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西山広高

お金と不動産の知識で自分らしく幸せな暮らしを提案するFP

西山広高(にしやまひろたか) / ファイナンシャルプランナー

西山ライフデザイン株式会社

コラム

「持ち家」か「賃貸」か 2

2018年3月6日

テーマ:FP

コラムカテゴリ:お金・保険




以前に、「持ち家か賃貸か」というタイトルのコラムを書かせていただきました。

賃貸と持ち家のメリットとデメリットは以前のコラムで書かせていただいているのでそちらをお読みいただければと思います。
以前に書いたこと以外にも考慮しておかなければならないことについて書かせていただきたいと思います。

持ち家の買い時は?


人口減少社会を迎えるこれからの日本では、多くのところで不動産価格が下落することが予想されています。
不動産価格が下落するということは、

・ 持ち家を買うタイミングを待った方が価格が下がるかもしれない。
・ 今持ち家を買うと、売却するときに今よりも値段が下がるかもしれない。

ということも考えられますし、

・ 空き家が増えると賃貸の場合の賃料も下がるかもしれない。

ということもありそうです。

一般的に賃貸住宅の賃料は景気変動に左右されにくいと言われます。
賃料が上がるときも下がるときも緩やかに変動すると考えるのが一般的な考え方です。
ただし、契約更新時や引っ越し時などには大家さんとしても実需に合わせて価格を改定したいと考えます。
全体相場としては緩やかな変動でも、個々のケースでは大きく変わる可能性があることも考慮しておく必要があります。

大家さんが考えるさまざまなこと


日本全体ではこれから人口が減りますが、エリアごとに見ていくと人口が増えていく場所もあります。
例えば、交通インフラや周辺施設の充実などが進んでいるにもかかわらず、賃貸物件の供給が追い付いていないエリアでは、需要と供給のバランスをとるため、賃料が緩やかに上昇していくと考えられます。
そのようなエリアに物件を持つ大家さんは、次の契約更新時や、入居者が入れ替わるときに賃料の値上げを考えることもあるでしょう。

その他に、大家さんには「リスクのある入居者はお断りする」権利があります。
あからさまに「外国人お断り」や「高齢者不可」と表示するのはいろいろと問題がありそうですが、入居時には「審査」があります。「賃料を滞りなく支払えるかどうか」が主な審査項目になりますが、審査を経てお断りする理由については開示する必要がありません。極端に言えば、「この人は嫌い、うまくやれそうにない」などの大家さんの主観を理由(本音)に入居をお断りすることも可能です。

将来持ち家を確保できる見込みがある場合には気にすることはないでしょう。一方、一生賃貸に住み続けようと考えている場合には貸主、すなわち大家さんの判断で入居できないことがある、ということを考えておく必要があります。

特にこれから高齢化社会がさらに進行しようとしています。
大家さんが「高齢者には入居して欲しくない」と考え、断わられてしまう可能性も考慮すべきです。

弊社にご相談にいらしたあるお客様は、90歳と65歳の親子で入居できる賃貸住宅を探しておられますがなかなか見つかりません。
これまでお住まいだった賃貸住宅が事情により建て替えになるため、退去せざるを得なくなるため転居先を探しておられます。ご高齢なので1階、あるいはエレベーターのある物件限定で探しておられますが、まず、入居者の年齢を大家さんにお伝えした時点でほとんど断られてしまいます。

仮に内見(見学)できたとしても、入居申し込み後の審査で断られてしまう可能性も高いと考えられます。

高齢者専用住宅は賃料が高い


最近は有料老人ホームやサービス付き高齢者住宅などの高齢者専用住宅も増えてきています。これらの施設は一般的な賃貸住宅に比べ、様々な付帯サービスがあることもあり、賃料や入居金が高く設定されています。

比較的資産をお持ちで、こういった施設に入居するための費用負担が可能な場合は良いのですが、そうでなければ選択肢はグッと少なくなってしまいます。
高齢になってから住む家を探すのに苦労されるというのは体力的にも精神的にも負担が大きいことは容易に想像できるでしょう。

大家さんの立場で考えてみれば、仮に事件などではなくてもご自身が所有する物件内で入居者がお亡くなりになることに抵抗を感じることは想像に難くありません。

持ち家か賃貸かを選ぶときもライフデザインが重要


「賃貸」か「持ち家」かを考えるときには、今後の住宅費の負担だけではなく、今後のご自身やご家族の生活スタイル、資産状況の推移なども含めてお考えになる必要があります。

ファイナンシャル・プランナーのところにはさまざまな相談が寄せられますが、多くの場合「キャッシュフロー表」や「ライフイベント表」の作成をお勧めします。これから先に起こることは予定通りにいかないことも少なくありませんが、自分なりのライフデザインを行い、当初の想定と現況との間に大きな差ができた時には見直すことも必要です。

住居費は、生活するうえで大きなウエイトを占めます。なんとなく「何とかなるだろう」と漠然と考えていると思わぬ苦労をすることにもなりかねません。

将来、どのように過ごしたいのかをあらかじめ見通し、できる準備をしておくことが重要です。
「持ち家」か「賃貸」かはかかる住居費だけではなく、自身を取り巻く将来の環境の変化も考慮しておくべきでしょう。

ご相談はこちらから。お気軽にどうぞ。
西山ライフデザイン ホームページ
http://www.nishiyama-ld.com/

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