「またお願いしたい」を引き出す。初回顧客をリピーターにする、たった1つの行動

新井一

新井一

テーマ:集客

最初の顧客が「1回きり」で終わってしまう本当の理由

――新井さん、起業準備で初めてのお客さんにサービスを提供できたのに、そのまま1回きりで終わってしまったという悩みはよくある話ですか?

新井:多い話ですよ。「最初のお客さんにとても喜んでもらえたのに、その後一度も来てもらえない」という声はよく聞きます。嬉しい話と切ない話が同時に詰まっている(笑) こういった方に共通しているのが「提供して終わり」になっているパターンなのです。

――「提供して終わり」がなぜよくないのですか?

新井:リピートが生まれない最大の原因は、サービス提供後に「次のご案内」をしていないことです。顧客は「また必要なときに連絡しよう」と思っていますが、ほとんどの場合その機会は自然には来ません。待っていても次の依頼は来ない、こちらから次のステップを提案する設計が必要なのですよ。

提供後に必ずやること

――「次のご案内」と聞くと、売り込みのように感じてしまうのですが……。

新井:そう感じる方は多いですね。ただ、売り込みと提案は違います。リピートを促すために「売り込みをしなければならない」と思って動けなくなっている方が多いのですが、必要なのは「次のステップの提案」であって、押し売りではありません。

――では具体的に、提供後に何をすればいいのでしょうか?

新井:まず1〜2週間後に「その後いかがですか?」という一言を連絡することです。そこで「解決した部分」と「まだ残っている課題」を聞く。そして「まだ残っている課題」に対して「次のステップとしてこんなご支援もできます」と自然に案内する。この流れを作れると、押し売りにならずに次へつながります

――たった1〜2週間後に一言連絡するだけで、ずいぶん変わるものですか?

新井:変わりますよ。提供したばかりのタイミングは、顧客があなたへの信頼感が一番高い状態です。その時期に「どうでしたか?」と聞いてもらえた顧客は、あなたのことを継続的に関わってくれる人だと認識します。これが次回依頼の土台になります。

「単発サービス」はリピートにつなげられないのか

――単発のサービスだとリピートにつなげにくいのではないか、とも思うのですが。

新井:それはよくある誤解です。単発サービスでも、設計次第でリピートにつなげられます。ポイントは「1回の提供で完結する問題設定」を「継続的に関わる問題設定」に変えることです。

――どういうことでしょうか?

新井:例えば、「Excelの使い方を教える単発セッション」であれば、提供後の質問対応を含めた「サポート付きの継続プラン」に展開できます。単発相談なら、提供後に「月1回の定期相談プラン」を案内する。1回の作成支援なら「次は〇〇の作成も一緒にできます」と提案する。「1回きりで完結する」という前提を外すだけで、選択肢が広がります

――なるほど。サービスそのものを変えなくても、提案の設計次第でリピートにつながるわけですね。

新井:そうですよ。単発セミナーなら「続きは次回のセミナーで扱います」と案内するだけでもいい。サービスを提供して終わりではなく、「次があること」を顧客に伝えることが大事です。

提供後は「紹介依頼」の絶好のタイミングでもある

――提供後にはリピートの案内以外にも、できることがありますか?

新井:紹介依頼のタイミングとしても最高ですよ。「喜んでもらえた」という体験の直後は、顧客があなたへの満足度が一番高い状態ですから。「もし周りで同じ悩みを持っている方がいたら、ぜひ紹介してください」という一言を、お礼の際に自然に添えるだけで、口コミが生まれる土壌ができます。

――リピートと紹介の両方が、提供後の一言から始まるのですね。

新井:そうです。「提供後の行動」を設計しておくだけで、1人の顧客が2人、3人になっていく。逆に提供して終わりにすると、1人は1人のままです。ここを意識するかどうかで、起業準備の最初の段階からずいぶん結果が変わります。

リピーターと紹介が「最速の集客ルート」

――新規集客を頑張るより、今いるお客さんを深く満足させる方が効率的ということですか?

新井:まさにそれです。リピーターと紹介は、新規集客と比べて圧倒的に高い確率で成功します。新規の集客は広告費がかかったり、認知してもらうまでに時間がかかったりする。でも目の前の顧客を深く満足させることの方が、ずっと確実な次の顧客獲得につながりますよ。

――集客の仕方を根本から考え直す必要がありそうですね。

新井:「集客」と「リピート」を別々に考えている方が多いのですが、実は一体で考えた方がいい。1人のお客さんを深く満足させて、継続してもらって、紹介してもらう。この流れを作れると、新規集客だけに頼らない仕組みができてきます。まず「提供後の1〜2週間後の一言」から始めてみてください。

――小さな一歩が大きな変化につながるのですね。今日はとても参考になりました。ありがとうございました!

新井:こちらこそ、ありがとうございました。

起業家インタビュー(聞き手:伊藤純子)

新井一氏プロフィール

起業18フォーラム代表。「会社員のまま6カ月で起業する」方法を伝える起業支援キャリアカウンセラー。キャリア26年以上の実績を持ち、延べ60,000人の会社員の起業をサポート。会社員時代に始めた事業で培ったノウハウ、多数の起業家を生み出してきた実践的技術を武器に、起業支援&集客マーケティングの専門家として活動中。

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新井一(起業コンサルタント)

起業18フォーラム

起業18フォーラムを運営。会社員向けに特化した〝再現可能〟な起業ノウハウで、26年間で延べ6万人の起業を支援してきた実績を持つ。自らも多数の実業を手掛けている。会社員のまま起業する方法を伝授するプロ。

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