小学校受験の基礎知識
両親面接は合否を左右する重要な要素
小学校受験では、ご両親の面接も合否を左右する重要な要素になってきます。お子さんがどんなにテストや体操でがんばったとしても、親の面接次第でその努力が水泡に帰してしまうこともあります。例えば、面接官からお父様へ向けて「休日はどのように過ごされていますか?」という質問をしたとします。この問いにどのように答えますか?
A.「平日は多忙なので、英気を養うため休日は体を休めたり、趣味のサイクリングをしていることが多いです。そのうえで余裕があれば息子と遊ぶようにしています。」
B.「土曜日の朝は娘と一緒に近所のゴルフ練習場へ出かけます。日曜日は家族で行ったことのない街へドライブをすることが日々の楽しみです。」
C.「休日は母親の代わりに私と娘で食事の用意をしています。前日に母親のリクエストを娘が聞いてくれるおかげで毎回好評です。調理器具の扱いはまだ危なかしいですが積極的に取り組んでいます。」
→三者三様の回答ですが、まずAは問題外。Bは良さそうですが、父親の趣味に付き合わせているような印象すら伺えてしまいます。Cは子どもの興味関心を見守る姿勢が好印象と言えます。
次に、面接官からお母様へ向けて「育児でどんなことに気を付けてきましたか?」という質問をされたとします。
A.「教育のため水泳、習字、塾、体操、音楽など習い事をたくさんやらせてまいりました。」
B.「本人の成長に応じて、少しずつ自分の身の回りのことは自分でやるように言い聞かせてきました。最近は朝食の準備のお手伝いを自らチャレンジしたいと言います。」
C.「自主的に物事に取り組む姿勢を育むため、家族一丸となって様々なことにチャレンジをさせてまいりました。」
→どれも悪くない感じですが、Aは他人任せな印象で本人の成長に寄り添った育児とは言い難い回答と言えます。反対にBは、本人の成長に合わせている点と現在の様子まで伺える良い返答です。Cは家庭の方針こそわかるものの具体性に欠けるために心構えを言っているような印象です。
子どもは親の鏡である
上で紹介した以外にも、各家庭により様々な答えがあります。では、一体なぜこのようなことを質問しているのでしょうか?質問の裏にある意図を紐解いてみると、面接官はご父母のお子さんに対する接し方や、教育に対する考え方、社会とのかかわり方、他人に対する思いやり、さらには人生観・生き方まで見ようとしています。「子は親の鏡」と言われるように、子どもは親の態度や生きざまを細かく見ており、知らず知らずのうちに影響を受けていきます。
・親が子どもの意思を無視して、自分の理想や都合ばかりを子どもに押し付ける人物であったらどうでしょうか?
・父親がいるのかいないのかわからないような家庭だったらどうでしょうか?
・自慢ばかりで、否定されれば怒り散らす自己中心的な母親だったらどうでしょうか?
・父親(あるいは母親)の意見だけが絶対で、逆らえないような家庭だったら?
こういった家庭に対する考え方や態度というのは、本来一朝一夕では取り繕えないものです。夫婦円満で仲が良く、子どもにも少し厳しい時もあるけれど優しさと思いやりにあふれた温かい家庭であれば自ずと子どもの様子に表れます。ご両親が、家庭やお子さんに正面から向き合い、普段から幸せな家庭を築くための努力を怠らないことこそが、一番の面接対策になるのかもしれません。
◆次回◆小学校受験が子どものストレスに?