地方在住でも起業できますか?「地方不利」という思い込みを現場から解説します

新井一

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テーマ:起業

「地方は起業に不利」という思い込み

――新井さん、今日は「地方在住と起業」についてお聞きしたいのですが、地方だと起業に不利だという声は多いですか?

新井:ありますね、多いですよ。「東京じゃないとセミナーに参加できない」「同じ志の仲間が近くにいない」「地方だと市場が小さい」。こういう声はよく聞きます。でも、今の時代に「地方不利」を理由に起業をためらっているとしたら、それはかなりもったいない発想ですよ。

――それはなぜですか?

新井:コロナ禍以降、事業の運営も学びも仲間作りも、ほぼすべてオンラインで完結できるようになりましたから。コーチング、コンサルティング、情報発信、オンラインスクール……住んでいる場所に関係なく動ける事業形態が一気に広がったのです。

――セミナーや仲間もオンラインで見つかるのですね。

新井:もちろんです。起業18フォーラムでもオンラインセミナーを毎月やっています。地方の方も普通に参加していますよ。「同じ志の仲間が近くにいない」という問題も、オンラインコミュニティを使えば解決できます。「地元で仲間を探そう」という発想自体が孤独感を生んでいることも多いのです(笑) 視点を変えれば、全国に仲間がいる時代ですから。

地方在住者が見落としている「商機」

――では逆に、地方ならではの強みはどんなことでしょうか?

新井:特に伝えたいのが「需給ギャップ」という視点です。ITツールの活用、マーケティング、コーチング、業務効率化……都市部の会社員が「普通にやっていること」が、地方の中小企業や自治体にとっては「専門家に頼みたいこと」になっているケースが非常に多いのです。

――実際にそういうケースは現場で見ますか?

新井:よくあります。「自分のスキルなんて大したことない」と思っている会社員の方が、地方の企業に行ってみたら「こんな優秀な人が来てくれた」と大喜びされた、なんてことも起こっています。競合が少ない分、単価交渉もしやすいですし、口コミで仕事が広がりやすい環境もあります。

――生活コストが低い点も強みになりますか?

新井:これも大きいです。生活コストが低い分、起業してから収益化するまでの余裕期間が長くなります。月10万円の売上で十分に利益が出る事業形態であれば、家賃や生活費が低い地方の方が収支の安定は早くなります。都市部でやると家賃だけで売上が消えてしまうこともある(笑) 地方の強みって、案外見えていないものですよ。

「地方限定思考」という落とし穴

――地方で起業するときに気をつけることは何でしょうか?

新井:「地元だけで完結させよう」という思考に入ることが一番の落とし穴です。地域コミュニティだけに頼りすぎると、知り合いの数以上に市場が広がらないのです。

――ではどう解決すればいいですか?

新井:地域密着とオンライン全国展開を組み合わせることですね。地域でリアルな信頼関係を積みながら、SNSやブログで全国に情報を発信する。Zoomで全国のお客様にサービスを提供する。この2軸があると、市場が一気に広がりますよ。

――孤独感の問題はどう補いますか?

新井:意識してオンラインコミュニティに飛び込むことです。リアルに仲間がいない分、能動的に動く必要がある。でも、それができれば北海道の人と東京の人が一緒に事業を作る、なんてことも普通に起こります。むしろ地方在住だからこそ、オンラインの仲間を大切にするという意識が生まれる。それが長期的な強みになることもありますよ。

地方在住会社員の起業準備の進め方

――具体的にどんな順番で動けばいいですか?

新井:まずオンラインでできることを優先します。セミナーに参加して起業の全体像をつかむ。SNSやブログで情報発信を試してみる。Zoomを使ったコーチングやコンサルを少しずつ試してみる。どれも場所に関係なくできることですよ。

――地域のリソースも活用できますか?

新井:はい。商工会議所やよろず支援拠点は地方にもあります。自治体によっては移住起業者向けの補助金制度もありますから、「起業支援の制度はありますか?」と地元の産業振興課に聞いてみる価値はあります。ただ「申請してから始める」ではなく、「動き始めながら活用する」という順番の方が、現場ではうまくいくことが多いですね。

――最後に、地方在住で悩んでいる方へメッセージをお願いします。

新井:地方に住んでいることは、起業の言い訳にならない時代です。問題は場所ではなく、今の環境で動けるかどうか。同じ地方に住みながらも起業の準備を着実に進めている方は、実際にたくさんいます。まずその最初のステップを一緒に踏み出してほしいですね。

起業家インタビュー(聞き手:伊藤純子)

新井一氏プロフィール

起業18フォーラム代表。「会社員のまま6カ月で起業する」方法を伝える起業支援キャリアカウンセラー。キャリア26年以上の実績を持ち、延べ60,000人の会社員の起業をサポート。会社員時代に始めた事業で培ったノウハウ、多数の起業家を生み出してきた実践的技術を武器に、起業支援&集客マーケティングの専門家として活動中。

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新井一(起業コンサルタント)

起業18フォーラム

起業18フォーラムを運営。会社員向けに特化した〝再現可能〟な起業ノウハウで、26年間で延べ6万人の起業を支援してきた実績を持つ。自らも多数の実業を手掛けている。会社員のまま起業する方法を伝授するプロ。

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