落ちる子どもの特徴
親の年収分布
小学校受験を経験したご家庭の年収分布は、世帯年収1,200万円以上が47.6%を占めます。年収1,000~1,200万円の世帯が15.6%、年収800~1,000万円の世帯が14.9%、年収600~800万円が13.1%、それ以下が9.6%です。世帯年収1,000万円以上が6割超となっていますが、4割弱は年収1,000万円以下の世帯です。600万円以下の世帯の場合、「祖父母から援助がある」「実家で二世帯暮らしをしていて、住宅ローンや家賃がかからない」など、資金面、生活面で何らかのサポートや恩恵を受けているケースが多いようです。そういったサポートがなく、住宅ローンや生活費も払いながら私立小学校に通うのであれば、世帯年収にして1,000万円はあったほうが、生活に余裕が持てると思われます。
サラリーマン家庭の小学校受験も多い
私立小学校に通う家庭のイメージは、年収何千万円の医者・弁護士・社長・資産家・芸能人などを思い浮かべるかもしれませんが、実態としては世間から想像されるよりは高くはなく、世帯年収1,000万円台の家庭がボリュームゾーンを占めています。とは言え、お父さんが30代半ばの会社員であったとすると、一人で年収1,000万円を稼ぐのはハードルが高くなります。日本の大企業でも、30代半ばで1,000万円を超えるのは、それほど簡単なことではないでしょう。外資であったとしても、金融・IT・コンサルティング会社などに限られます。あるいは若くても活躍しやすいベンチャー企業で働いていたり、自ら起業し事業がうまくいっている経営者もいますが、数としてはさらに少なくなります。会社以外に勤務しているケースとしては、医師や弁護士・会計士・税理士・公務員などが挙げられますが、例えば高給取りのイメージがある弁護士や会計士・税理士であったとしても、士業は実力勝負の世界であるため必ずしも年収が高いとは限りませんし、国家公務員の場合は30代半ばなら600~700万円と相場が決まっているので1,000万円には届きません。
一家の主が1人で1,000万円以上の年収を得るのは簡単ではありませんが、最近では法的整備や保育園などの環境整備も進み、共働き家庭も昔に比べると格段に増えてきました。しかも女性に「一般職」や「受付」など、花嫁修業的な仕事しか任されなかった昔と違い、女性が自らのキャリアを築き活躍できる社会になってきています。例えば、お父さんの年収が600万円であったとしても、お母さんの年収が400万円以上あれば世帯年収1,000万円は超えることができます。以前は、学童保育や放課後の課外授業を設けている小学校は私立でもほとんどなく、「私立小学校に子どもを通わせる母親は専業主婦であるべき」という考えが主流でした。しかし今は、時代の流れもあって私立小学校でも学童保育や放課後課外授業が充実してきています。18時台までの預かりという小学校が多いですが、中には東京都市大学附属小学校や文教大学付属小学校のように、20時まで預かってくれるような学童保育を設けている小学校もあります。
このように、お子さんを預かってもらえる環境が私立小学校でも整いつつあります。親御さんが仕事を終えてからお迎えにいくことができるため、夫婦共働きで私立小学校にお子さんを通わせるご家庭も増えてきているのです。
◆次回◆共働き家庭の小学校受験~昨今の事情