起業初期に価格を安くしすぎた人へ。正しい値上げのタイミングと伝え方
半年掲載してもほぼ反応ゼロ…… ノウハウ販売の”あるある”
――新井さん、今日は「ノウハウ販売」のご相談についてお聞きします。会社員のキャリアで身につけたスキルを商品化して、ストアカやココナラに載せて、SNSにもちょこちょこ投稿しているのに、半年たってもほぼ反応がない…… という方からのご質問です。
新井:これ、本当によくいただくご相談ですよ。「掲載すればお客さんが来てくれる」と思っている方が、いまだに本当に多くて。残念ながら、掲載しただけで人の目に触れて売れることは、ほぼ起こらないですから。プラットフォームに載せた瞬間、何百・何千の同業ノウハウのなかに埋もれてしまうわけですよ。
――それは厳しい現実ですね……。
新井:「楽天市場に商品を並べたらすぐ売れる」と思う人がいないのと同じで、ノウハウ販売も、掲載は出発点に過ぎないのです。むしろ、その後に何をするかで結果がまったく変わってきますよ。
ノウハウ販売は「物販」より信頼の土台が必要な商品
――他の商品より、ノウハウは売れにくいものなのでしょうか?
新井:構造的にそうですね。僕の拙著『1億円稼いでいる人は何をしているのか?』でも書いていますが、小さな売り買いには「物」「サービス」「ノウハウ」「場や機会」の4タイプがあります。このなかでノウハウ販売は最も「相手の信頼」が必要な形態なのですよ。
――物を売るのとは別物だと。
新井:はい。物販なら写真とスペックで判断できる。サービスでも、口コミや評価がある程度参考になりますよね。でもノウハウは「この人から学んで本当に身になるか?」が事前に判断しづらい。だから買い手は慎重になるし、売り手は信頼の土台を先に作っておく必要があります。
――その土台作りを後回しにして、ただ掲載だけしてしまっている、と。
新井:そうそう。そこに気づかずに「もっと掲載先を増やそう」「もう1個プラットフォームを試そう」とやってしまうと、ずっと空回りしますからね。掲載数を増やしても、信頼が積み上がっていない限り反応は変わらないですよ。
AI集客の有料講座に申し込む前に、立ち止まってほしい
――最近は「AI集客」を謳う有料講座も増えていますが、そっちに頼るのはアリですか?
新井:このご相談、増えていますね。率直に言いますね。AIで集客できる人というのは、すでに自分で発信できる「売れるコンテンツ」を持っている人なのですよ。AIを省力化や拡散に使っているだけで、AIが0から何かを生み出して勝手にお客様を集めてくれているわけではないですから。
――「0から自動で売れる」みたいな広告、よく見ますけれど。
新井:あれは幻想ですね。売る商品の信用が0のまま、広告やAIで増幅しても、反応はほぼ出ないですよ。むしろ、土台ができていない段階で高額な集客講座に申し込むと、20万円・30万円が一瞬で消えてしまうケースもあります。
――それはなかなか痛いですね……。
新井:起業18フォーラムでご相談に来られる方のなかにも、「AI集客講座に40万円払ったけど、何も変わらなかった」という方が定期的にいらっしゃいます。順番を間違えると、本当にもったいない話ですよ。
最強の改善ループは「知人5人のモニター」から始まる
――では、何から手をつけるべきでしょうか?
新井:シンプルすぎて拍子抜けされるかもしれませんが、知人5人にノウハウの中身を聞いてもらうことから始めてください。無料モニターでいいです。「練習させてくれない?」と頼んで、感想と改善点をもらう。これが最強の改善ループですよ。
――身近な人に声をかけるのは、勇気がいるかもしれませんね。
新井:気持ちはわかります。でもね、知らない人に届けるためには、まず近くの人に届けられるかを試すのが筋なのですよ。会ったこともない不特定多数に売るのは、いきなり難易度が高すぎますから。
――なるほど。具体的な順序を教えてください。
新井:4ステップで考えてください。1つ目が、知人5人にノウハウを聞いてもらう、無料モニターの段階。2つ目が、感想と改善点をもとに商品ページを直す。3つ目が、直した商品を再掲載しつつ、週1の固定発信を継続する。4つ目で初めて、成果が出てきた段階で広告やAI活用を検討する。この順番ですよ。
――ステップ3の「週1の固定発信」も、けっこう大事そうですね。
新井:これ、外せないですよ。SNSをたまに気が向いたときに投稿しても、専門家としての認知は育たないですから。「毎週水曜日に投稿」みたいに頻度とテーマを決めて、半年続けてください。半年経つと、見る人から「この分野の人」と認識されてきますよ。
いきなりAIや広告ではなく、「順番」を守る
――最後に、これからノウハウ販売を始める方、もしくは伸び悩んでいる方にメッセージをお願いします。
新井:「掲載しただけで反応がない」のは、ノウハウ販売の標準的なスタートラインですから、落ち込まなくていいですよ。重要なのは、そこから声をかける、フィードバックをもらう、直して再掲載するという地道な順番を踏むこと。これが、最終的にはAI活用以上の成果を生みます。
――焦って高額講座に飛びつかないことですね。
新井:そうです。AIや広告は便利な道具ですが、土台ができていないうちに使うと、逆に時間とお金を失いますからね。順番さえ守れば、特別な才能がなくても結果は出ますよ。
――今日もとても参考になりました。ありがとうございました!
新井:こちらこそ、ありがとうございました。
起業家インタビュー(聞き手:伊藤純子)
新井一氏プロフィール
起業18フォーラム代表。「会社員のまま6カ月で起業する」方法を伝える起業支援キャリアカウンセラー。キャリア26年以上の実績を持ち、延べ60,000人の会社員の起業をサポート。会社員時代に始めた事業で培ったノウハウ、多数の起業家を生み出してきた実践的技術を武器に、起業支援&集客マーケティングの専門家として活動中。
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