響き合うお稽古〜日本舞踊〜
《着物をたたむ》
私は人が着物をたたむ姿が好きです。
特に年配者の着物に親しんでいる方の姿は、真に美しいと感じます。
着物をたたむ時には膝を床につけて座りますが、この姿が今の洋風生活では当たり前にならず、子ども達にとってはとても難しい姿のようです。両膝が上がっていたり、片膝を立てたりとなることが多く、私は上がった膝をそっと撫でて回ります。
膝が上がっていた子ども達も、慣れてくると両膝を床につけてたためるようになります。
次に着物をぱっと広げてたたむようになります。何人もがたたむ時には、着物が重りあったりします。
そこでスペースを最小限にするように、時に着物に親しんでいる方は自分のお膝の上だけでもたたむことができるのですよと伝えます。
最初は驚いていた子ども達も、少しずつ隣に座る人のことを考えてたたむようになります。
《小学校の教室》
これは小学校の教室の光景です。
日本の文化、日本の所作の中でも難しいのは、着物をたたむ所作だと感じます。
おじぎなどは結構見よう見真似で出来るものですが、このたたむ所作は洋風になった生活の中には全くなくなってしまった姿だと感じます。
他にもちゃぶ台にお盆を持ったまま座ったり立ったりする所作も、最近では見られなくなりました。
立ち座りの際に足の指を反りますが、その姿も子ども達には当たり前ではなくなっています。
トイレも様式、食事も椅子、何の支えもなく立ち座りする場面がないことから、子ども達の足の指の力、柔軟性は著しく弱まっていると感じます。
日本舞踊を通して昔の生活を真似ることで、柔軟性のある力強い体になります。
そして、着物をたたむ所作に慣れてくる頃には、着物姿もしっくりしてくることと思います。
《どなたでも いつでも始められて いつまでも続けることができる日本舞踊》
いつもこのことを考えてお稽古しています。
そのために、小学校の放課後日本舞踊教室や近くのひなた村で活動しています。
やってみたい!と思った時には、ゆかた、半幅帯、白い足袋があればすぐに始めることができます。
帯の貸し出しもありますので、お気軽にお声かけください。
〜どなたでも いつでも始められて いつまでも続けられる日本舞踊〜
尾上流師範 尾上菊右佐
https://www.kikusaonoe.com/