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チャンスを活かしてミニセール
記念日には、「成人の日」「こどもの日」「海の日」など、国または国の機関が決めた行事とともに、片や、地方自治体や企業、業界などが制定した独自の記念日があります。毎月23日の「ふみの日」(1979年、郵政省が制定)、毎月19日の「トークの日」(1986年、NTTが制定)などはその先駆けで、その後、新しい記念日が続々と誕生。冠(かんむり)デーとも呼ばれています。
例えば、7月3日の「ソフトクリームの日」は、神宮外苑で催された進駐軍主催のカーニバル(1951年7月3日)で、来場客の日本人に初めてコーンスタイルのソフトクリームが販売されたことにちなんで、日本ソフトクリーム協議会が1990年に制定した、いわば、由緒から生まれた記念日。
しかし、もっとも数が多く、話題性があるのは、語呂合わせによる記念日。2月22日(ニャンニャンニャン)の「猫の日」(1987年、日本の猫の日実行委員会がペットフード協会と協力して制定)や、11月22日の「いい夫婦の日」(1988年、財団法人余暇開発センター《現日本生産性本部》が提唱)などがその好例です。
小売店の店頭では、この記念日のチャンスを活かして、ユニークなミニイベントを企画し、ディスプレーやPOP広告で訴えて話題を呼ぶ売り場作りを図り、成果を高めている例が多見できます。
◆「孫の日」
「孫の日」は10月の第3日曜日。日本百貨店協会が最初に提唱し、1999年に日本記念日協会の認定を受けた記念日です。いわば、バレンタインデーに対応するホワイトデーのように、敬老の日のお返しの日。横浜市の文具店では、スウェーデン製の木の玩具を販売し、祖父母からお孫さんへのお返しギフトとして、大きな成果を上げることができました。
◆「パリ祭(巴里祭)」
「パリ祭(巴里祭)」は、フランスの革命記念日の呼称。ただし「パリ祭」は日本だけの呼び名。その昔、ルネ・クレールの映画「Quatorze Juillet(カトルズ・ジュイイェ=7月14日)」の日本公開の際に、輸入・配給元の東和商事の川喜多かしこがタイトルとして付けたもの。かつて、日本ではシャンソンの隆盛とともに、パリ祭の催しが盛んでしたが、今はレコード店、輸入ファッション店、洋菓子店などの夏の行事です。しかし、今一度、パリのエスプリを復興させたいもの。ここでは、パリ祭の記念日を活かした喫茶店の例を紹介。
◆ボージョレ・ヌーボー
ボージョレ・ヌーボーは、フランス・ブルゴーニュのボージョレ地域で作られる新酒(ヌーボー)。1951年に、フランス政府が解禁日を認定した当初は11月15日だったものが、日時を固定すると年によって日曜日にも当たるため(フランスではほとんどのワインショップ、レストランが休日)、後で11月第3木曜日と変更しています。日本では1970年代から盛んに。歳末セールに結び付けるプレ商戦として、また22日の「いい夫婦の日」とからませて盛り上げたいものです。
◆10月1日の「日本酒の日」
10月1日の「日本酒の日」は、日本酒造組合中央会が1978年に制定した記念日。新米で酒造りを始めるのが10月であること、酒壷を表す「酉」の字が十二支の10番目であること、さらに酒造年度が当時は10月1日(現在は7月1日)から始まることなどから決められたもの。日本酒を楽しむには、まさに好適の日です。ただし、ここでは応用編。和菓子店が、酒まんじゅうの販促に活用しています。どの業界の記念日でも、同工異曲・換骨奪胎のアレンジは工夫できるでしょう。
◆「菜っ葉の日」
7(な)2(つ)8(ぱ)の語呂あわせで「菜っ葉の日」。葉ものを食べて、夏バテを防ごうという提唱。金沢市中央卸市場の丸果石川中央青果が作り出した記念日のようです(夏には他に、全国青果物商業協同組合連合会などによる「青果の日・8月31日もあります」。ここでは応用例。和菓子店で野菜を素材としたクッキーを作って新発売。記念日は新商品開発にも活かせるチャンスといえます。