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鈴木恵美

表面化する問題から悩みの本質に迫る心理カウンセラー

鈴木恵美(すずきえみ) / 公認心理師

Pure Bliss(ピュア ブリス)

コラム

経営者・社長が抱える悩み コミュニケーションの上手なとり方で不安解消!

2018年6月14日

テーマ:経営者・社長が抱える悩み

コラムカテゴリ:メンタル・カウンセリング

経営者・社長は相談することもできずに、一人孤独に悩みを抱えています。
自分を客観視する力である「メタ認知能力」を磨きましょう。メタ認知能力は、人と接する時に使うことで、上手なコミュニケーションをとることが出来るようになります。
「メタ認知能力」と「コミュニケーション力」で悩みの解消を目指しましょう。

また、幸せホルモン「セロトニン」を増やすことと、悩みを第三者に相談することで、悩みや不安、ストレスを軽減できます。

自分の限界と本心を認知し、他者との境界線をしっかり引きましょう

経営者や社長ならば誰に指図されることもなく、自分の意志・判断で動くことができると世間一般の多くの方から見られています。特に、経営が軌道に乗っていて、成功者として知られている人物であればなおのことそういった印象を持たれがちです。

しかし、実のところ経営者・社長は、人知れず心の奥底に悩みを抱え込んでいる事も多いのです。
例えば、企業を取り巻く状況の変化。仕入れの値の値上がりや、取引先の減少、市場の縮小は利益に直結します。社内の人間関係では、常に優秀な人材の確保や組織面で頭を悩ませる問題が起きていることも多く、また、社外では取引先との関係や、競合他社の動きも悩みの種でもあります。

このように、経営者・社長は、人知れず多種多様な悩みの種を抱えています。
どんなにタフな人でも、長い間悩み続けていると、いつしか心身が疲弊していきます。
全ての問題を一人で解決しようとせず、他人の目で見たら、今置かれている状況がどう見えるのか、視点を変えてご自分を客観視してみてください。

視点を変えてご自分を客観視する力を「メタ認知能力」と言いますが、この能力を磨くのに大切なことは、

自分の限界と自分の本心をしっかり認知すること。
自分と他者との境界線を明確にすること。

そのうえで、自分が出来ることと出来ないこと等の線引きをすることもとても大切です。

自分にはなにが出来て、なにが出来ないのか。
自分がなにを望んでいて、なにを望んでいないのか。
自分が知っていること、知らないこと。
自分が求めていること、求めていないこと。
自分が譲れないこと、譲ってもいいこと。

これらの答えを自分の中にしっかりと持っている人は、悩みや問題に直面しても深く悩みすぎずに解決策を見つけられるため、ストレスの量も悩む時間も少なくてすむのです。
このように、自分の心の深部への認知を深める事で、俯瞰する力である「メタ認知能力」も磨かれ、悩みの解決解消の糸口を見つけられるのです。

最近の世の中の流れとして、社員のメンタルヘルスについては注目されるようになり、改善しようとする意識の高まりや動きが見られます。しかしその一方で、経営者・社長の抱える悩みやストレスに関しては、社員ほど顧みられることがありません。

誰にも心情を吐露することなく鬱々と悩みを深め疲弊してしまうケースも決して少なくないので、過剰なストレスからご自分を守るためにも、自分の限界と本心、自他の境界線を明確に認知しておきましょう。

幸せホルモン セロトニンを増やしてメンタル不調を改善しましょう

企業のトップである以上、企業を存続させなければならないという思いが第一にあります。そして、従業員とその家族を幸せにしたい気持ちもあるはずです。

だからこそ、社員の手綱を緩めることなく叱咤激励する場面も出てきます。結果が出ないもどかしさに、部下を叱責することもあるでしょう。
結果として、社員との関係がぎくしゃくしてしまえば、また一つストレスが増えてしまう事にも繋がります。組織全体が萎縮し、仕事の効率が落ちることになれば企業にとっても大きな損失です。

また、自分の努力だけではどうにもならない問題もあります。時代の流れによる経営の問題などはその好例の一つです。マーケティングをし、新規事業を立ち上げるなど、やらなければならないことが山積みの中、同時に従業員や幹部からの突き上げるようなプレッシャーもひしひしと感じることもあるかもしれません。

現状が理想に追いつかず、時間的・心的な余裕ももてず、いつしか、思うようにことが進まない焦りと苛立ち、不安を抱えた状態が日常的になってしまいます。いつも何かに追われているような感覚が続けば、気が休まる時が減少し、夜も満足に眠れず心身の疲労感は蓄積していくばかりです。

このように、日常的に不調を自覚していながら抑うつ状態を放置していると、うつ病になってしまうこともあります。

抑うつ状態とは、気分が落ち込んで何もするきになれない状態のことです。
気力がなくなる。気分が落ち込む。悲観的になる。集中力や記憶力が落ちる。食欲がなくなる。良く眠れない。すべてがむなしく思えたり、なんとなくいつも悲しい。など、意欲思考の低下がある場合は、早めに解消するように心がけましょう。

この状態が2週間も続くとうつ病になる可能性が高まってしまします。
必ずしも抑うつ状態が病気に繋がるという事ではありませんが、早めに適切な対応をとり、抑うつ気分の解消をはかりましょう。

抑うつ気分の解消には、三大神経伝達物質の一つ、セロトニンの役割が多いと言われています。セロトニンは「幸せホルモン」とも言われ、精神の安定や心の安らぎに大きな影響を与えていることがわかっています。

「幸せホルモン」セロトニンを増やすためには、

1.規則正しい生活をする。
規則正しい生活を心掛け、自律神経のバランスを整えましょう。

2.ゆるめの運動をする。
ゆるめの運動は、気分に関わる重要な化学物質の分泌を促しますので、ウォーキングやヨガなど、5分~30分の疲れない程度の軽い運動を心掛けると良いでしょう。

3.太陽の光を浴びる。
網膜から入った陽の光の刺激が、脳に伝わりセロトニンの活性化を促します。
一日に最大でも30分程度を目安に陽の光を浴びましょう。

4.深呼吸をしてセロトニン瞑想を。
吐く事を意識した丹田呼吸法と瞑想をする事で、セロトニン神経の活性化を促しましょう。
瞑想には、自分の考えを整理し心を整え、不安を軽減させる働きがあります。

5.発酵食品・乳製品・チョコレート摂る
アミノ酸の一種であるトリプトファンという栄養素は、セロトニンを合成させるために必要な成分です。
トリプトファンが多く含まれる豆腐や納豆などの発酵食品、チーズやヨーグルトなどの乳製品を摂りましょう。
また、チョコレートには脳内のセロトニンレベルを高め、腸内でセロトニンを生産増加させる働きがあります。

精神の安定を保つためにも、セロトニンを意識的に補う習慣をぜひ持ちましょう。

うつ病になる前にできること

まだまだ誤解されていますが、うつ病は特別な人がかかる病気ではありません。
決して特別な珍しい病気ではなく、誰もがふとしたきっかけで発症する可能性があるものです。

とりわけ、経営者・社長は立場上、一般の社員よりも大きな重圧に日々さらされています。加えて、日々のちょっとした愚痴や不快、悩みを吐き出したり、共感してくれる相手も少ない環境におられますので、うつ病のリスクは他の職責の方より高いと言えるでしょう。

とはいえ、深刻な事態に陥る前にできることはあります。まずは物事に優先順位をつけること。すべて自分だけで抱え込まず他力にも頼ることは有用な回避策です。

責任感があるが故に、すべてを自分で抱え込んで限界に突き当たり自信を失っているのではありませんか。「メタ認知能力」を使い、俯瞰的に物事を見てみましょう。
一番力を入れるべきことを洗い出し、他の人に任せられるものがないか自問してみる、つまり優先順位を付けて頭を整理してみましょう。

うつ病や抑うつ状態になると、家族に苛立ちや不安をぶつけてしまい、本来であれば支えくれるはずの家庭との関係が悪化してしまうこともあるでしょう。また、自分自身の健康状態に向き合うこと、適切な対処法を考え行動することもできなくなってしまいます。

経営者・社長がうつ病に罹患してしまえば、会社の経営状態に直結するばかりでなく、社員やその家族へも影響を及ぼす事にもなりかねません。会社のかじ取りをするべきトップが正常な判断をできなくなれば、経営も傾きかねません。
そうなる前に早めに異変に気づき自覚して対応する事が重要になってくるのです。

第三者や心のプロである心理カウンセラーに相談し、心の中に抱え込んだものを吐き出し、辛い思いに寄り添い共感してもらうことで、ゆとりが生まれます。
ご自分の価値観だけでなく、第三者の視点を積極的に取り入れることは仕事面・メンタルケアの面の両面でプラスに繋がるでしょう。

悩みを相談するなら利害関係のないメンタルヘルスの専門家へ

悩みを相談できる第三者の存在は必要です。

ただし、誰でも良い訳ではありません。
経営者・社長という立場では、仕事関係の人間に社内の問題を話せるはずもありません。
そのような立場の人には、相談相手として、利害関係のないメンタルヘルスの専門家を選択する事が最適です。

ご本人がまだ自覚していない心の深い部分にまで目を向けることで、解決の糸口が見つかることが多くあります。心の深部に目を向け、気持ちを汲み取るには訓練を受けた心のプロフェッショナルである心理カウンセラーが最適です。
心理カウンセラーは、会社の幹部や家族にも言えない経営者・社長ならではの心の深部にある葛藤をしっかりと受け止めてくれるはずです。

経営者・社長、起業家や企業のトップクラスの方ほど、叶えたい未来へのビジョンが明確で熱意も強く、会社と社員への愛情も深いため、ご自分の心のケアはついつい後回しにしてしまう傾向があります。

向上心が強くバイタリティーがあるからこそ、前を向き進み続けて結果を出しておられる訳ですが、ご自身のメンタルケアにも未来へのビジョンに向けるのと同じくらいの高い意識をお持ちになることをお勧めします。

世界的にみてもトップを走り続けている人こそ、専属の心理カウンセラー、メンタルコーチと契約し、メンタルケアに時間とお金を投資している人が多いのも事実です。

メンタルヘルスでは、安易な自己判断はリスクが大きいので、おかしいなと思った時点で、迷わず専門家の手を借りましょう。

この記事を書いたプロ

鈴木恵美

表面化する問題から悩みの本質に迫る心理カウンセラー

鈴木恵美(Pure Bliss(ピュア ブリス))

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