日本舞踊のいろは 〜日本舞踊って何?日本文化って何?〜
《コロナ対策》
丸1年以上もコロナ対策をしながらの稽古となるとは思ってもいませんでした。
出来ることを精一杯しています。
冷暖房の季節を通して、窓は開けて空気が通るようにしています。
消毒液は数種類用意して、手に合ったものを利用してもらっています。
青森で販売されている藍のスプレーは、スペースシャトルに搭載されたもので、子ども達には人気があります。藍の効果か、手がすべすべになります。
《オンライン稽古》
学校が通学出来なくなる時には、稽古もオンラインに切り替えをしています。
また、本人だけではなくご家族が発熱や具合の悪い時にも、オンラインに切り替える用意をしています。
昨年は、毎年開催する舞台でのおさらい会を発表することができず、オンラインの発表会を実施しました。
「さくらさくら」を複数名で踊ったりもでき、また障害をもつお子さんにとっては画面を見ながらの踊りはいつもよりも集中できて堂々としたものでした。
《オンラインで気をつけていること》
オンラインでは無駄なことが削除されてしまうデメリットがあります。実際に会っていれば顔色が冴えなければ、元気?どうしたの?と声かけができますが、無駄話がしにくい傾向があります。敢えて稽古終了後に少しお話を聞くことにしています。こちらが聞くと、外で遊びたい!や稽古所で稽古したい!!など気持ちを言葉にしてくれるようになります。もちろん、私も会いたいわ。と話すことで少し顔が柔らかになってゆく様子がありました。
《オンラインで良かったこと》
私の稽古所は子どもの弟子が多いことから、保護者の方がオンラインに向けての準備を整えてくださることが多かったです。いつもは稽古時にお子さんを預かるので、保護者の方にとっては毎回参観日となりました。着物や浴衣をスルスルと着替える様子を見たり、背中を伸ばしてお辞儀をする様子を見て、保護者の方からはとても反響がありました。オンライン稽古を横目で見ていた妹が、着物に興味をもった家庭もありました。
《いつのまにか日本文化の担い手に》
いつもは稽古所でしている当たり前のことが、意外にも大人の方々にびっくりされて、子ども達は本当に嬉しそうです。いつの間にか、日本舞踊だけではなく、日本文化の担い手となっている姿に誇りを感じます。
《コロナ禍で控えていること》
コロナ禍になる前から、稽古を予約制にしています。月4回の稽古は、月7〜8回の稽古の中から選び通うことができます。日本舞踊の教室では滞在時間が長くいつ帰れるかわからないことが多いですが、時代に合った予約制を取り入れることで忙しい子ども達や仕事をもつ方から喜ばれています。
いつもは稽古時間を少し重ねて弟子同士が会えるようにしていますが、この1年はなるべく会わないようにと設定しています。重なった時には、良い機会だからと他装(人の着付け)の稽古もしていましたが、今はそれもお預けです。今出来ることをしたいと着付けのコツや和裁のこと、着物の成り立ちや踊りの所作、形など、言葉で伝えることを中心にきちんと伝わるように心がけています。
《コロナ禍で強化しているところ》
譜を書くことをおすすめしています。自分が踊っている様子を映像のように想像できれば、日舞だけではなく洋舞でも上手くなるそうです。このような時だからこそ、なるべく譜を書いて自分で思い出せるようにしておきます。
《小学校放課後教室復活》
緊急事態宣言が解除されて、小学校の放課後教室が再開されました。
コロナはとても気になるところですが、子ども達の居場所がないことを心配して、コロナ対策をしながら実施することになりました。久しぶりに会う子ども達は、習うことを欲していた様子で、いつもよりも集中して稽古に臨んでいました。
《コロナ禍の日本舞踊稽古内容》
日本舞踊は教えるのですが、制限の多い生活の中でストレスのかかっている子ども達に、呼吸を深く吐くことをいつもよりも多く稽古します。深く吐き尽くした後は自然とお腹一杯の新鮮な空気を吸い込むことになります。たっぷりの呼吸はストレスをしばし忘れさせてくれるようです。
《いつか思い出として語れるように》
いつの時代も何らかの障害となる出来事はあるようです。
出来ることと出来ないことがありますが、その時代に合った生活を精一杯したいと思います。
どのような時にも前向きに出来ることをする姿を子ども達にも見てほしいと思います。
《師匠として母として》
体の大きな大人の言葉は、子どもにとって大きな影響を受けることを感じています。
大人が怖がっていることは、子ども達はもっともっと怖いことになっています。
師匠として、また家庭の母としても、いたずらに怖がらせることなく、しっかりと予防の出来るようにすすめていきたいと思います。
《日本舞踊!》
さあ、背中を伸ばして。
さあ、頭を一回空っぽにして。
さあ、息を全部吐いてから、たっぷりの息を吸い込んで。
お腹の下に力を込めて歩いてみましょう。
手の指先までをしっかりと伸ばして頭の上に上げてみましょう。
片足の腿を上げて踏ん張ってみましょう。