メンタルフィルター
両者ともに、人の上に立つ、人を纏める立場の人材に必要な資質です。
それを私達は一括りに『マネジメント』と呼ぶ事が多いのですが、
まずは、『マネジメント』とは、具体的にはどういうことなのでしょうか。
マネジメントとは、
「組織目標を達成するために、与えられた経営資源を最も効果的に活用し、
組織・人を通じて成果をあげることである」
と一般に言われています。
噛み砕いて言うと、
情報、時間、技術、空間、お金、信用等の[経営資源]を使って、
その組織が掲げる目標(企業理念・経営ビジョン)を達成しましょうね。
ということなのですが、
単に目標を達成すればよい、というわけでもなく、
これら↓の要素がバランスよく成し遂げられるマネジメントが理想とされています。
<生産性の向上>
・売上、利益確保
・コスト削減、効率追求
<社会性の発揮>
・CS、公益性、社会地域貢献
・地域との共生
<人間性の実現>
・ES、自己実現
当たり前の話ですが、売上達成の為にコストを抑えて超長時間労働とか、
地域の環境を無視した研究開発とか、
何のために働いているんだ?と思いながら成長できないまま時間が過ぎていくとか、、、
そんな状況が積み重なっていくと、
世の中を悪い意味で賑わす”黒い企業”という立ち位置になってしまいます。
企業(会社)とは限りません。
美味しいケーキを作っているのに、アルバイトが1年で20人も入れ換わっている、、、
こんなお店も、上記のバランスがどこかオカシイ証拠です。
このバランスがおかしくなる要因の一つとして、
マネジメントとリーダーシップが混同してしまい、現場が混乱しているケースがあります。
なぜ混同してしまうのか?
それは、マネジメントとリーダーシップに共通する5つの仕事の中身を
理解しないまま遂行してしまっているからなのです。
一般の研修等で言われている分類はこうです。
<マネジャー/リーダーに共通する5つの仕事>
①目標を設定する
②経営資源を組織化する
③動機付けとコミュニケーションをはかる
④評価測定する
⑤人材を開発する
これが、「5つの仕事」
「仕事」という名称では同じ言葉で表されますが、
それぞれ、こんなに↓違うんです。
①目標を設定する
マネジャー:戦術、機構、システムを重視
リーダー:哲学、基本価値、共通の目標を重視
②経営資源を組織化する
マネジャー:組織機構をとり、人員を配置する
リーダー:方向性を示して人々の足並みをそろえる
③動機付けとコミュニケーションをはかる
マネジャー:従うよう人に求める
リーダー:付いていきたいと人に思わせる
④評価測定する
マネジャー:予想不可能なことを嫌い、秩序を求める
リーダー:変化を求める
⑤人材を開発する
マネジャー:人を基準に従わせる
リーダー:人に変化を起こすように鼓舞する
【出典:日本経済新聞社】
これらは少し極端な表現かもしれませんが、
マネジャーは組織を支えるという立場から、思考範囲、活動範囲がとても内向きになりがちです。
その点、
ビジネスリーダーの可能性というのは期待値があるのが分かります。
組織のリーダー層が自身の役割を理解し、
組織に活力を与えることができる可能性を秘めているといえます。
注意していただきたいのは、
組織の役職序列でマネジャーとリーダーが位置付けられるというわけではありません。
リーダーシップを発揮しているトップの下に、
これらマネジメントを下支えしている層が居る組織体制もあります。
これらを鑑みても、どうにも組織がうまくいかないな、という空気が漂っているのは、
マネジャーとリーダーがその立場と役割を混同している状況にあるといえます。
つまりは、組織としての発展の妨げになっているということですね。