事業承継とリレー

末廣哲彦

末廣哲彦

テーマ:事業承継

事業承継は「100年続くリレー」
大切なのは、速く走ることよりも『バトンを渡す場所』


1. 経営は「個人競技」から「リレー」へ

「社長、お疲れ様です。今日も全力疾走ですね」
経営者の方とお会いすると、いつもそう声をかけたくなります。
創業から今日まで、社長はたった一人で、あるいは少数の仲間と、孤独なフルマラソンを走っているようなものです。
でも、会社が「100年続く」ことを目指すなら、
どこかでその走りを「リレー」に切り替えなければなりません。

2. 「バトンゾーン」を覚えていますか?

陸上のリレー競技には、バトンを渡さなければならない
「バトンゾーン(次走者に引き継ぐための区間)」があります。

  • 早すぎてもダメ: 次の走者がまだ心の準備ができていない
  • 遅すぎてもダメ: ゾーンを通り過ぎて失格(廃業)になってしまう

事業承継も、これと全く同じです。
「引退」というゴールテープを切る直前に慌ててバトンを突き出すのではなく、
余裕を持ってバトンゾーンに入り、
次のランナーのスピードに合わせて並走しながら、スッとバトンを託す。
この「並走期間」があるからこそ、会社はスピードを落とさずに次の40年、50年へと走り続けられるのです。

3. 次のランナーは、誰でもいい

リレーの面白いところは、次のランナーが「家族」である必要はない、という点です。

自分の背中を見て育った頼もしい従業員
全く違う経験を持ち、新しい風を吹き込んでくれる外部の企業


誰に託すにせよ、大切なのは「このバトンを落とさずに、もっと遠くまで運んでほしい」という社長の願いです。

4. 結び:まずは「観客席」を眺めるくらいから

「さあ、バトンを渡す準備をしましょう!」
といきなり言われても、戸惑ってしまいますよね。
まずは、競技場の観客席をふらっと眺めるような気持ちで、
「次のランナー、誰かいるかな?」「バトンゾーンってどのあたりかな?」
と想像してみる。
そんなライトなところから始めてみませんか?
「まだ先の話」を「ちょっとした想像」に変えてみる。
それだけで、100年続く企業への扉は、もう半分開いています。

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末廣哲彦
専門家

末廣哲彦(M&Aコンサルタント)

株式会社LEG(レグ)

中小企業の事業承継を支援。M&Aありきではなく、親族承継や社内承継、廃業なども含めた簡易診断から選択肢を整理します。契約後の経営統合(PMI)まで伴走し、事業継続と成長の土台づくりを支えます。

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