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閑散期の長期空室を避ける募集条件の作り方 vol.01

大槻圭将

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テーマ:不動産管理|マーケットリポート

繁忙期が終わり、埋まらなかった住戸。
特に学生・若年層ニーズの物件だとキャッシュフローだけでなく、賃貸経営の見落としやすいコストの一つ「気がかりコスト」も結構なものに。
どっしり構えて繁忙期を待つという腰の据わったオーナーもおられますが、やはり稼働させる施策を打ちたいものです。
そこで長期空室を避ける施策とその考え方についてお話していきます。

Vol.01では「閑散期のマーケットを板で把握する」。
閑散期とは空室住戸の数に対して借主の数が少なくなる時期。
少ない見込客に、多くの物件の中から「まず自分の住戸をチョイスしてもらう」必要があります。
様々な空室対策がある中で、ここでは大前提の賃料にフォーカスしてみます。
まずは下記の株式相場に似た「板」をご覧ください。

貸     借
49   
18 72,000
15 71,000
16 70,000
  69,000 3
  68,000 4
  67,000 2
     9

これが閑散期のマーケットの例です。空室が49戸に対して借主は9人。
・閑散期だけに借り手には「借り上がる元気」がない
・仮に借主全員が貸板に買い上げても7万円が9戸埋まるだけ
・まして71,000の住戸には内見も入らない
という状況。

そこでオーナーがとれるシンプルな対策は「69,000の借板にあてる」という方法です。
賃料を2,000円下げると、4年間で(2,000×平均居住年数48か月=)96,000円のマイナス。
ただし、値下げにより空室が3か月短縮できれば(69,000×3=)207,000円のプラス。
つまり6ヵ月放置を選ぶより、2,000円下げて空室期間3か月を選べば4年間で111,000円のプラスです。
賃料を下げるだけでは能がないのですが、まずは「賃料値下げと空室短縮の収支関係」の把握も必要です。

あと、もうひとつ。閑散期の適正賃料を算出する際、ネット査定等では「貸板の平均」を取ることが多く、上の板でその方法「募集住戸の平均値」を算出をすると71,040円。
「そうか、相場は71,000円か」と理解してしまうと、上述の長期空室が。。借手がつくのは69,000~70,000なので、そこも注意が必要です。

次回は「Vol.02 賃料以外の施策、ADとその使い方」
ファーストチョイス物件施策を少し具体的にをお伝えします。

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株式会社ノースエステート プロパティマネジメント部

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大槻圭将
専門家

大槻圭将(不動産コンサルタント)

株式会社ノースエステート

「不動産は投資ではなく経営するもの」と考え、反響数や内見数、空室数とその期間などをデータ化して物件オーナーと共有。借り主向けの24時間サポートや弁護士相談サービスを無償でオーナーに提供します。

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