起業アイデアを思いついたらとるべきリサーチ、商品化のアクションプラン
起業のアイデアが見つからない、起業アイデアはあるけれど、どうやってビジネスに結び付けて起業するのか、こういった悩みを相談したい場合はどこに相談をすればいいのでしょうか。
起業時によくある相談の例や、起業の相談ができる場所をご紹介します。
「起業する上で何が必要か?」「起業家になる条件とは?」、それはポジティブな心
初めて何かをやろうとするときは、右も左もわからず疑問や不安がいっぱいです。それどころか、自分で何がわかっていないかも、よくわからないということも珍しくありません。
起業や起業アイデアに関することの場合、お金や自分の人生設計、場合によっては家族の生活も関わってくることなので、早めに疑問を解決して先に進みたいものです。
私が運営する起業18フォーラムで聞かれることの多い、「起業や起業アイデアで多い質問」をご紹介しましょう。
起業を考え始めた人たちの多くが漠然としながらも、「起業すること」の本質を問うような疑問を抱えています。例えば「起業する上で何が必要か」「起業家になる条件は何か」というのはよくある質問です。
起業をしようと考えているほとんどの人は、現在別の仕事をしていて、それで収入を得ています。その収入で生活し、家族がある人は自分だけではなく家族の生活も支えます。起業するということは、その「今あるもの」をいったん全部捨てることでもあります。
しかし、「捨てる」「犠牲にする」という考えだと遠からず「起業すること」がつらく苦しいものになる恐れがあります。
そうではなく、「起業することは楽しいこと」「自分が描いた理想を現実にするためのステップ」だと考えれば、起業に向けて取り組む気持ちがまったく違ったものになります。
起業するために必要なことは、「前向きな気持ち」「ポジティブな心」だと言えるでしょう。そして、自分がポジティブに取り組めることは、努力することや続けることが苦ではありません。むしろ、楽しいとすら感じられます。そう考えると、起業するためには優秀さや根性より、「前向きな気持ちで取り組めること」や「コツコツ続けられること」が必要です。
人に好かれること、そして時間の大切さを知っていることも起業家に必要な要素
そして、何より大切なのが「人に好かれること」。起業すると、多くの人と関わり合い、つながっていきます。そのつながりを一度きりにせず、ずっとつながり続けて、さらに新しいつながりを呼ぶことが大切です。そういった意味でも「人から好かれる人間であること」はとても大切です。素直で、礼儀をわきまえ、笑顔がすてきな人。さらに、おもしろい発想をどんどん発信できる人ならなお有利です。
起業家の素質について補足するなら、「時間の大切さを知っていること」も条件に入ります。
私たちが持っている時間は平等で、生きるということは残りの人生の時間が減っているということでもあります。迷っている時間を損失だと考え、すぐに行動に移す人。手に負える範囲のリスクを取っていく好奇心や行動力、そしてその際に失敗しにくい「嗅覚の鋭さ」も大切だと感じています。
借金は誰でも怖い、それ以上に怖いのは無計画に借りること
やったことがないことをやろうとする時、誰でも「怖い」という気持ちがあります。それが「起業」の場合、お金が絡むため「借金は怖い」「もし失敗したら」と考える人も少なくありません。ですから、「借金をすることは怖くないか」という質問もよく受けます。
借金は誰でも怖いですし、できればお金を借りずに済ませたいとみんなが思っています。
しかし、起業のためには借金がどうしても必要なケースや、ある程度の借金をしなければできない事業もあるでしょう。借金で怖いのは、無計画に借りること。
普通に商売をして返していける程度の借金であれば大丈夫でしょう。けれど、「この仕事が大成功したら返せる。大成功する根拠はないけれど」という、ばくちを打つような借金はやめましょう。それより、お金をかけずに小さく起業して、成功したら事業を拡大する方向に発想を転換するほうが健全です。
そういう意味で、「小さく起業」して失敗をするなら、痛手もそれほど大きくありませんし、その失敗から学んでまたチャレンジできます。「小さく起業」とは、場所を借りたり人を雇ったりたくさんの在庫を抱えず、自分ひとりでお金をかけずにやる起業。これなら失敗も怖くありません。起業のアイデアも、「小さく起業」なら試しやすいはずです。
小さく起業するなら、会社員のままスタートできます。そうすれば生活費の心配をしなくていいので、「起業に関する悩み」の大部分がクリアできるのではないでしょうか。借金をする場合は本当に必要なものだけ。けれど「小さく起業する」なら、仮に借金をしても小さな金額で済むはずです。
起業に対する不安があっても起業している人が「起業家として、そこにいる」
起業に関する一番多い質問が「起業することに不安はなかったか」というものです。人によって不安があった人もいれば、なかった人もいるでしょう。けれど、現在起業している人は、不安があってもなくても「起業する」という選択をしたから、起業家としてそこにいます。
さて、ここで私から起業を考えているあなたに質問です。あなたは会社員である今の自分に不安や不満はありませんか? 今の暮らしに不満はありませんか?それを解決するためにはどうすればいいと思いますか?
起業することは、現在抱えている不満や不安を解消する第一歩でもあるのです。
起業アイデアの相談できる機関と特徴
起業するにあたり、法律に関することや資金のことで、もっと具体的な疑問や困ったことが出てきた時に相談できる場所もお伝えしましょう。
◆よろず支援拠点
よろず支援拠点とは、国が運営する中小企業や小規模事業者の相談機関です。47都道府県にあり、専門スタッフに無料で相談できます。
相談内容は、起業するためのノウハウのほか、売り上げ拡大や経営改善についてなど多岐にわたり、利用者の満足度も高いのが特徴です。
よろず支援拠点には弁護士や中小企業診断士、ウェブ解析士、社会保険労務士などが在籍しており、さまざまな相談にのってくれます。
公的な機関という意味でも安心して利用できます。無料なので、どんどん活用しましょう。
よろず支援拠点
https://yorozu.smrj.go.jp/
◆日本商工会議所
特別民間法人である日本商工会議所では、起業する際の費用や手続きなどの具体的な相談ができます。起業準備の進め方、各種認可の取り方や登記の相談のほか、店舗を作りたい場合はデザイナーの紹介をしてもらえることもあります。また、起業時の公的な支援制度の案内を受けることも可能です。
事業計画がある程度できている人なら、日本商工会議所に相談すると有益なアドバイスを得やすいですが、「まだ起業アイデアが決まっていない」「漠然としたイメージだけある」というように、具体的に方向性が定まっていない人には向いていないので注意しましょう。
経営や経済の知識を学べる、オンラインセミナーが開催されている商工会議所もあります。そういったセミナーに参加して情報をインプットすると、起業後の助けになるでしょう。
日本商工会議所
https://www.jcci.or.jp/
◆税務署
開業後、さまざまな場面でお世話になることが多い税務署は、実は気軽に相談できる場所です。開業時に「開業届」「青色申告申請書」を出すのも税務署で、税理士による確定申告書類の書類作成セミナーが行われることもあります。
電話でも相談できるため、税金に関することで専門性が高くわからないことは、ネットで検索するより税務署に電話で聞いたほうが早くて確実です。
国税庁
https://www.nta.go.jp/index.htm
◆日本政策金融公庫
日本政策金融公庫は財務省所轄の企業で、中小企業の資金調達支援や国民の資金調達の支援をしています。ほとんどすべての業種が対象となる事業主向けの一般貸付のほか、売上が悪化した時や、取引先の倒産により資金難に陥った際にも貸付が受けられます。
これから起業する人や事業開始から7年以内の人を対象にした「新規開業資金」制度では、最大7200万円の融資を受けることが可能です。
また、「女性、若者/シニア起業家支援資金」制度もあり、35歳未満の若者や55歳以上のシニア、女性を対象に支援策が講じられています。「起業したいけれど、資金が足りないので貸付を受けたい」という人は一度相談をしてみるとよいでしょう。
また、開業後はSWOT分析サービスという経営課題を分析するサービスを受けることもできます。赤字が続いてしまう場合や、もっと売り上げを上げたい場合にもぜひ利用したいサービスです。
全国各地にたくさんの支店があるので、地方に住んでいる人でも利用しやすい機関だと言えます。
日本政策金融公庫
https://www.jfc.go.jp/
お金、販路などアイデア以外の相談も重要
起業に際して、わからないことがたくさんあるのは当然です。起業するにあたり、わからないことや不安なこと、誰かに話を聞いてアドバイスをしてほしいと思うことも多いでしょう。
そんな時に相談できる場所や、相談するにあたり明確にしておくとよいこと、相談する前に具体的にして決めておくとよいポイントを見ていきましょう。
◆事業計画
起業するにあたり、どのように事業を進めていくか、事業計画を作りましたか?
そもそも事業計画とは何だろうという人も多いかもしれません。事業計画とは、事業をする上でどれだけお金が必要で、運転資金がどれだけかかり、どれだけの儲けが見込め、どうやって集客してモノやサービスを売るのかという具体的なプランです。
その計画通りに進むとは限りませんが、ビジネスモデルを具体的に設計してみると、漠然と起業アイデアをイメージしていたときには気づかなかった問題点や課題が明確になります。起業する前に対処しておいたほうがよいことにも、早めに気づけるでしょう。
◆個人事業主でやるのか法人にするのか
起業するにあたり、個人でやるのか法人にするのかも最初に決めておきましょう。まず個人で初めて、軌道に乗ったら法人化するということもできます。
個人で始めれば開業時のコストを抑えられますが、法人のほうが信頼されやすく、節税しやすいというメリットがあります。起業前に、それぞれのメリットとデメリットをしっかり調べて把握しておくことをおすすめします。
◆儲けを出すめどはあるのか
起業してすぐにお客さんがたくさんつき、商品やサービスがどんどん売れればいいのですが、そう簡単にはいかないのが現実です。
副業として起業するなら、会社員としての収入があるのでいきなり無収入にはならず、お客さんが少なくてもなんとかなります。しかし会社を辞めて起業した場合、商品やサービスが売れないと生活が立ちいかなくなってしまいます。
見込み顧客はどのくらいいるのか、どうやって商品を売るのか、どのくらいの販売が見込めるのかを予想し、開業後もすぐ売り上げが出る体制になっていることが理想です。
◆起業の先輩に相談する
起業する流れやアドバイスがほしい場合は、起業経験のある人に相談するのがベストです。調べれば、起業についてコンサルティングしてくれる人やサービスがいくつもありますが、その人が実際に起業をしたことがあるのかどうかもチェックしましょう。
友人や知人に起業したことがある人がいれば、ぜひ話を聞いてみましょう。やっておいたことがいいこと、注意すべきこと、失敗したことなどを起業家視点で具体的に聞くことができます。
◆法的な手続きやお金に関することは専門家に相談する
法人として起業する場合は、会社設立の手続きが必要となります。手続きがとても複雑で時間がかかるため、税理士や社労士、司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。
助成金の依頼や各種認可の取得が不要で、会社設立だけ依頼する場合は、司法書士に頼むとリーズナブルです。税理士に頼むと、税金の申告や会計をセットでお願いできる場合があります。
お金や税金に関わる点をずさんにしてしまうと、後で取り返しがつかないことになる恐れがあります。専門家に任せればお金はかかりますが間違いがなく安心です。その道のプロに依頼しましょう。
まとめ
起業するにあたり、不安や悩みがあるのは当然です。困ったことがあれば、何を聞きたいのか、何が知りたいのかをまとめて、プロや起業の先輩に相談しましょう。
起業のアイデアや起業するまでのおおまかな流れ、しておいたほうがいいことなどは起業の先輩に聞くといいのですが、法的な手続きやお金が絡むことはプロに相談して間違いが起きないようにすると安心です。
よろず拠点支援や日本商工会議所など、無料で起業の相談に乗ってくれる公的な機関もあります。一人でがんばりすぎず、「困ったな」と思ったらアドバイスを求めることが起業を成功させるために必要な要素と言えるでしょう。
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