【メディア情報】<2024年8月>金相場・株式市場・ドル円ウィークリーコメント

水野崇

水野崇

テーマ:金相場価格

ファイナンシャルプランナーの水野崇(CFP認定者/1級FP技能士)が、金・貴金属買取を全国展開している「なんぼや」HPに、平日は毎日「金相場価格」の専門家コメントを提供しています。また毎週末は、NYダウ・ドル円(USD/JPY)を含めた金相場価格のウィークリーコメントを提供しています。


2024年8月、全4週のウィークリーコメントをまとめました。

金相場価格・2024年8月のウィークリーコメント

■8/26〜8/30

2024年8月26日〜8月30日週のNY金相場は、2527.6ドル(前週終値比0.7%下落)で週間の取引を終了しました。20日(火)以降のドル建て金価格は、過去最高値圏で一進一退の動き。米利下げ観測と中東情勢の緊迫化が下値を支え、上昇トレンドを継続しています。23日(金)のパウエルFRB議長講演を受けて、マーケットでは9月利下げ開始を織り込む流れが随所に見られます。株式市場では利下げを好感した買いを集め、26(月)のNYダウ平均株価が終値で約1ヶ月ぶりに過去最高値を更新。8月上旬の暴落局面からほぼ一本調子で上昇を続け、30日(金)の終値で41,563.08ドルの過去最高値をつけて8月の取引を終了しました。外国為替市場では、経済指標の強弱感が今後の利下げ幅の思惑へとつながりドル需要に影響を与えています。30日(金)に発表された米PCEデフレータが予想通りの結果であったことから、米利下げ開始見通しに影響なしと受け止められドル買いが進みました。1ドル=143円台後半に位置していたドル円は146円台前半にまで円安ドル高が進行、日足チャートの20日線近辺への戻り高値を試す動きです。2024年9月2日〜9月6日週は、2日(月)はレイバーデーで米国市場が休場となりますが、6日(金)は重要イベントの米雇用統計を控えます。そして、9月17日(火)〜18日(水)に開催される米FOMCでは、0.25%の利下げが確実視されています。日米の金利差縮小は円高要因の一つに挙げられますが、米利下げ幅の拡大が予想される局面では1ドル=140円を割るもう一段の円高進行も想定されるでしょう。ドルと金は逆相関の関係にあることから、米利下げ観測はドル建て金価格の大きな上昇要因です。その一方で、ドル円相場は国内金価格に影響を与えます。13,000円前後での推移が続く国内金価格に関しては、FRBの利下げと日銀の利上げで強弱感が対立する格好となり、日米の金融政策が転換点を迎える現在のタイミングは、上下どちらにも大きく動きづらい状況といえるでしょう。

■8/19〜8/23

2024年8月19日〜8月23日週のNY金相場は、2546.3ドル(前週終値比0.3%上昇)で週間の取引を終了しました。20日(火)には過去最高値を更新する2570.4ドルの高値をつけました。FRBの利下げ期待から足元ではドル売りと金買いが進み、ドル建て金価格は上昇トレンドを継続しています。23日(金)のジャクソンホール会議での講演において、パウエルFRB議長は「時が来た」として9月利下げ開始を明示しました。FRBが9月に利下げを実施すれば2020年3月以来4年半ぶりとなり、米国の金融政策の転換点を迎えます。金相場にとって米利下げはポジティブ材料の一つであり、ここから更なる上昇も期待できます。グローバルマネーに変化を及ぼす大きな政策変更であることから、今後の世界経済全体にも影響を与えることになるでしょう。FRBの利下げ開始時期が明確となり、市場の関心は、0.25%になるか0.50%になるかといった利下げ幅に移っています。今後は利下げを織り込む動きが進みますが、弱すぎる経済指標が続けば景況感の悪化を伴うことから、金相場とは対照的に株式市場ではネガティブに反応する場面も予想されます。なお、次回の米FOMCは9月17日(火)〜18日(水)に開催されます。23日(金)には、植田日銀総裁が国会閉会中審査に出席し、発言内容に注目が集まりました。日銀として追加利上げの継続方針に変化がないと述べるなど、概ね慎重な答弁に終始したことで、日銀総裁発言に対するマーケットの反応は限定的です。外国為替市場ではパウエルFRB議長の講演開始後からドルが売られ、ドル円相場は1ドル=144円台前半にまで円高ドル安が進みました。FRBの利下げと日銀の利上げによって、日米の金利差は縮小される方向にあります。そのため、金利差に着目した円キャリートレードの巻き戻しが見られ、2024年7月につけた1ドル=160円を超えるような歴史的円安に終わりが見え始めています。ドル円相場における円安トレンドの終焉は、貴金属全般の国内価格にとって上値を抑える要因となります。国内金価格は7月17日(水)につけた最高値13,743円が上値目処として意識されつつも、これまでのような急ピッチな上昇は期待しづらい展開が続くことになりそうです。

■8/12〜8/16

2024年8月12日〜8月16日週のNY金相場は、2537.8ドル(前週終値比2.6%上昇)で週間の取引を終了しました。金曜日の大幅上昇によって再び過去最高値を更新し、2024年1月以降の上昇率は22.5%に達しています。ドル建て金価格をテクニカルで見ると、日足で明確な上昇トレンドが形成され、今後もう一段の上げ相場の様相を呈しています。13日(火)の米生産者物価指数(PPI)と14日(水)の米消費者物価指数(CPI)が共に事前予想を下回り、市場では米国経済のインフレ鈍化を示す結果と受け止められ、9月の米利下げ観測が再確認されました。金相場は利下げを支援要因として堅調に推移し、9月17日(火)〜18日(水)に開催される次回FOMCではFRBの利下げが確実視されています。下げ幅が0.25%になるか、もしくは0.50%になるかといったところが次の注目ポイントであり、インフレ指標を見極めしつつ、利下げを織り込む動きが進んでいくことになります。仮に、弱すぎる経済指標が続けば景況感の悪化を伴うことから、金相場とは対照的に株式市場ではネガティブな反応も予想されるでしょう。外国為替市場では、急速に進行していた円高ドル安の動きが一旦落ち着きを見せ、週間では146円台前半〜149円台中盤のレンジ内で推移しました。FRBの利下げはドル売り材料の一つであり、今後の為替市場にも大きな影響を与えることになるでしょう。日米の金融政策転換の影響から、ドル円相場では金利差縮小を先取りする動きが見られ、7月に1ドル=162円目前にまで進んだ円安ドル高が終焉した可能性が高まっています。荒れた展開が続いていた国内の株式市場は5日続伸で堅調に推移し、16日(金)の日経平均株価の終値は38,000円台を回復しました。過去最大の暴落日となった5日(月)につけた安値31,156.12円を一番底として、急速なリバウンドの動きが継続し、今後は二番底を探る動きで一旦下押しする場面がありそうです。国内金価格は、過去最高値を更新中のドル建て金価格をベースに、早期の13,000円台回復が待たれます。

■8/5〜8/9

2024年8月5日〜8月9日週のNY金相場は、2473.4ドル(前週終値比0.1%上昇)で取引を終了しました。2日(金)に発表された弱い雇用統計を受けて米国経済の景気後退懸念が台頭、投資家のリスク回避姿勢が強まったことで世界中のマーケットが大きく乱高下しました。金利の付かない金はFRBの利下げ期待が下支え役となり、週間では堅調な価格推移で上昇トレンドを維持しています。7月末に開催された日銀金融政策決定会合での政策金利引き上げの影響は大きく、国内の株式市場は歴史的な大暴落局面がありました。日銀の追加利上げによって日米金利差縮小で円買い戻しが加速、5日(月)の株式市場は日中の円高進行に合わせるように終日下落し、日経平均株価の終値31,458.42円は前日比4451円(12%)安でブラックマンデーを超える過去最大の下げ幅を記録しました。為替市場でも、東京時間でドル円が一時1ドル=141円60銭台をつけ、7月3日(水)の161円90銭台から1ヶ月余りで20円以上も急速に円高が進行しました。円高は輸出企業の業績悪化懸念へとつながり、下方修正リスクの警戒感が株価下落の要因として挙げられます。大暴落の翌日、6日(火)は一転して大リバウンド相場で全面高、日経平均株価は前日比3217円高の終値34,675.46円で過去最大の上げ幅を記録しました。投資行動が1日違うだけで、明暗を分けた2日間です。7日(水)は、内田日銀副総裁が金融経済懇談会の講演で、「金融市場が不安定な状況で利上げをすることはない」と発言しました。この発言後には日経平均株価が前日比1000円超の上昇に転じるなど、先日の植田日銀総裁「追加利上げ」示唆発言が修正されたことで、マーケットは落ち着きを取り戻しています。総裁発言が今回の大暴落相場の一因であったことが裏付けられた格好ですが、日銀は今後も利上げの効果や市場への影響を見極めながら、金融政策を慎重に舵取りする必要があるでしょう。国内金価格はドル円相場の影響を受けて5営業日続落から8日(木)以降は上昇に転じ、前週よりも値上がりとなっています。


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