小学校受験で求められる会話力について
小学校受験は、お子さんにとって人生で初めての大きな挑戦です。まだ頼りなくおぼつかなく見える我が子に、親は焦りっぽくなることも。今回は、そんなイライラで怒らないようにするためのマインドセットをご紹介します。
親がストレスを与えてしまうことも
ペーパーテストにしても言葉遣いにしても、大人にとっては簡単なことでも、4~6歳の子どもにとってはとても難しいことです。勉強や運動に限らず、着替えや歯磨き、お箸の使い方といった「こんな簡単なことが何でできないの?」に四苦八苦したり、嫌がって駄々をこねたりする我が子にイライラして怒った経験を持つ親御さんは少なくないと思います。小学校受験に挑戦すると、お子さんの前にもご父母の前にも大きな壁が立ちはだかります。
例えば「5+6」という足し算。大人にとっては目をつむりながらでも解けるほどの簡単な問題ですが、十進法の概念がまだ身についていない子どもの目には、これまで見たことのない難問に見えています。親は「なんでこんな簡単な問題ができないの?」とストレスが溜まり、やがて子どもに当たります。怒られなかったとしても、お子さんにとって理解が追い付いていなければ多少のストレスはつきものです。それに加えて解けずに怒られたとなれば、「難しい問題が解けなかった」、「しかも解けなくて怒られた」という二重のストレスを受けることになってしまいます。
小学校受験に臨む我が子はまだ小さい子ども
では、根本的な問いとして「こんな簡単なこと」ができないのはなぜでしょうか?答えは「幼児だから」です。5歳児にもなると、語彙も多くなって口も達者になり、日常会話であれば大抵のコミュニケーションは大人と同様にとれるようになります。そのため、5歳児はまだまだ幼児であるということを多くの方は忘れてしまいがちです。3年前はせいぜい二語文くらいでしかコミュニケーションが取れないイヤイヤ期でした。4年前はまだおっぱい飲んでねんねしている赤ちゃんだったのです。35歳の大人にとっての4年前は31歳なので身長も思考力も同じですが、5歳児にとっての4年前は1歳の赤ちゃんだったのです。少しませて見える我が子でも、まだまだ幼児であるということは決して忘れてはなりません。学齢による違い、生まれ月による違い、育ってきた環境の違いなどによって、すんなり出来ること・苦労することはたくさんありますから、子どもの目線にあった指導が必要なのです。
◆次回◆子どもにとってどう映っているのだろうと考える