小学校受験における親の関わり方
「勉強=つらい」は大人の視点
小学校受験に批判的な人の中には、「幼児のうちからそんなに勉強しなくてもいいのではないか」、「もっと伸び伸びと過ごし、好きなことをさせればよいのではないか」という考えの方々がいらっしゃいます。この考えは、「勉強=つらい」という点を前提にしています。好きなことというのは人それぞれで、体を動かすことが好きな子どももいれば、絵を描くことがづきな子どももいるでしょう。そして、「学ぶこと」が好きな子どもも、少なからずいるでしょう。何かを学ぶという知的活動は本来楽しいことであって、知的欲求を持っている子どもは大勢いるはずです。水泳もサッカーも専門のスクールがあって、それこそ真剣に取り組む場がしっかりとあるのに対し、幼児を対象とした知的活動の場は、幼児教室か英語スクール、最近見られるようになってきた理科実験やプログラミング教室くらいしか、見当たらないのです。このように考えると、小学校受験は目的のはっきりとした、真剣に取り組む価値のある学びの機会であるとも言えます。「勉強する=つらいことを我慢して取り組む」という捉え方に引きずられることなく、勉強も方法を工夫して楽しいことと思えるように導いていければ、小学校受験は格好の目的となります。幼稚園や保育園では自己発信の少ない子が、塾や教室では活き活きしているという例もよく見かけられるのです。
また、「楽しいこと=つらくないこと」でもありません。何事でも真剣に取り組めば、つらいことの一つや二つは出てきます。それらを乗り越えてこそ成長するのであって、成長するから楽しい、楽しいから乗り越えようと努力して成長する、という良い循環も生まれるのです。