山手線 「最も標高の高い駅、低い駅」
東京は、「地形」と「不動産価格」が冬型の気圧配置に喩えられて「西高東低!?」などと言われますが、今ここで、「東京の地形」を立体的な模型で見てみることにしましょう。
模型ですので、実際とは異なる面もあるかと思いますが、こうやって見てみると、同じ山手線の駅でも、「新宿駅」「池袋駅」等がある西側と、「上野駅」「東京駅」等がある「東側」とでは、かなり標高に違いがあることがわかります。
とくに「品川駅」は山側(高輪口側)と海側(港南口側)ではかなりの違いがあることが見てとれます。
東京は東部の京浜東北線に沿って崖があり、その崖の上と下がいわゆる昔からよく言われる「山の手」と「下町」の境界線と言われています。
特に昔、海だった荒川の下流域に広がる海抜0m地帯と言われるエリアや城東地域等のなかでは、実は、川や海の水面よりも低い土地で人々は暮らしている地域があります。
特に荒川の周りには水面よりも地盤が低い地域が広がっていて、堤防によって守られていますが、実際に堤防の上に立って内と外を見てみますと、川の水面が近くにあり、人々が暮らしている地盤がとても低く感じられ、初めて行くと驚かされます。
東京下町の低地は本来、地盤が極めて軟弱だったところへ工業用水の確保などの為に地下水を多く汲み上げた結果、地盤沈下が発生して、標高が海面以下の地域であるいわゆる「0m地域」が出現してしまったといわれています。
一方、臨海部の埋立地は、計画の段階から地盤沈下や潮位について計算・検証が行われているため、海面からは若干余裕がある地盤高が設定されています。
その為、東京は、海に近い(昔、海であった)ウォーターフロントの埋立地のほうが、内陸部よりも地盤が高いという不思議な関係になっています。
→青色の部分は、海なのではなく、「海抜0m以下の地域(水面より低いエリア)」です。
青色の濃い所ほど標高が低いエリアです。
あらためて、東京をこのように立体的に見てみると意外とびっくりします。
(写真は江戸東京博物館にて撮影)
不動産コンサルタント 後藤 一仁
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