小学校受験を考える理由
合格できない子どもの様子
受験に通らない子によくみられる特徴は、各項目で基本的なところが欠けている、または性格上の弱みが本番で露呈してしまう子どもです。極端に言うと、面接で「好きな本は何ですか?」と聞かれて、ぶっきらぼうに「桃太郎」とだけ答える。「なぜ桃太郎が好きなのですか?」と聞かれても「好きだから。」と答えてしまう。日々の家族間のコミュニケーションではあり得ないような回答でも、実際の試験ではよくみられるケースです。
なぜ、こんな回答をしてしまうのかと言うと、当日の緊張や初対面の先生との会話が嫌で早くこの場を離れたい不安。それが遠回しに言動に行動が現れてしまっているためです。例えるなら歯医者の診察室に入る前の状況に似た様子と言えるでしょう。緊張は誰にでもあると思いますが、本来の様子とは全く異なる姿で表現力や思考力も無いとみなされては、合格はいただけないでしょう。
その子の性格も踏まえて場慣れが必要
受験する小学校に運動テストや工作等があることがわかっているのに何も対策をしていない、本人が何にでも積極的に取り組めるのであればまだしも、不安を感じるような子であれば場慣れは必須と言えます。経験の少なさが本来のその子の良さを引き出せないでしまうことは小学校受験では多いケースですから、受験1年前の年長児は模擬テスト等の積極受験は必要でしょう。
とくに集団テストは弱みが出やすい試験です。「みんなで相談して積み木を積みましょう。」と言われているのに勝手に一人で積み木を積み始めれば「指示に従えない」「お友だちとの関りが乏しい子」とみなされます。また、おとなしすぎて輪に入れなかったり、わがままで他の受験生とケンカになってしまえば「協調性に欠ける」とみなされてしまいます。本来は出来る子なのに…、と決めつけてしまうのは親で、本人は苦手意識を持っているのかもしれません。場数を踏みフィードバックを受けて、その子の弱みを抱えたままにしまうよう、逆に強みとして発揮できるようにしておくことが大切です。
◆次回◆小学校受験に向いている子、向いていない子