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大槻圭将プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

空室率が上昇する中で迎える繁忙期、オーナーがやるべき3つのこと。

大槻圭将

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テーマ:不動産管理|マーケットリポート

近年の不動産投資ブームで明らかに供給過多の様相を呈する中、オーナーができることは何なのか。
今回は3回に分けて「できること」と言うよりもむしろ「やるべきこと」をお話いたします。
一回目のテーマは「ポイントを押さえたマーケティングを」です。
より具体的に言うと「募集条件がマーケットアウトしていないか」。

今回のチェックポイントは3つです。
1.過去の成約賃料(トラックレコード)で値付けを放置していないか
2.売り板が厚く、買い板が薄い今の賃貸市場では「相場平均賃料」ではテナントがつかない
3.競合物件の賃料と合わせて把握したい「AD(広告料)」とは?

上記は2016年頃から起きた市場変化に対応するために「新たに必要になったメソッド」です。
さっそく「1」からお話しします。

1.過去の成約賃料(トラックレコード)で値付けを放置していないか
「もう10年戸の物件を所有している。いくらでテナントがつくのか大体の相場はわかっているよ」
「解約が入ったの?じゃあとりあえず既存賃料で再募集を頼むよ」
こんなセリフを耳にすることがあります。ほんの5年前までは「その通り」なのですが、今は少し勝手が違ってきています。
なぜか最近空室期間が長い、その原因の一つに、需給バランスが崩れたマーケットの変化に合わせず「賃料を放置している」という可能性が考えられます。
suumoやathomeで類似の競合物件を調べ、「今のマーケット」に沿った適正賃料をもう一度再確認してみてください。

空室率上昇


2.売り板が厚く、買い板が薄い今の賃貸市場では「相場平均賃料」ではテナントがつかない
これもここ数年の現象です。特に地方郊外や23区内の地価が安いエリアで顕著です。
株式の板に例えると以下のようなイメージでしょうか。
貸      借
21 80,000
20 79,000
31 78,000
   77,000 2
   76,000 3
   75,000 5

この状態で「空室住戸の平均賃料は79,000円」と判断してしまうと、借りたい人の合計10人が全員78,000円まで借り上げても、一見平均相場に見える79,000円の物件までは埋まりません。
対応策は色々ありますが、まずは「空室募集住戸の最安値が相場」という認識を持つことが必要です。
あとは、購入前でしたら複数の物件の乗降客数とsuumoでの募集件数を比較し、乗降客数を募集住戸数で割り、戸当たりの乗降客数を比較してみてください。
エリアによってニーズの違いがあるものの、大まかな需給バランスの把握には有効です。

3.競合物件の賃料と合わせて把握したい「AD(広告料)」とは?
ライバルより早く空室を埋めるために必要な要素として、代表的なものは下記の二つです。
a.借主にとってのファーストチョイス物件にする(賃料や初期費用でのコストメリットを出す)
b.仲介業者にとってのファーストチョイス物件にする(ADを増やす)
AD=広告料とは、成約時に貸主が客付仲介業者に支払うボーナス。AD100はボーナスが賃料の1か月分、AD200なら2か月分、という意味合いになります。
上記「a」はsuumo等でライバルをリサーチできますが、ADはネットには載っていません。
どこに載っているかというと、管理会社が作成した募集図面の右下に小さく載っています。
なので、ADのリサーチする場合は委託している管理会社に「近隣競合物件の今の募集図面を集めて見せてください」とリクエストしてください。
近隣競合物件が軒並みAD200なのに、自分の物件だけAD100だと、、仲介業者はボーナスの多い物件を優先的に紹介、誘導する傾向があります。
ファンドバブル前まではほとんど見られなかったAD、今はほとんどの物件に付与され、その多寡により成約スピードが左右されます。
賃料だけでなくADもチェック、空室募集時にご確認ください。

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大槻圭将
専門家

大槻圭将(不動産コンサルタント)

株式会社ノースエステート

「不動産は投資ではなく経営するもの」と考え、反響数や内見数、空室数とその期間などをデータ化して物件オーナーと共有。借り主向けの24時間サポートや弁護士相談サービスを無償でオーナーに提供します。

大槻圭将プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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