空室率が上昇する中で迎える繁忙期、オーナーがやるべき3つのこと。vol.03
「周辺競合物件から相場を導き出し、基準住戸(2階中部屋)の賃料を決める 」
管理会社の選定も終わり、購入したアパートの竣工が見えてきたら、次は募集図面の作成に入ります。
そこで悩ましいのは各住戸の値付け。
何回かに分けて下記を解説します。
1.周辺競合物件から相場を導き出し、基準住戸(2階中部屋)の賃料を決める
2.各住戸の賃料を決める
3.直接のライバル関係になる競合募集物件の進捗状況からリーシング戦略を決める
今回は「1」についてお話します。
土地や物件を購入するときに、おおよその想定賃料と利回りが記載されている場合が多いですが、その「おおよその想定賃料」というものがそもそも前向きな(時に前のめりな)場合が散見されます。
それを鵜呑みにして賃貸募集に出したら反応がない、ということも。
周辺競合はsuumoやathomeで調べることができますが、ここに載っている物件には「高くて売れ残った住戸」が多く含まれています。特に供給過多エリアでは注意が必要です。
株式売買の売り板8行の上の方、というイメージでしょうか。
実際の相場は、売り板の平均値ではなく、売り板の最安値。そこを見極めます。
それともう一つのポイントは「AD(広告料)」の付与率。
これはネットではわからず、募集図面にしか記載がありません。
なので物件を購入した会社や管理会社に抽出条件を伝え募集図面をもらってください。
ここでADが300や400の物件があれば、その賃料は割り引いて考える必要があります。
(この辺は奥と闇が深いので詳細は割愛します)
売り板の最安値が取引成立ライン(申込ライン)であること、高いAD付与率物件には留意することを意識して、自分の中での相場観を作ったら次は現地周辺の不動産業者へのヒヤリングです。
「今度ここで物件を建てるんですが、テナント付けについて少し相場を教えていただけませんか。新築24平米1Kバストイレ別2階なんですけど、、」と訊いて回ります。
やはり日々その場所で賃貸仲介営業をしている方は「これは決め物」「これは決まらない」という肌間隔を持っているのでフィードバックは極めて貴重。
ただ、これまた留意点があり、
・仲介しやすい決め物が欲しいから安く伝えておく(私がそうでした)
・管理受託をしたいからオーナーが来たら「高くつけられますよ」という営業トークが入る
なんていうこともあるので、これまた見極めが必要ですが4社も回れば「真ん中」が見えてきます。
こうして自分で調べた相場観と現地仲介業者さんの意見をすり合わせ、基準住戸(2階中部屋)の賃料を決めていきます。
次回は「2.各住戸の賃料を決める」です。