子どもの生活習慣
区切りをつけて切り上げる
「楽しく勉強を進めていく」「達成感を持たせる」といっても、集中力には限界があり、子どもは遊びたがります。集中力はどれくらい持続するかという問いについては、諸説ありますが、大人でも90分(大学の講義1限分)が限界と言われています。5歳児であれば30分も持てば上出来といえるでしょう。筆記用具をいじる、あくびをするなど集中力が切れてきたことを思わせる体の合図があったら、休憩を挟むかキリのいいところで切り上げるのが適切です。
子どもに限らず人間は、勉強だけ、仕事だけ、家事だけといった具合に、一つのことだけずっとやることはできないようにできています。仕事だけずっとしていれば過労で倒れます。独りで家事だけずっとしているだけなら、生活に潤いは出ません。「やらなければいけないことだけをやる人生」に、意味を見出せるでしょうか。大人が自分の趣味に没頭したり、スポーツをしたり、旅行に行ったり、カフェでおしゃべりしたり、飲みに行ったりと仕事や家事以外のことを楽しむように、子どもには遊ぶことや色々な体験をすることが非常に重要です。
子どもは遊びを通じて多くの学びを得ることを忘れてはならない
近所のお友だちと外でかくれんぼや鬼ごっこ、砂遊び、泥遊びなどをして遊ぶことも、家の中で人形やミニカー、ブロックなどで遊ぶことも、子どもにとってはこの上ない楽しみです。お友だちと遊んだ思い出、ケンカして仲直りした経験、ブロックやレールを組み立てることで養われる空間認識能力、お人形遊びを通じて得た他人を思いやる心など、遊ぶことも決して無駄ではありません。必ずそこにも学びがあります。子どもはそんな小難しいことを自覚していませんが、遊びを通じて人間として成長しようとしています。
小学校受験を決めた以上、勉強や受験対策はもちろんがんばるのですが、子どもらしさを尊重し、存分に遊ばせることも、子どもの生活にとっては切り離せないものです。
◆次回◆小学校受験をすることを伝えるべきか