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コラム

受給資格期間10年へ短縮、いったいいつから?

2016年3月25日

テーマ:年金

コラムカテゴリ:法律関連

消費税率引き上げは先延ばしの可能性あり?

消費税の税率は平成27年10月に10%に引き上げられる予定でしたが、平成29年4月に延期されました。最近の報道によれば、政府・与党の中にはこれをさらに先送りすべきとの意見があるようです。

税率引き上げの延期は年金にも影響

現在は老齢年金を受給するには保険料を納付した期間や免除を受けた期間(受給資格期間)が25年(300月)必要ですが、消費税の税率が10%になれば10年(120月)で受給できるようになります。

消費税の税率引き上げが延期されたことにより、受給資格期間が10年に短縮されるのも当初予定されていた平成27年10月から平成29年4月に延期となりました。さらに税率引き上げの時期が延期となると、受給資格期間短縮の時期も延期になるでしょう。

後納制度を利用して保険料を納付したのに…

本来、国民年金の保険料は納期限を過ぎてから2年を経過すると時効により納付できなくなります。しかし、平成27年10月から平成30年9月までの3年間は、時効で納付できなくなった期間分も含め、過去5年分の保険料を納付できる制度(後納制度)があります。

この後納制度ですが、平成24年10月から平成27年9月までの3年間は過去10年分の保険料を納付できる制度でした。

この期間に後納制度を利用して保険料を納付した方の中には、受給資格期間25年では期間が足りないが10年であれば受給できるという方もいたと思います。厳しい生活の中で必死にやりくりして後納保険料を工面して10年に達した方もいたことでしょう。

そのような方が既に受給開始年齢に達していた場合は、平成27年10月に年金の受給権が発生し、11月分(支給は受給権発生の翌月分からなので)から年金を受給できるはずでした。それがどんどん引き延ばされ、受給できると聞いて保険料を払ったのにいつまでも年金が受給できないとなると、「騙された」と感じるかもしれません。そうなりますと、年金制度に対する信頼(「そんなものは既にない」という方もいるとは思いますが)にもかかわってくる問題です。

税率引き上げとは切り離して

受給資格期間の短縮は、税率引き上げが延期されたとしても、平成29年4月に実施すべきかと思います。ただ、そうなると「10%に引き上げなくてもできるのなら、そもそも平成27年10月にしておけばよかったのでは」という話にもなりそうですが。

この記事を書いたプロ

藤原武志

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藤原武志(社会保険労務士/ファイナンシャルプランナー 藤原事務所)

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