<国際会議>海外ユースからの意見は教育改革の生きた証(ベトナム編)
飯田女子高生と広尾学園のインド出身生徒の共通価値
7月30日に信州飯田市で開催された、ユース国際会議in 2023(一般社団法人未来地図主催、Global kids英語会共催)でオンライン参加した外国人メンバーの意見紹介をしています。
インド出身で、国際教育では国内トップの広尾学園小石川のアイタさん(中2)が是非、開催地の飯田女子高( https://i-joshi.com/)の生徒さんたちと、会議の場で意見交換したかった事項が『マインドフルネス』についてでした。
英語、日本語、ベンガル語が堪能なトリリンガルで、小学時代、公文の試験で全国一の成績を収め、現在も学校で成績トップのアイタさんは、頭脳明晰なだけでなく、バイオリン、絵画も得意なクリエイティブな方です。
その明晰さとパワーの根源は、毎朝個人的に行っている『マインドフルネス』(宗教性のない瞑想)にあると言っていました。
本当の探求は、自分自身の内面を知ることから始まる
アイタさんは、今回、日本の学校では形骸化しがちな『探求学習』に対し、本格的な探求プログラムを実施している広尾学園の事例についてコメントしましたが、彼女自身、マインドフルネスこそ『真の探求学習の入り口』であると、述べていました。
マインドフルネスを通して、忙しい日々の中で見過ごしている『自分自身』という存在をしかと感じ取り、自分は何者なのかを探求する中で、心と体に満ちていく自己尊重を実感する。だからこそ、世界を探求する旅に自信を持って出かけることができるのだと、私との事前インタビューで、浪々と述べていたのです。
実は開催地の飯田女子高校では、探求学習でマインドフルネスについて調べ、実践しているとのことで、それを耳にしたアイタさんは、国際会議で時間があれば、飯田女子高の生徒さんたちとマインドフルネスについて情報共有したいと、言っていましたが、残念ながらそれは叶いませんでした。
NYの国際教育会議でも語られたマインドフルネスの効果
マインドフルネスは、シリコンバレーで、集中力とイノベーションを促す手法としてGoogleなど巨大テックから広がり、今、世界各地で教育分野にも取り入れられています。
アイタさんのお話を聞き、2019年の夏、ニューヨークで開催された、価値教育(Value Education, https://livingvalues.net/)に関する国際ワークショップに参加した時のことを思い出しました(コラムトップ写真)。世界各地の教育者が集まる中、地元ブルックリンの高校の先生が、マインドフルネスを学校全体に取り入れた結果、犯罪、暴力、いじめが軽減し、生徒の出席率、成績が上がった事例を報告していました。
信州飯田のこの会議が、東京のアイタさんと飯田女子高の生徒さんたちのように、日本と世界のユースが目指すべき共通の価値を見出しつなぎとめ、日本の有識者だけでなく、世界各地の教育関係者が注目する場となるなら、いつか本当の意味でのユース国際会議となるかもしれません。
それは、場を設定する主催者の大人たちの意識レベルにかかっていると、自戒を込めて思います。