【メディア情報】金相場価格デイリーコメント週間まとめ(9/16〜9/20)
ファイナンシャルプランナーの水野崇(CFP認定者/1級FP技能士)が、金・貴金属買取を全国展開している「なんぼや」HPに、平日は毎日「金相場価格」の専門家コメントを提供しています。また毎週末は、NYダウ・ドル円(USD/JPY)を含めた金相場価格のウィークリーコメントを提供しています。
2024年4月、全5週のウィークリーコメントをまとめました。
金相場価格・2024年4月のウィークリーコメント
■4/29〜5/3
2024年4月29日〜5月3日週のNY金相場は、2308.6ドル(前週比で1.6%下落)で週間の取引を終えました。中東情勢の緊迫感が大幅に後退したことで、株式などのリスク資産を売って安全資産を買う投資家のリスクオフの動きは一旦収束。ドル建て金価格をテクニカルでみても、4月30日(火)以降の終値は20日移動平均線を下回って推移しており、3月以来の上昇トレンド終了を示唆しています。現状の金相場に関しては積極的な買い材料に乏しく、再び米国経済指標と利下げ開始時期をにらんだ神経質な値動きが続き、投資家の利益確定に伴う売り優勢の相場地合いが想定されます。4月30日(火)〜5月1日(水)に開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)では政策金利の据え置きが決まり、FOMC後の会見でパウエルFRB議長は「インフレ率は予想を上回っている」と述べ、米国経済のインフレ鈍化が進まないことから早期利下げに対する慎重姿勢が示されました。米利下げ時期の先送りは、日米金利差に着目したドル買い円売りの主な要因に挙げられます。4月29日(月)の外国為替市場では円安が急速に進行し、東京時間の午前中に1ドル=160円20銭台をつけ、1990年5月以来34年ぶりとなる歴史的円安水準に達しました。160円台乗せ後の4月29日(月)と5月1日(水)には政府・日銀による円買い介入が二度観測され、ドル円相場は数円幅の乱高下を繰り返す荒れた展開に。5月3日(金)に発表された市場予想より弱い米雇用統計によってもう一段円高が進み、一時151円台をつける場面がありました。国内はゴールデンウィークの大型連休期間中で参加者が少なく、ドル円・クロス円は一方向に振れやすい状況でもあり、ドル円相場の上下変動幅で8〜9円とやや大きめの為替変動の週となりました。ここもとの円安を支援要因として高騰を続けていた国内金価格については、ドル建て金価格の上昇トレンド終了と円安一服によって高値更新は止まったものの、引き続き過去最高値圏である12,000円台での価格推移が続いています。
■4/22〜4/26
2024年4月22日〜4月26日週のNY金相場は、2347.2ドル(前週比2.8%下落)で週間の取引を終了しました。リスク資産から安全資産への資金逃避の動きに落ち着きが見られ、急騰を続けていたドル建て金価格は反落しています。22日にイランがイスラエルに報復攻撃を行わない方針を示し、中東情勢を巡る地政学リスクへの警戒感が後退、金は前日比で大幅に下落しました。同日には、フランスのマクロン大統領が、イスラエルのネタニヤフ首相と中東情勢悪化を回避する方策について電話会談を行ったことも伝えられています。25日の米GDPでは米国経済におけるインフレ加速が示され、FRBの年内利下げ観測は一段と後退しました。依然として利下げ開始時期が不透明であり米国債利回りが上昇、日米の金利差に着目したドル買い円売りの流れに変化がないことから、ドル円相場においても大きな影響を与えています。25日〜26日開催の日銀金融政策決定会合を控えた24日のNY時間において、ドル円が節目となる155円を超え34年ぶりの円安水準に達しました。日銀は金融政策決定会合で事前予想通り金融政策の現状維持を決定。植田日銀総裁から急激な円安進行に対する踏み込んだ発言がなく、市場では円安容認と受け止められたことによって円安が急速に進行、29日(月・祝)の東京時間・午前中には1ドル=160円20銭台をつけ、歴史的な円安水準をさらに更新する場面がありました。160円台乗せから数時間後の東京時間の午後1時過ぎには、円買い介入観測で円相場は乱高下。ゴールデンウィークの薄商いの中、ドル円相場は160円台→155円台→157円台→154円台と3〜4円幅の変動を繰り返しています。日銀は次の利上げ時期について明言していませんが、3月会合で決定された17年ぶりの利上げ以降も依然として円安圧力は根強く、市場では追加利上げ時期の前倒し期待感が強まっています。為替介入にもかかわらず、160円を超える円安が今後も続けば、秋以降の食品価格の値上げラッシュや冬場のエネルギー価格高騰を招き、消費者の生活費を圧迫する大きな要因として懸念されます。
■4/15〜4/19
2024年4月15日〜4月19日週のNY金相場は、上昇トレンドの押し目買いから堅調な値動きが続き、2413.8ドル(前週比1.7%上昇)で週間の取引を終了しました。ドル建て金価格は4週連続で上昇し、この間の上昇率は7.8%に達しています。中東情勢の地政学的な緊張の高まりによって、株式市場では利益確定の売りが目立ち安全資産への逃避先として金やドルが買われています。イスラエル・イランを巡っては、16日にロシアのプーチン大統領がイランのライシ大統領と電話会談を実施、17日には欧米やアラブ諸国がイスラエルに対し本格的な紛争発展を控えるよう促し、先進7カ国(G7)外相会合も18日の討議で双方に自制を求めました。一方、イスラエルは米欧や中東諸国からの自制要請を無視し、19日にイラン空軍基地などを狙った報復攻撃を行なったことが伝えられています。イランはイスラエルとの関連は証明されていないと述べ再報復しない方針を示し、さらにはイスラエルも攻撃した事実を認めていませんが、このままエスカレートし報復攻撃が繰り返され両国が全面衝突すれば、中東情勢は制御不能に陥り大規模な紛争に発展することも懸念されています。現在のような国際情勢不安が続けば、代表的な安全資産である金は買われやすく、金相場にとっては引き続き上昇要因となるでしょう。また、FRB当局者である米各地区連銀総裁からは、利下げを急ぐ必要がないことを強調する発言が相次いでいます。米国の経済や労働市場が堅調であり、利下げの必要性を議論するための材料に乏しく、パウエルFRB議長も「想定よりも時間がかかる可能性がある」と述べています。利下げ時期の先送り見通しによって、外国為替市場では日米金利差が意識されドルが買われ、ドル円は154円を超え1990年7月以来34年ぶりとなる円安水準に達しました。国内金価格は、NY金価格上昇と円安を受けて前週比では約0.9%上昇、17日の買取相場価格で12,990円の過去最高値をつける場面がありました。日本時間20日の米ワシントン講演の中で、植田日銀総裁は「(追加で)金利を引き上げる可能性が非常に高い」と発言しています。国内においても、次の利上げ時期について市場の関心が高まることが予想されます。
■4/8〜4/12
2024年4月8日〜4月12日週のNY金相場は、上昇トレンド継続中の押し目買いが優勢となり、2374.1ドル(前週比1.2%上昇)で週間の取引を終了しました。1日にイスラエルから空爆を受けたイランは報復攻撃を開始、イスラエルは対抗措置を示唆しており中東情勢の緊迫感が一段と増しています。バイデン米大統領はイスラエルのネタニヤフ首相と電話協議し、イランへの反撃に反対すると直接伝えたことが報じられました。13日にはバイデン米大統領が声明を発表し、イランがイスラエルに向けて発射した無人機とミサイルを「ほぼ全て撃墜した」と伝えられています。イスラエルの要請を受けて国連の安全保障理事会は、日本時間の15日午前に今後の対応について緊急会合が開催されました。このままイスラエル・イランの武力衝突が続き、報復の連鎖で歯止めが効かなくなることへの地政学リスクから、市場では株式などのリスク資産を安全資産へ逃避する動きが見られます。代表的な安全資産である金や米国債が買われ、ドル建て金価格は取引時間中の過去最高値を更新しました。他にも金相場の急騰が続いている背景としては、中国勢の実需買いが挙げられます。年初以来の経済指標は依然として米国のインフレ率の高止まりを示しFRBの早期利下げ期待が後退、早くて9月利下げ開始もしくは年内見送り観測が台頭しています。経済指標にも一喜一憂する相場環境ですが、地政学リスクの高まりによる安全資産への資金シフトで、金は買われやすい地合いが引き続き継続するでしょう。外国為替市場では、10日に発表された3月の米消費者物価指数(CPI)が市場予想を上回ったことで、米国のインフレ懸念からドルが大きく買われました。ドル円は1990年7月以来、約34年ぶりの円安水準となる153円台に乗せ、円安ドル高が急加速しています。これ以上の急速な円安進行は為替介入が警戒されますが、円安は円建てに換算した金価格では価格上昇要因であり、国内金価格は連日最高値を更新し前週比では約5.4%上昇、早くも13,000円を伺う価格水準にまで急騰しています。
■4/1〜4/5
2024年4月1日〜4月5日週のNY金相場は、前週の流れを引き継ぎ大幅上昇で取引を終了しました。週間の終値は2345.4ドル(前週比4.8%上昇)で過去最高値を更新しています。中国中央銀行が実体経済の減速懸念から外貨準備においてドル保有高を減らしており、さらにはイスラエル・イランの武力衝突による地政学的リスクの高まりなどから、安全資産の代表資産として幅広く金が買われています。注目されていた5日(金)米雇用統計は市場予想を大きく上回る結果となり、金相場にはポジティブな反応が見られました。3月以降のドル建て金価格は上昇率で14%を超えるなど、このところの金相場は買われやすい地合いが続いています。年3回の米利下げペースが維持されるのであれば、遅くとも6月もしくは7月の利下げ開始が有力シナリオとされ、市場は米国のインフレ低下を示す次の経済指標待ちの状況です。国内金価格に関しては、151円台と歴史的円安水準に位置するドル円相場がプラス材料となり、12,000円の節目を突破し過去最高値を更新しています。NYダウ平均株価は、週間ベースで反落し38,904.04ドル(前週比2.2%下落)で金曜日の取引を終了しました。中東情勢の緊迫化から原油相場が急騰する場面があり、株式市場ではインフレ懸念の台頭によってリスク回避の雰囲気が強まる中、週間の値下がり幅はやや大きめの900ドルに達しています。ドル円相場は小幅な値動きが続き、前週と同水準の151円台中盤で週間の取引を終了しました。好調な結果であった5日(金)の米雇用統計を受けてドル買いが進行する場面がありましたが、ドル円相場への影響は小さく、依然として152円を超える円安には至りませんでした。4月8日〜4月12日週の主な経済指標は、10日(水)に米消費者物価指数(CPI)が発表されます。米国経済の物価傾向を見極める上で重要なインフレ指標の一つがCPIであり、バーキンリッチモンド連銀総裁からも3月CPIが重要との発言が伝わっています。CPIが強い結果であった場合にはFRBの6月利下げ期待が後退し、もう一段のドル高が進行する可能性が指摘されています。ドル円相場では円安要因となることから、152円の攻防戦と為替介入への警戒感が高まる展開も想定されるでしょう。
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