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コラム

国民年金保険料免除 所得審査、未納との違い

2016年7月12日

テーマ:年金

コラムカテゴリ:法律関連

納付率7割、未納率3割

厚生労働省によれば、2015年度の国民年金保険料の納付率は前年度より0・3ポイント上昇して63・4%。また、納付期限を過ぎてから2年以内に納付された分も合わせた最終納付率は、最新のデータとなる2013年度で70・1%となったそうです。

納付率7割ですから未納率は3割ということになります。納付率が上昇したということは未納率が減少したということでもありますが、まだまだ決して低い割合とは言えません。

保険料免除の所得審査

経済的な問題で保険料を納付することが厳しいという方は、保険料を未納にするのではなく免除の申請をしましょう。

平成28年度分(平成28年7月分~平成29年6月分)の免除については、今月1日から申請可能です。申請後所得審査のうえ承認されれば、保険料の納付が全部または一部(4分の3、半額、4分の1)免除になります。

免除が認められるのは、単身者であれば本人の前年所得(1~6月に申請する場合は前々年所得)、世帯主や配偶者がいる方は、世帯主や配偶者の所得も含めて前年所得(1~6月に申請する場合は前々年所得)が次の計算式で計算した金額の範囲内であることが必要になります。

 全額免除   (扶養親族等の数+1)×35万円+22万円
 4分の3免除 78万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等
 半額免除   118万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等
 4分の1免除 158万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等

なお、失業した場合は本人の所得は問われませんが、世帯主や配偶者がいる方は、世帯主や配偶者の前年所得(1~6月に申請する場合は前々年所得)が上記の計算式で計算した金額の範囲内であることが必要になります。

免除と未納の違い

保険料免除になった期間は年金の受給資格期間に算入されますし、全額免除であっても老齢基礎年金は保険料を全額納付した場合の2分の1が支給され、一部免除であれば保険料納付に応じてさらに上乗せして支給されます。また、障害基礎年金や遺族基礎年金は保険料免除であっても受給額に影響はありません。

一方、未納であれば受給資格期間に算入されませんし、その期間については老齢基礎年金の支給額は0です。障害基礎年金や遺族基礎年金も保険料未納の期間が多ければ受給できないこともあります。

将来の老後のためだけではなく、万一のことを考えても未納は避けるべきです。

なお、全額免除であれば問題はありませんが、一部免除(4分の3、半額、4分の1)の場合は保険料を納付しなければ単なる未納期間として扱われます。一部免除が認められて終わりではありませんので、保険料の納付は忘れないようにしましょう。

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