晩まで365日休みなく全力で仕事に取り組み、片時も会社のことが頭から離れることはありません。
それでも、会社を経営する以上、事業に失敗し倒産に追い込まれる可能性はあります。
常にそうした危険と背中あわせで経営をしているのですから、経営者・社長の肩には日々大きな重責がのしかかっている状態なのです。
経営者・社長の気持ちは同じ立場の人間にしか分かりません。部長ならば課長の思うところは想像できます。役員も部長の心の内を推測することができるでしょう。しかし、課長や部長そして副社長が、社長の心の奥底を理解できているかというと、答えはノーです。
そして、会社に対する意識も比べるまでもなく、大きな差異があります。
経営者・社長が背負っている責任はそれほど大きなものなのです。
会社経営の責任に押しつぶされそうになりながらも、弱音を見せることは許されない状況の中で日々奮闘しているのです。
メンタルヘルスに関するあるアンケートで、ストレス要因とストレスの強さについて調べたところ、最も多かったストレス要因は「職場の人間関係」。
続いて「責任の重圧」、「仕事の量」などの項目が挙がりました。
そして、職場の人間関係について悩んでいる人のうち、約40%は「強いストレス」を抱えている、と言われるほど人間関係のストレスは大きなものなのです。
経営者・社長の負担は売上げや数字的なものに加え、人事や社員の抱える人間関係に関わることも多いものです。
売り上げについての悩みならば幹部に相談することもできるでしょう。
ですが、悩みの大部分を占める人間関係については社員のプライベートな問題を含む事も多いため、その配慮からむやみに他人の耳には入れられない内容も少なくありません。ですので、社長の胸の中にだけ留めている場合も少なくありません。
経営者・社長は、ご自分自身の抱える悩みと社員の抱える悩みの両方を抱えながら、その苦痛と重圧を誰とも共有・共感し合えないという状況におられます。
そのため孤独感を抱える方も多く、『孤独』は経営者・社長にはつきものと言っても過言ではありません。
人が集まる経営者に不可欠なもの。それは「人間的魅力」
それでも、社員が悩みを打ち明けやすいというお人柄は、経営者としては理想的です。
人が集まる経営者になるために必要不可欠なものは「人間的魅力」。
ビジネスをやっていくと、判断を迫られる場面が次々と出てきます。経営者が求められる判断は、時として会社の存亡を左右するような重大なものですので、主観や独断だけで遂行することは避けなければなりません。
大枠については幹部や経営者仲間に相談する場合もあるでしょう。
しかし、事細かに内容を開示することをはばかられることも往々にしてあるため、相談できたとしても経営者が心的負担について口にすることはほぼ無いといえます。
経緯がどうであれ、最終決断をするのは経営者ご自身です。
相当大きな心的負荷が掛かり続ける上に、上手くいって当たり前。判断を誤れば、会社が傾くことにもなりかねません。それら全てが経営者の責任、という重責を担っているのです。
それだけに、経営者は自分の中に確固たる自信を持って日々ビジネスに臨んでいることでしょう。
自分の考えを明確にするために、他人に話すという手段をとる人もいます。
ただ、その時にはすでに内的には結論が出ていることが殆どです。
経営者が即時物事を判断するためには、自信は欠かせませんが、一方で忘れてはいけないのは、独りよがりになっていないかを折にふれて自問すること。経営者という立場に立つと他人から指摘やアドバイスを受けることが激減してしまいますので、俯瞰的に物事を観る習慣を持ち、自分を客観視する視点である「メタ認知能力」を持つことがとても大切になってきます。
圧倒的な権限を持つ経営者ににらまれるリスクをおかしてまで、耳の痛い進言をしてくれる幹部は決して多いと言えないでしょう。
普通の人間ならば、事なかれ主義で経営者の言うことを素直に聞き従おうとするでしょうし、自分と意見の相違があっても、のみ込んでそれを口にすることは滅多にありません。社外の人間であっても、経営者の名刺を受け取ればその肩書に恐縮し一歩引いて一目置いた態度をとるでしょう。忌憚のない意見を求めても、なかなか思う様にはしてくれないことが多いようです。
このように、経営者と言う立場に立つと他人から指摘やアドバイスを貰える機会が激減してしまう為、自分を客観視する「メタ認知能力」を持つことが、広い視野を保ち続ける上で、とても有用な力になってくるのです。
仮に、せっかく意見をくれたとしても、話も聞かずに否定的な態度を滲ませてはいけません。もう二度と進言してくれなくなってしまいますから、それらを寛容に受け止める懐の深さも必要になってきます。
あなたの周りにはイエスマンばかりが集まっていませんか。
自分のことを肯定してくれる人に囲まれていればストレスはないでしょう。
ですが、それはあなたの人柄に惹かれているのではなく、肩書を見ているだけにすぎないと、認識を高めてください。
経営者は人間的魅力が勝負の結果を左右すると言っても過言ではありません。
肩書に頼らなくても自然と人が集まってくる経営者に共通するのは、ご本人がとても魅力的だということです。
話しをしているだけで新しいことに挑戦したくなる。いっしょにビジネスをしたくなる。一緒にいるだけで、こちらまで前向きになれたり、活力が湧いてくるような魅力をお持ち、という点が共通します。
その人間的な魅力と併わせて、ビジネスの商才も有していることが理想的な経営者の条件と言えるでしょう。
意識と行動を変える。『メタ認知能力』を身に付けることで「人間的魅力」に磨きをかけましょう
では、人間的な魅力を身につけ、磨きをかけるにはどうすれば良いのでしょうか。
真っ先に変えるべきは、ご本人の意識です。あなたが人望を得たいという思いを固め、意識を変え、行動に移すことで、ようやく人間的魅力を磨く作業の第一歩目に立てるのです。
まず、あなたのことをチヤホヤしてくれる人間が、あなたの肩書を見ているのか、人柄を見ているのかを見極めること。
その上で、自分に足りていない部分を補うための行動に移しましょう。
前にも述べたように、そもそも経営者には意見をしにくいものですから、経営者一人のものの見方や判断基準だけでは、視野が狭くなっている可能性が有る、という意識を常に持ちましょう。
他者の意見も積極的に取り入れ、より広い視野を持ち、客観的視点である「メタ認知能力」を使うことは、会社経営だけでなく、人と上手く関わりながら生活していく上でもとても有用なことです。
他者の意見を採用するか否かは別として、選択肢の幅を広げ自分以外の考え方にふれることで、柔軟で寛容、そして優れた判断力をも兼ね備えた器の大きな「魅力的な人間」として、人の目に映るようになるでしょう。
また、社外に対しても意識的に人脈を広げていきましょう。
スポーツや歴史、グルメなど、趣味の世界がきっかけになったり、食事会などで新たな繋がりができることもあります。
知識の研鑽やスキルの向上などの自分磨きの時間も必須です。
人間的魅力を高めるためには、先人の教えからヒントを得、そこから気づきと学びを得ることも早道ですので、時間を見付けて読書にも勤しみましょう。
こうした行動を通してビジネスと離れた人脈の中から、相談役の存在に出会えることが理想的です。
経営者・社長への進言は難しいものですが、ビジネス以外での繋がりがあれば、本音でぶつかってくれることが期待できます。
裸の王様にならないためにも、損得勘定を抜きにした相談相手の存在が必要です。
こうした存在との出会いは、あなたにとって人生の財産になると言えるでしょう。
また、外部の心理カウンセラーなどを積極的に活用してみるのも良いかもしれません。
心のプロフェッショナルである心理カウンセラーは、あなたの「人間的魅力」に磨きをかける上で、大きな後押しになってくれるでしょう。