筑波大学附属小学校受験対策【②志願者数推移と第1次選考出願の流れ】
東京農業大学稲花小学校の魅力を解説
2019年4月に開校した東京農業大学稲花(とうか)小学校。東京都の”新設”私立小学校としては菅生学園初等学校以来12年ぶりの小学校設立となりました。所在地は小田急電鉄小田原線「経堂駅」から徒歩15分。小田急線・東急世田谷線・東急田園都市線の沿線にあり、方々からの通学が見込まれる通いやすい立地です。東京農業大学世田谷キャンパスの隣接地で、近隣には鴎友学園女子中学高等学校、駒沢大学高等学校など有名校も多く存在しています。
系列校である東京農業大学第一高等学校・中等部へは小学校卒業生の一定数が内部進学できることを発表しています。大学受験に強い進学上級校は大学と同じく隣接地にあり、通学事情が変わらず安心して通えることも魅力のひとつでしょう。 外部中学校受験へのサポートについても「卒業年度に受験希望者が一定数いることを前提に、高学年時の行事や家庭学習等の課題に関して検討をしていきたい(夏秋校長)。」と柔軟な考えを示しており、塾利用にも積極的な姿勢であるとのことです。進学か、受験か。考え方はご家庭によりけりではあるでしょうが、いずれにせよ入学後は周囲の学習姿勢に大いに期待ができる上に、大学の専門的な研究設備が活用できる点、農大教員・学生までもが接点をもつ人的体制、電子黒板や児童用のタブレット端末を活用するICT教育の標準設置など、あらゆる点で一歩先を行く指導体制に注目が集まっています。
次に、教育理念である「冒険心の育成」について。「冒険心の育成」とは、創設者である榎本武揚公の言葉に由来しており、小学校ではその具現化に向けた5つの要素(感性、向上心、探究心、コミュニケーション力、体力)に着目しています。夏秋校長の話によると、新しい世界に挑む気骨と主体性を持ち、何事にも真摯に取り組み、科学的・実践的に学ぶ人間を育てていく、とのこと。教育方針である冒険心の育成の実現に向けて、実践する授業にさらに10の能力(興味・関心、創造力、問題解決力、習得力、主体性、目標設定力、発信力、傾聴力、持続力、自律力)の獲得を教育指標として挙げ、学習指導計画を醸成しています。これは文科省の定める学習指導要領に設定される「3つの資質・能力」と深く結びつくものであり、東京農業大学の設備を活用した多様な体験型学習計画(稲花タイム)により、子どもたちは主体的に学ぶ姿勢が育ち、考える力と学びの基礎力を向上させることになるでしょう。
また、農大と聞けば「食」にも期待される方も多いのではないかと思います。既に発表されている通り、給食の時間を「食育」の一環と位置付けており、食事の重要性を学び、食品を選択する力、食文化への理解を高めていくことになります。東京農業大学には、生き物や食、環境といった身近なテーマを専門的に追究する研究設備が多数あり、説得力のある食育が展開されることに期待が持てます。
共働き世帯にもおすすめできる稲花小学校アフタースクール
近年の小学校選びで重視されるようになった放課後アフタースクールについては、入学候補者から期待される声も多かったようです。これは実施プログラムに対してではなく、利用しやすい点が大きいものと感じられます。小学校ホームページでも紹介されているので省略しますが、プログラムの充実度は他の私立小学校とあまり違いはありません。そもそもアフタースクールに求めるプログラムは、子どもの性格や家庭の方針によって異なるため、大きなアピールポイントにはなり得ない現状があります。
期待値が高いポイントとしては「①保護者の就労要件・人数制限を問わない」、「②最大19時までの預かりが可能」という2点だと感じます。とくに、①の募集制限については、小学校によっては、預かり人数の定員自体が少ない(入学時の段階で既に定員状態ということも)、入試日程により優劣が設けられている(入試区分によって優劣がつく制度を採用している小学校もある)などといったケースがあり、せっかくアフタースクールが設置されていても、利用する事自体に壁があるのでは存在している意味も薄れてしまいます。2020年度以降に受験を目指す方は、今後の内部事情が変わってしまうかもしれませんが、上級学年の少ない内は暫く安心でしょう。共働き世帯にとっては「確実に利用できること」が、家庭のスタイルを変えずに小学校生活を送れる大きなメリットと言えます。なお、夏休み期間等の預かりについても他の小学校と同じく実施しており、学期間の利用状況を問わずスポット的な利用も可能です。アフタースクールについては、首都圏の多くの私立小学校で実績のある、特定非営利活動法人「放課後NPOアフタースクール」による委託運営となります。
◆次回◆東京農業大学稲花小学校の2019年度入試結果