会話力向上のために必要なこと
小学校受験 昨今の傾向
私立あるいは国立小学校への進学率は、20年前の1998年から小数点第二位レベルでの増減にとどまっています。私立小学校は微増の傾向ですが1.0%前後、国立小学校はやや微減の傾向があるものの0.6%台を維持しています。都道府県別にみた場合、東京都の私立・国立小学校進学率が下がり、埼玉・千葉・神奈川の3県が上がるというドーナツ化現象的な分散は見られます。「男女共同参画社会の実現で共働きが増え世帯収入も上がったこと」「3県の都市整備が進み、世帯収入の高い世帯が居住地として3県を選択するようになったこと(私立小学校の数も増えている)」「東京都での公立学校改革(小中一貫校の増加等)が行われたこと」など、さまざまな理由があると考えられますが、劇的な変化とは言いづらいでしょう。
受験率は減少傾向だが
上記のように、進学率はそれほど大きな変化がない一方、出生数は1998年が120万人だったのに対して、2018年の出生数は92万人と28万人も減少しています。進学率は据え置きで出生数は減少しているため、小学校受験者の母数は20年前と比べると概算で約23%も減少していることになります。その分、私立・国立小学校は以前よりも受験しやすくなったと言えます。とくに抽選のある国立小学校は、そもそも受験できるチャンス自体が増えているということができます。
2020年にはセンター試験が廃止され、「大学入学共通テスト」が開始されたり、「主体的・対話的で深い学び」の実現をうたう「新学習指導要領」が実施されます。学習指導要領の変更のような、大きな教育改革が行われる教育の過渡期には、いわゆる「ゆとり教育問題」の時のような社会的議論が巻き起こる可能性もあります。私立・国立小学校はこうした課題に対しても柔軟に対応できるため、昨今になって注目度が上がってきているものと思われます。
◆次回◆小学校受験の準備はいつから?