個人保証と事業承継

末廣哲彦

末廣哲彦

テーマ:事業承継

「もし自分が倒れたら、家族はどうなる?」
社長を縛る『個人保証』という鎖を解く方法


1. 経営者の枕元にある「見えない不安」

業績は悪くない、社員も頑張っている。
でも、ふとした瞬間に
「もし今、自分に万が一のことがあったら、この数億円の借金(個人保証)は家族に引き継がれてしまうのか……」
という不安が頭をよぎる。
経営者という生き方は、常にこの「個人保証」という重い鎖を背負って歩むようなものです。
このプレッシャーから解放されることこそが、多くの社長にとっての「本当の引退」ではないでしょうか。

2. M&Aがもたらす最大の「心の平安」

事業承継、特に第三者への譲渡(M&A)を行う最大のメリットの一つは、この「個人保証の解除」です。

  • 債務の引き継ぎ: 買い手企業が会社を譲り受ける際、通常は銀行借入もそのまま引き継がれます。その際、旧社長の個人保証を外し、新しい親会社や新社長の保証に切り替える交渉をセットで行います。
  • 担保の解放: 社長の自宅を担保に入れている場合も、譲渡資金で借入を完済したり、別の担保に差し替えたりすることで、大切な自宅を守ることが可能になります。


3. 2026年、追い風は吹いている

現在(2026年)、国も「経営者保証に依存しない慣行」を強く推進しています。

「保証があるから会社を畳めない」
「後継者に保証を継がせるのが忍びなくて承継を躊躇している」

という声に対し、金融機関の姿勢も数年前より柔軟になっています。
しかし、これを実現するには「適切なタイミングでの交渉」と「透明性の高い財務情報の開示」が不可欠です。

4. 準備は「家族の笑顔」のために

私たちが支援したある地方の社長は、譲渡が決まり、銀行から「保証解除」の通知書が届いたその日に、奥様と数年ぶりの温泉旅行に出かけられました。
「これでやっと、家族を巻き込む心配がなくなった」というその笑顔こそが、私たちがこの仕事をしていて最も報われる瞬間です。
事業承継の準備とは、単なる事務手続きではなく、「社長と、その家族の自由を取り戻すための活動」でもあるのです。

5. 100年続くために、バトンは軽く

「個人保証」という重荷を背負ったままでは、次の世代にバトンを渡すのも躊躇してしまいますよね。
会社が100年続くためには、経営者が健やかに、そして安心して次へ繋げる環境が必要です。
今の借入状況がどうであれ、解決の糸口は必ずあります。
まずは、その「重荷」の中身を専門家と一緒に考えていくことが円滑な承継に向けた第一歩です。

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末廣哲彦
専門家

末廣哲彦(M&Aコンサルタント)

株式会社LEG(レグ)

中小企業の事業承継を支援。M&Aありきではなく、親族承継や社内承継、廃業なども含めた簡易診断から選択肢を整理します。契約後の経営統合(PMI)まで伴走し、事業継続と成長の土台づくりを支えます。

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