「働きやすさ」VS「働きがい」~ES調査の求めること~

伊東久

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テーマ:組織活性化プログラムのご案内

 「働きやすさ」VS「働きがい」

 

お客様不在の店


 あるセルフ式のカフェで覆面調査をした時のことです。
 丁度お昼どきでイベントも開催しており、セルフ式のカウンターには行列ができていました。やっと自分の番が来るとスタッフはテキパキと前のお客様のオーダー処理をして、私の注文を聞こうとしていました。しかし「こんにちは」等の挨拶はなく、「ご注文どうぞ」との声もかからず、私がオーダーするのを待っていました。笑顔もなく目線は一切合いませんでした。スタッフの言葉づかいは淡々としていて、相槌や復唱もないので注文が間違いなく通ったか不安になりました。商品の味付けを聞いたのですが、早口で聞き取れないところもあり、何かとてもせかされた気分になり、さっさと会計を済ませてその場を離れました。なんとも寂しい気持ちになり、仕事でなければこの店を選んだ残念感が残ったでしょう。
 食事をしているとやっとカウンターが空き、お客様が途切れました。時計を見ると13時半、ランチタイムのピークが終了した時です。すると突然4人いたスタッフがカウンターの真ん中に集まり「やったー!お疲れさん、よく頑張った。○○の動きは良かったよ!」とい言ってハイタッチが始まり、満面の笑顔でみんな満足な表情を見せていました。

 

働いている側の満足感


 覆面調査の報告会が始まり、このカフェの店長と面談することになりました。察しの通り調査結果は最悪の点数です。冒頭で「この点数を見てどう思いますか?」と聞きました。すると「いやー、こんなはずないです」というリアクションでした。次に「お店の問題点はどういうところにあると思いますか?」と質問しました。すると「いや、みんな仲良くて協力体制もあるので、スピードもついてきたし大きな問題はないです」こう言い切りました。その後私は、具体的に店で起こっていた当日の状況を淡々と伝えました。事実だけをです。すると店長の目がだんだん潤んできました。相当な現実を突きつけられたショックなのでしょうか、しばらく無言になってしましました。更に私は「この店は働きやすいですか?」と聞いたところ、「とても優遇されててみんなが仲良しで働きやすいです」と答えました。私はすぐに「それは良かったですね。でもどうでしょう、働きがいはありますか?」と質問すると、店長は黙ってしましました。店長にとって「働きがい」とは何か、ゆっくり考えてもらうことで面談を終えました。

店のあるべき姿を考える


 後で確認したことですが、この店は人気店でもありいつも混んでいて、特に昼どきは行列になる店です。しかし人手不足で手が回らず、忙しさのあまり人はどんどん辞めていってしまっていたそうです。最小限の人数の中で店を運営するにあたり、時給の改定やピーク手当の付与、慰安会の開催などにも取り組み、カウンターでの仕事のしやすさのためのレイアウト変更や、危機の入れ替えまでも取り組んでいたそうです。
 私は、自分達の都合で仕事をしていて、仕事の大変さからその人たちの意見を聞き過ぎてしまい、店舗の改善策が間違った方向にいってしまった結果だと思っています。本来、店の役割である「お客様に満足を提供して喜んでいただく」ことを見失った結果であると思います。淡々とこなしているカウンターでの接客に、歓迎する気持ちに欠ける対応、商品の良さも伝えられずに事務的な会話をしてしまって、お客様の満足度を下げてしまっていることに気づかないままでいたのです。店の課題解決には、本来お客様にとって「店のあるべき姿」を考えることから始まります。

本当の従業員満足度とは


 組織の目的は、利益の創出と地域社会への貢献であることはご存知でしょう。それは、顧客があって達成されるものなのです。それを見失うといつの間にか顧客を失ってしまいます。そうなる前に、本当の従業員満足度を測っていかなければならないのです。それが「エンゲージメント・サーベイ」と言い、私たちが考えるES調査プログラムのことです。
一般的なES調査とは、従業員の「働きやすさ」を測るもので、働く環境改善や報酬、待遇を求める指標と言われています。私たちのESとは“EngagementーSurvey”「エンゲージメント・サーベイ」と言い、「働きがい」を測り組織への貢献度や愛着心、帰属意識の向上を求めるものと定義しています。エンゲージメントとは、従業員の組織に対する「愛着心」や「思い入れ」を表すもので、「個人と組織が一体となり、双方の成長に貢献し合う関係」を築いて、結果的に業績向上を目指します。

この店のあるべき姿はお客様に満足を提供することであり、そこで働くスタッフは、そのお客様と共に喜びを分かち合えること、それが「働きがい」ではないでしょうか。
私たち独自のES調査プログラムエンゲージメント・サーベイ(ES)プログラムを是非確かめてください。

こちらのホームページからお問い合わせください→おもてなし経営クリエイション・アカデミー

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伊東久
専門家

伊東久(経営コンサルタント)

株式会社おもてなし経営研究所

現場での接客と、組織マネジメントの経験を併せ持った視点から、顧客に愛され支持される「おもてなし経営」を目指した組織づくりを支援。従業員の力を引き出すコンサルティングと豊富な経験談を交えた研修が好評。

伊東久プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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