女性起業2025年版|40~50代で注目の成功ジャンル3選と挫折しない実践ステップを起業18フォーラム代表・新井一氏が解説
「事業計画書を書けないと動けない」は誤解です
――新井さん、今日は「事業計画書」についてお聞きしたいのですが、起業準備を始めようとすると、まず分厚い計画書を作らなきゃ、と身構える方が多いですよね。
新井:多いですね、本当に。僕のところに相談に来る方の中にも、「まずは事業計画書を完成させてから動き出します」と意気込んで、半年経っても目次しか埋まっていない…… という方が後を絶ちません。気持ちはわかりますよ。書類を完成させたほうが、なんとなく前に進んだ気がしますから。
――でも、現実には進んでいない、と。
新井:進んでいないどころか、書き直しと情報収集の往復で半年が消えていくというケースが多いです。会社員のまま小さく動き出す段階では、金融機関に出すような本格的な計画書は要らないですよ。最初は「自分の意思決定に使える最小版」をA4一枚だけ書いて、すぐに動き出す。これで十分なのです。
A4一枚に書く「最小4項目」とは
――A4一枚で十分、というのは具体的にどんな内容ですか?
新井:4項目です。①誰に売るか、具体的な顔が浮かぶ1人。②何を売るか、3分で説明できる単発商品。③いくらで売るか、最低価格と理想価格の2点。④半年後の到達点、売上・契約数・自分の気持ちの状態。これだけ。
――えっ、それだけでいいのですか?
新井:それだけで動き出せますよ。紙とペンがあれば30分で終わります。拙著『会社員が働きながら月30万円を稼ぐ起業法』の冒頭でも「事業計画書不要論」というスタンスで書いていますが、最初から完璧を目指すと、たいてい仮説の検証に進めない。これは現場で本当によく見る光景ですね。
――30分というのは衝撃的です。
新井:2026年4月24日に閣議決定された「2026年版中小企業白書」でも、小規模事業者の開業段階では「計画の精緻さよりも仮説検証の回転数」が成果に直結すると整理されていますよ。最初の計画書は、走りながら更新していく前提で十分なのです。
20ページの計画書をゴミ箱に入れた銀行員の話
――現場では、どんな方がこの「最小4項目」で動き出されているのですか?
新井:起業18フォーラムにいた松木さん(仮名)という方がいまして、40代後半の男性、地方銀行の支店で融資担当をされていた方です。銀行員らしく、最初は20ページ規模の計画書を書こうとして、3ヶ月かけて目次しか埋まらない状態が続いていました。
――銀行員さんでも、書ききれないのですね。
新井:プロでも書ききれないですよ(笑) 松木さんは勉強会で「不要論」と「最小4項目」の話に出会って、20ページの計画書を一度ゴミ箱に入れて、A4一枚に書き直しました。書いたのは「誰に=中小製造業の二代目社長/何を=財務見直しのスポット相談/いくら=3万円〜10万円/半年後=月1件×3万円」の4項目だけ。
――シンプルですね。
新井:書いた翌週には、本業で接していた取引先の社長2名にスポット相談を提案して、3ヶ月目には最初の3万円が動きました。今は13ヶ月目で、月7万円の継続契約が2社。本格版の計画書は、退職前に書く予定だそうですよ。
月1回の「自分宛て進捗メール」で続ける
――書いた後の運用はどうすればいいですか?
新井:これも重い文書にしないことが大事です。最近、起業18フォーラムでも増えている運用ですが、毎月の進捗を「報告メール」として送っていただくという方法があります。ご自身の振り返りになるだけでなく、その履歴をAIに読み込ませると、数字の変化や弱点を客観的に見直すこともできますよ。
――月1回のメールなら、続けられそうです。
新井:計画書のような重い文書ではなく、月に1回のメールで進捗を言葉にしていく。こちらのほうが続けられる方ははるかに多い、というのが実感ですね。
今夜書く「20点の4項目」が半年後を変える
――最後に、迷っている方にメッセージをお願いします。
新井:最初の計画書は、誰かに見せるための文書ではなく、自分の動き方を決めるためのメモで十分。20点の出来でいいから、4項目を今夜書いてしまう。そして毎月見直すサイクルに乗せていくこと。これが結果的に、半年後の質的な飛躍につながっていきますよ。
――完璧主義を手放す勇気が、最初の一歩ですね。今日はとても参考になりました。ありがとうございました!
新井:こちらこそ、ありがとうございました。
起業家インタビュー(聞き手:伊藤純子)
新井一氏プロフィール
起業18フォーラム代表。「会社員のまま6カ月で起業する」方法を伝える起業支援キャリアカウンセラー。キャリア26年以上の実績を持ち、延べ60,000人の会社員の起業をサポート。会社員時代に始めた事業で培ったノウハウ、多数の起業家を生み出してきた実践的技術を武器に、起業支援&集客マーケティングの専門家として活動中。
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