小学校受験に向いている子、向いていない子
小学校受験は、子どもの能力をいろいろな角度からみられるので、あれもこれもと、つい、詰め込み気味の受験勉強になってしまいます。過去のペーパーテストの中には、難問といえる問題もいくつかあるため、焦ってしまう気持ちもよくわかります。
しかし、難しい課題をこなすテクニックだけを身につけても受験勉強の付け焼き刃としてすぐに見透かされてしまいます。テクニックはある程度必要ですが、礼儀だったり、協力的な態度だったり、自分で考える力だったりを、いかに普段の生活から自然に身につけさせるかが最も大切です。
家庭で、手先の器用さや集中力、思考力を身につけさせる効果的な方法は、お手伝いです。できる範囲で、何か一つでも毎日続ける習慣をつけましょう。夕食のお皿を並べる、食後の片付けを手伝うなど、できるだけ親が手を出さずに本人に責任を持たせてやらせるようにしましょう。
調理は、「洗う・切る・熱を加える(炒める・煮る・揚げる)・味付けをする・盛り付ける」など段取りを考えることができるので、子どもと一緒に台所に立つ機会を設けることもいい勉強になります。刃物やコンロの火など子どもにとって危険なことが多い場所ですが、子ども用のスペースを作って、子ども用の包丁などを与えることで安全に配慮することができます。
掃除も、「使ったものをしまう・ホコリを払う・掃除機をかける・水拭きする」など、さまざまな動きが体験できます。掃除機の代わりに「ほうきで掃く」、水拭きもモップではなく「ぞうきんを絞って拭く」など、あえて手間をかけるやり方のほうが手先の使い方を学ぶことができます。自分の部屋は自分で掃除するなど、できる部分で子どもに取り組ませるようにしましょう。
お手伝いができたら、出来不出来にかかわらず、毎回ほめてあげましょう。「こうしたら上手にできるよ」などアドバイスはいいですが、いちいちダメ出しをしては、子どもがやる気をなくしてしまいます。子ども自身で考えて行動できるように導きましょう。
お手伝いの手順を、親の指示を受けて指示通りに行うことは、小学校受験の指示行動の課題への対策にもなります。