知っておこう! 東京の「今後、人口が増える街、減る街」

後藤一仁

後藤一仁

テーマ:家(マンション・一戸建)の資産価値

日本全体の人口は4年連続で減少

総務省が発表した住民基本台帳に基づく2013年3月31日現在の人口動態調査によると、全国の日本の人口は前年同時期比26万6,004人(0.21%)減の1億2,639万3,679人となり、4年連続で減少しているとのことでした。

直近の日本の人口を男女別に見てみると、女性の方が多く6,469万9,594人(同51.29%)で、男性は6,169万4,085人(構成比48.81%)でした。 定住外国人198万200人を加えた日本の総人口は1億2,837万3,879人とのことでした。

そのなかで、東京は5万8,000人以上増加

しかし、全国的に人口が減少している時代に突入して4年経っても、なお東京は前年より5万8,174人も増加しています。
東京都以外でも神奈川県、埼玉県、愛知県、沖縄県、福岡県、宮城県、滋賀県の7県で人口が増加しています。

しかしその他の39道府県では減少しています。
特に人口減少が著しい道県は、北海道、新潟県、静岡県、青森県、秋田県などです。

東京の人口ピークは五輪開催の2020年。その後縮小へ

東京は企業や大学・各種学校などが集中しているため、他道府県から就職・入学などで移住する人が最も多いことから、総人口は今後も増加を続けますが、増加幅は徐々に縮小し、オリンピック開催の平成32年(2020年)にピークを迎えた後、減少に転じます。
ピーク時の平成32年には1355万人になりますが、平成47年には1278万人となります。

東京の性比(人口を男女別に見た割合)は平成22年に既に女性が14万人上回っていますが、平成47年にはその差がさらに(38万人に)拡大します。
男性は平成32年(東京の人口ピーク)を待たずに平成27年をピークに減少していってしまいます。

国立社会保障・人口問題研究所も、2013年3月に「日本の地域別将来推計人口」を発表し、12年後の「2025年に人口が増える街、減る街」を予測しています。

同研究所によると、

東京で今後、「確実に人口が増える街」は

【中央区】 とのことです。

中央区は日本一の商業地「銀座」や、大きなビルが建ち並ぶ「日本橋」などが有名ですが、第二次世界大戦終戦直後まで運河と水運の町でした。戦前、区内にはいくつもの川が縦横無尽に張り巡らされていましたが現在は埋め立てられています。銀座・日本橋がある区の西側は江戸時代には下町として栄えた地域で、東側は江戸時代からの埋め立てによって出来た地域です。

【中央区の駅は】
日本橋、銀座、京橋、築地、勝どき、月島、人形町、八丁堀、水天宮前、新富町、小伝馬町などがあります。
(ちなみに中央区の車のナンバープレートは「品川ナンバー」です。)

また、

今後、「人口が増える街」は

【港区と江東区】 とのことです。

山の手のブランド区であり絶対的人気を誇る「港区」と、湾岸エリアの埋立から区の面積が今なお増え続け、進化を続けている江東区。発表されたのはオリンピック開催が決定する前でしたが、「人口増加」という視点からすると、わかるような気がします。

【港区の駅は】
表参道、広尾、青山一丁目、外苑前、白金台、白金高輪、麻布十番、赤坂、乃木坂、六本木、品川(品川駅は品川区ではなく港区です)、高輪台、田町、三田、新橋、虎ノ門、浜松町、お台場海浜公園、芝浦など、ブランド駅や歴史ある大ターミナル駅、ウォーターフロントの駅まで、東京を代表する有名な駅がズラリと名を連ねています。
(港区のナンバープレートは「品川ナンバー」です。)

【江東区の駅は】
豊洲、東雲、有明などの発展著しい埋立地のウォーターフロントエリアから、東陽町、亀戸、門前仲町、森下などのエリアです。
ただし、江東区は、河川及び運河に囲まれていて、かつ、内陸部では地下水の汲み上げにより地盤沈下したことで、区の半分以上が東京湾の平均海面より約1m低い「海抜ゼロメートル地帯」となっていますので、注意が必要です。

もしも河川の決壊が起きた場合、浸水する可能性が極めて高くなっています。区役所は「『いつまでも水につかる江東区』と題して、川が決壊した場合、浸水している期間が2週間以上と推定していて、『寝るときは洋服を枕元に置いてすぐに避難できるようにしておきましょう』」と区民に注意を呼びかけています。

現在は「護岸」や「堤防」に囲まれていますので、あまり意識しませんが、大半を海面下で生活しています。内陸部では江東区役所や公園、小学校、中学校などの公的施設も浸水してしまうと想定されていますので、注意が必要です。

一方、臨海部の豊洲、有明、お台場(青海)、辰巳、木場、若洲などの埋立地は、比較的新しい時代に出来たため、地盤沈下していなく、内陸部に比べ逆に海抜が高くなっています。
(江東区のナンバープレートは「足立ナンバー」です。)

最近は車を所有しない方々が増えてきていますので結構気づいていない場合が多いのですが、「豊洲」と、隣の「晴海」では、橋一つ隔ててナンバープレートが違います。豊洲が「足立ナンバー」で、晴海が「品川ナンバー」です。

さらに、

今後、「人口の増加が見込まれる街」は

【新宿区、豊島区、練馬区、三鷹市】とのことです。

この4つの市区は武蔵野台地上に乗る、標高の高いエリアです。

【新宿区の駅は】新宿駅の他に
神楽坂駅、早稲田駅、信濃町駅、四谷三丁目駅、市ヶ谷駅(東京メトロ)、下落合駅、高田馬場駅などがあります。

【豊島区の駅は】池袋駅の他に
目白駅、駒込駅、大塚駅、巣鴨駅、椎名町駅、雑司ヶ谷駅、千川駅、要町駅などがあります。

【練馬区の駅は】練馬駅の他に
江古田駅、氷川台駅、光が丘駅、桜台駅、富士見台駅、大泉学園駅、石神井公園駅、平和台駅、豊島園駅、小竹向原駅などがあります。

(新宿区、豊島区、練馬区のナンバープレートは「練馬ナンバー」です。)

【三鷹市の駅は】
三鷹駅、井の頭公園駅、三鷹台駅などがあります。
(三鷹市のナンバープレートは「多摩ナンバー」です。)

そして、逆に

今後、「人口が減る街」は

【足立区、葛飾区、青梅市】 とのことでした。
(足立区、葛飾区のナンバープレートは「足立ナンバー」で、青梅市は「八王子ナンバー」です。)

この「人口動態」を気にしすぎるのもいけませんが、不動産の収益力(賃貸重要が多く賃料を高く貸せる力)は資産価値維持に影響することから、今後、東京で「家」を買おうと思っている方は、現在だけを見るのではなく、念の為、数十年先も考え、再開発が行われる予定があるのか?駅は発展するのか?などの他に、人口の変化(増減)も知っておき、参考にされるとよいと思います。

後藤 一仁


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後藤一仁
専門家

後藤一仁(不動産コンサルタント)

株式会社フェスタコーポレーション

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後藤一仁プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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