金相場価格デイリーコメント週間まとめ（3/10〜3/14）

ファイナンシャルプランナーの水野崇（CFP認定者/1級FP技能士）が、金・貴金属買取を全国展開している「なんぼや」HPに、平日は毎日「金相場価格」の専門家コメントを提供しています。


今週の金相場価格の振り返りとして、1週間のデイリーコメントをまとめました。

金相場価格・今週（3/10〜3/14）のデイリーコメント

■3月14日（金） 9:00

2025年3月13日（木）のNY金先物は大幅続伸となりました。3営業日連続の上昇で、ドル建て金価格は過去最高値を更新しています。インフレ指標の米生産者物価指数（PPI）が横ばいとなり、これを好感した形で発表後から上昇幅を大きく広げる展開でした。トランプ米大統領が欧州連合（EU）産のワインなどに200％の関税を課す意向を示し、米国と各国との間で激化している貿易摩擦がさらに悪化することで、景気の先行きが懸念されています。トランプ米政権の高関税政策が実体経済へ影響すれば景気後退リスクに直面することから、株式市場ではNYダウ平均株価が4営業日連続で下落。安全資産へのニーズの高まりから、金相場は堅調な展開が見込まれます。


■3月13日（木） 9:00

2025年3月12日（水）のNY金先物は続伸となりました。トランプ米大統領はカナダへの25%追加関税を即日撤回したことで金は売り優勢となりましたが、カナダと欧州連合（EU）がそれぞれ米国に対する報復関税を発表したことで買いに転じ、金相場は上げ幅を広げながらプラス圏で堅調に推移しました。カナダは13日（木）から、EUは4月1日（火）と4月中旬の2段階で追加関税を発動予定。また、この日は重要はインフレ指標である米消費者物価指数（CPI）が発表され、市場予想を下回ったことで外国為替市場でドルが買われ、ドル円は一時149円台前半をつける場面がありました。トランプ米政権の相互関税政策への対抗措置は各国に広がっており、関税の応酬によって米国を含め世界経済に悪影響を及ぼすリスクが懸念されています。


■3月12日（水） 9:00

2025年3月11日（火）のNY金先物は反発となりました。トランプ米大統領はカナダから輸入される鉄鋼とアルミニウムに対し、25%の追加関税を課すよう指示。関税率の合計は50％に達し、12日（水）に発行される予定です。カナダは10日（月）、ニューヨーク、ミシガン、ミネソタの3州に供給している電力に25％の追加料金を課すことを発表していたため、米国側が更なる追加関税で対抗した形。米国とカナダの両国においても、貿易戦争は激化しています。トランプ米政権の相互関税政策が警戒されるマーケット環境が続きます。


■3月11日（火） 9:00

2025年3月10日（月）のNY金先物は続落となりました。中国は米国からの大豆やトウモロコシなどの輸入品に対して、最大15%の追加関税を発動。米国が4日（火）に、中国への追加関税を20%に引き上げたことへの報復措置として実施。トランプ米大統領は、2024年11月の大統領選の期間中に中国製品に最大60％の関税を課すと公約しており、中国との貿易摩擦は激化しています。これを受けてマーケット全般でリスク回避の動きが加速し、株式市場は大幅下落、外国為替市場でドル円は一時146円台中盤をつける場面がありました。金相場も売りが優勢となっています。


■3月10日（月） 9:00

2025年3月7日（金）のNY金先物は反落となりました。注目されていた米雇用統計は市場予想を下回り、マーケットには失望感が広がり外国為替市場を中心に不安定な値動き。ドル円は指標発表前後でドル売りとドル買いが交錯し、148円ちょうど近辺から146円台後半を何度か往復する展開。148円台ちょうど近辺に戻して週末の取引を終えました。パウエルFRB議長から「政策金利の変更を急ぐ必要ない」との発言が伝えられると、米国景気への先行きに対する過度な警戒感は薄れ、安全資産としての金は利益確定の売りで値下がりに転じています。トランプ米大統領の発言や関税政策に振らされやすいマーケット環境が続きますので、金相場の下値は底堅いものの上値も限られ、方向感を徐々に失いつつ一定レンジ幅での推移が予想されます。


【メディア情報】水野崇（CFP/1級FP技能士）が金・貴金属買取の「なんぼや」に金相場価格のデイリーコメントを提供


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