勉強だけがすべてではない
国立小学校のメリットは教育の質、教員のモチベーションが高いこと
国立小学校のメリットとしては、単に教育内容のレベルが高いというだけでなく、教育実験校としてユニークな取り組みを行うという点が挙げられます。教育の場であるとともに、教育研究の実践の場でもあるため、教員のモチベーションも高いと言われます。例えば筑波大学附属小学校では、「総合活動」の時間が重視されており、外国人との国際交流を深める機会やICT教育の機会が多く用意されており、筑波大学附属8校の小中高の生徒が黒姫高原で2泊3日の共同生活を送る「インクルーシブ活動」といった取り組みもなされています。机に向かって勉強するだけでなく、国際交流・ICT・共同生活・農業・遠泳・座禅などさまざまな体験をさせることで、総合的な問題解決能力を養っていくということが、国立小学校の大きな特徴・メリットと言えるでしょう。
国立小学校の進学指導
前回、私立小学校には受験タイプの学校も注目を集めているとお伝えいたしましたが、国立小学校ではどうなのでしょう。これは結論から言うと「進学指導にはあまり期待できない」と言っていいでしょう。前項で述べたように、国立小学校の使命は教育研究の実践の場であることが理由です。必ずしも進学や受験に有利になるような授業が展開されているわけでは無く、他の私立・公立に通う児童よりも、遅れて学ぶ教科学習も平然とあります。個々が自学習をしっかりとしていなければ、受験はおろか附属進学すら叶わない(附属中高へはそれぞれに内部入試があり、進級率も異なるため全員が進学できるわけでは無い)ケースだってあります。ただ、逆を言えば、そういった事情を理解して入学させている家庭が多いということ。将来的な受験を視野に入れた受験タイプの私立校とは違い、多くが附属中学や高校への進学を目指しているため、必然的に学校の展開する教育内容への理解を深める成果につながり、充実した教育活動を通して育つことになるはずです。
◆次回◆小学校受験を考える理由