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田中嘉一プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

心電図モニター使用中での「あれっ?故障?」事例その2

田中嘉一

田中嘉一

テーマ:医療安全

ベッドサイドモニターの心拍数の数値と、セントラルモニターの心拍数の数値が合わないとか、とにかくモニターの心拍数がコロコロ変わるとか、そういった経験ありませんか?
病棟を巡回しているとこの問合せ結構受けます。

なぜこんなことが起こるのでしょうか?

これはその患者さんが心房細動である可能性が有ります。

心房細動は絶対性不整脈と言って各拍のQRS(R波)の間隔(R-R間隔)がバラバラです。

モニターは心拍数を解析する時、一定の時間(例えば10秒間等)のR-R間隔をサンプリングして、加算平均した物を心拍数として表示しています。これを毎拍行って更新しているため。心房細動の様な絶対性不整脈では心拍数がコロコロ変わることになります。

また、心房細動の有無に関わらずベッドサイドモニターとセントラルモニターの心拍数に整合性が取れない時があるのも各モニターがそれぞれのタイミングで解析を行っているため、同時に立上げでもしない限りタイミングが合うことは有りません。
期外収縮が有った時にはズレることがあります。

よってこの現象は故障では有りません。



PMDAの輸液ポンプの流量設定時の注意点に関する記事です
https://www.pmda.go.jp/files/000145464.pdf

AEDの適切な管理についての記事です
https://www.pmda.go.jp/files/000145219.pdf

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田中嘉一
専門家

田中嘉一(臨床検査技師)

MEテック・ラボラトリー合同会社

医療機器保守点検・安全管理のエキスパート。300床以下の病院を対象に、「医療機器安全管理と運用」「コストダウン」「丁寧な病院内研修・指導」の3本柱で、病院の医療ミス防止の一翼を担っている。

田中嘉一プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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