おさらい会 日本舞踊や日本の文化を発信する舞台
第9回尾上菊右佐おさらい会
コロナ禍の中、対策を講じながらおさらい会を開催することができました。
マスクをしながら着付け、ヘアメイクなどして、踊るときのみマスクをして、踊り終えるとすぐにマスクを徹底しました。
おさらい会のこだわり
ヘアセット以外は自分達の手で仕上げます。
特に着付けは、普段から綺麗に着付けることを目標にして稽古の中で他装まで実施しますので、いつの間にか自分で着るだけではなく、人にも着付けることができるようになります。
今回は私と名取の弟子が12名の着付けを担当しました。
それぞれの踊りに合った着物や帯結びをします。
二十歳くらいの弟子が助手を担当しました。
後ろで帯を結ぶ時に、前姿をサポートしたり、紐や伊達締めを手渡す係です。
次に必要な道具は何か?前姿がしっかりと整っているか?責任持ち前に立ちます。
このサポートをしてくれることで、着付けはかなり楽になります。
そして今回中学生になりたての子ども達が、着付け見習いとして講習にも参加してサポートとして入る予定でした。実際には、自分の支度だけでも時間がかかり、人のことどころではなかったですが、習ったことはしっかりと身についていると思います。来年につなげたいです。
こだわりの着付け
日本舞踊稽古所ですが、着付けにはこだわりがあります。
扇子を揃えるように、自分で綺麗に着付けることができるように稽古します。
踊りを踊らせればピカイチですが、自分では着物を着られません。というのはなしです。
プロにお願いすれば時間通りに綺麗に着付けてくれることはわかっているのですが、その上で自分で着付けるまたは自分達で着付けることで、普段より綺麗に着付けることをより意識できます。
失敗は怖がらない
着付けはそれぞれの骨格に合った補正をしたり、帯の長さもまちまちでポイント柄もまちまち、胴回りも全く違うため、本当に大変です。
着付けの目標は、失敗を怖がらないで、でもこれでいいやは無しと決めています。
持ち時間の中での精一杯を尽くして、何か失敗をしても皆でフォローすることにしています。
自分の仕事探し
おさらい会では、自分で何ができるか?を考えながら動いてもらいます。
自分の化粧、ヘアセット、着付けだけでも精一杯というところですが、慣れてくると仲間の後ろ姿を直したり、初めての方を誘導したり、踊りに合う用意された扇子を渡したり、自分のできる仕事を探しています。
おさらい会の目標
日本舞踊を踊ることはもちろんですが、着付けや道具の扱い、舞台に上がることなどを通して、育ち合えることを目標にしています。大人が育つ姿を見せることで、子ども達も育っていく様子をよく目にします。
来年に向けて
また新しい年が始まるような気分です。来年は第10回となるおさらい会ですが、お客様に日本舞踊を身近に感じてもらえるように、また観たい、やってみたいと思ってもらえるように、どのようなことをしようかと構想を練ります。
どなたでも
やりたいと思った方は、小さなお子さんから年配者まで。
菊右佐稽古所では、八歳から七十代の方までがお稽古しています。
二歳くらいから始められて、上限はなしです。百歳まで踊れる舞踊と言われています。
いつでも始められて
最初に用意するものは、浴衣、白い足袋(たび)、半幅帯。
習得に合わせて、着物や名古屋帯、袋帯だけではなく、舞台用の文庫結び、後見結びなどまで出来るようになります。
いつまでも続けられる
ほとんど今まで辞めた方がいません。料金の負担なく続けられるようにしています。
その方の目的や目標に合わせて稽古をすることができるため、無理をする必要はありません。
日本舞踊
尾上流師範 尾上菊右佐(おのえきくさ)
写真は娘の尾上菊佑(きくゆ)と一緒に、青海波を踊っている様子です。