東京都 旧耐震マンションの建て替え促進へ
昨日行われたフランス大統領選挙の決選投票の結果が出ました。
EU離脱について国民の意を問う国民投票を行うことを公約としていたルペン氏が落選し、マクロン氏が当選を確実にしました。
しかしながら、これでフランスは安泰か?というとこれからもなかなか難しい状況が続くのだと思います。
ヨーロッパを取り巻く環境
イギリスがEU離脱に向け動き、アメリカではトランプ大統領が当選。グローバリズムに対する否定的な感情が世界的に高まっていることは間違いないでしょう。グローバリズムの浸透により、それまで優位であった人や国が必ずしも優位を保てなくなることが各所で起こっていることは事実だと思いまし、不当な差別が起きていることも事実でしょう。
ヒトやモノが自由に流通すると競争が激化します。生き残れるのはブランド化、差別化された能力や特徴のあるもので、価格だけで差別化された商品やサービスは駆逐されざるを得なかったのだと思います。
先日、NHKスペシャルでもフランス国内で淘汰されてしまった農家の多いエリアで支持を集めるルペン氏のことを報道していました。
EUではご存知の通り、加盟各国間の行き来は自由です。すなわち、EU加盟国のどこかに入国すれば域内の移動は自由、ということになります。
国境に壁があるわけではないので、入国しようとすればできてしまうのでしょう。入国したところで不法入国でも安い賃金でも働く事で生計を立てている人は少なくないのだと思います。きちんと手続きすれば、助成を受けることもできます。
ところがこれらにより、もともとその国にいる人たちの中でも生活に余裕があるわけでもない人たちには不満が募ります。安い労働力に追いやられ職や、住むところを失う人も少なくないようです。
これからのヨーロッパは?
保守派のマクロン氏が当選したことでいったんはフランスのEU離脱という事態は回避されました。しかしながら、ここまでルペン氏が得票し、無視できない民意がEUに対する不満を持っているということが明らかになっている以上、何らかの対応を考えなければいけないのだと思います。
ルペン氏が所属する「国民戦線」の過去の経緯からルペン氏を「極右」と表現するメディアが多いものの、実際にフランス内、あるいはEU内で起きている移民に対する対応や、テロなどが発生する治安の問題を考えると、EUに加盟していることによるリスクの存在は否定できないと思います。極右というほど過激な思想とは限らない気がします。
それでも、過去の歴史から加盟各国が争うことがないようにとの思いから設立されたのがEUであり、人権尊重、無差別は最も重要な理念です。「移民に寛容になり、融和を目指す」ということに対し不満を感じる人がいなくなることもないでしょう。
EUの中でも影響力の強いフランスが今回ひとまず残留を確実にしたため、当面の混乱は避けられるのだと思いますが、これからもヨーロッパは様々な選択を迫られ、不安定な状況がしばらく続くように思います。
日本への影響は
今や世界中の経済は一つの生命体のように複雑に影響しあっています。ヨーロッパやアメリカをはじめ世界各国で起こる変化は確実に日本にも影響します。
とりあえず、今回のフランス大統領選挙では大きな変革はないことになりましたが、今後も様々な変化が起こりうることは意識しておくべきでしょう。
日本が抱える問題と合わせて考える
日本は、他国と国境を接しない国です。人の行き来には海という巨大な障壁がありました。最近の日本には働く外国人も増えてきたように感じますが、それでも今の日本はほとんど移民を受け入れていません。
日本はこれまでの歴史から、移民を無条件に受け入れるという選択はありえないでしょうし、移民が押し寄せるということもないでしょう。
しかしながら、日本はすでに人口減少社会に突入し、社会保障システムに支障が出始めています。
移民は受け入れない、でも少子化にも対策が打てないとなるとますます社会保障システムは崩れていきます。
日本は日本なりの、ドラスティックな改革が求められていると言えます。
最近の国会はいまだに「森友」問題を取り上げます。無駄、とは言いませんが、もっとよるべきことがあると思います。