日本舞踊のいろは 日本舞踊で揃えるもの 〜着物が人を紡ぐ〜
何歳まで踊れますか?
よく聞かれることのひとつです。
百歳まで踊れます。と今まで答えていました。
そのように言われています、と言い訳のように付け足しながらです。
百寿を祝う会
このたび尾上菊音先生が百歳を迎えて、本当に舞台で踊りを披露しました。
墨雪先生と二人だちで舞台上手や下手を入れ替わったり、お扇子をきれいにしなやかに動かして、会場は拍手が止みませんでした。
美しさを引き出す着物
しみじみと、着物はそれぞれの年齢の良さを引き出す魅力があると感じます。
七五三の可愛らしさ、成人式の初々しさ、そして年齢を重ねた方をも深みを引き出し、美しいと感じさせるものがあると思います。
百歳の着物姿は、言葉では言い表せない神々しさがありました。
何故百歳まで踊れるか?
最初に、日本舞踊は体の体幹を鍛える動きが多いからだと感じます。
観ている方には優雅に見えると言われますが、結構体を使う動きです。
特に難しいのは歩きです。腰を入れて、足を床に擦って歩くすり足は、内腿の筋肉と腹筋、背筋を使う動きです。
いつの間にか体が鍛えられているに違いありません。
お扇子を使うこと
お扇子を開けたり閉めたり、持ち直したり、要返しというクルリと回すように見える技を使ったりして、手先を器用に動かします。
手先が動くと、頭も動きますので、きっと体と脳が活性化されることでしょう。
舞台で踊ること
何よりも舞台で踊るのをお客様に観てもらうこと。これこそが若さの秘訣だと感じます。
沢山の方にパワーを送り、お客様からは拍手をもらう。
このキャッチボールがアドレナリンを放出させて、いつまでも若く踊り続けることができる理由でしょう。
まだ半分
私はまだ半分、あと半分踊れます。
日本舞踊の世界では、歳をとるのがゆっくりです。
まだまだ私は、若いとかひよっこと呼ばれます。
百寿目指して、頑張ります!
もう何歳だから、という言葉の「もう」を「まだ」に変換してみませんか?