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コラム

学生納付特例 保険料を追納すべき?

2016年4月9日 公開 / 2016年7月4日更新

テーマ:年金

コラムカテゴリ:法律関連

学生でも20歳になったら国民年金

日本国内に住むすべての人は、20歳になると国民年金の被保険者となります。第1号被保険者は保険料を納付することになりますが、経済的にそれが困難な場合には保険料の納付を「免除」または「猶予」される制度があります。

そんな制度のひとつに「学生納付特例制度」があります。これは学生が申請することにより在学中の保険料の納付が猶予される制度で、 本人の所得が一定以下であることが必要ですが、家族の方の所得は問われません。

この4月から新社会人となった方々の中にも、学生時代にこの学生納付特例制度を利用した方は多いのではないでしょうか。

学生納付特例とは

学生納付特例制度の承認を受けた期間は将来年金を受給するために必要な受給資格期間に含まれますが、老齢基礎年金の額の計算には反映しません。また、障害基礎年金や遺族基礎年金は保険料未納の期間が多ければ受給できないことがありますが、学生納付特例制度の承認を受けた期間は、保険料納付済期間と同様に取り扱われます。

老齢基礎年金の年金額の計算には反映しませんので、将来受給する年金額は若干減額されることになりますが、10年以内に保険料を納付(追納)することで年金額に反映することができます。ただし、2年経過後に納付する場合は、保険料に経過期間に応じて加算額が上乗せされます。

実際に受給できる年齢になったときの額は現時点でわかるものではありませんが、平成28年度の年金額で考えると、老齢基礎年金は満額(40年納付した場合)で780,100円ですから、追納しなければ1月あたり1,625円減額されるということになります。

追納すべきかどうか

追納した場合は将来受給する老齢基礎年金の年金額が増えるのはもちろん、社会保険料控除の対象になりますので節税効果もあります。それを期待して追納する方もいるでしょう。

一方、追納せずにその資金を資格取得やスキルアップなど自己投資に使う方もいるでしょう。若い貴重な時期に何かを学んだり経験するのも、将来のために有意義なお金の使い方だと思います。

または、奨学金の返済などで経済的に余裕がなく、そもそも追納したくでもできないという方もいるでしょう。そうした方は、遠い先の話ですが60歳以降に国民年金に任意加入して受給する年金額を増やすという選択肢もあります。

猶予を受けた期間も追納できる額も、そして卒業後の経済的な状況も一人ひとり異なりますし、老後に対する考え方も一人ひとり異なります。追納するかどうか、結局は自己責任で本人が判断するしかありません。

この記事を書いたプロ

藤原武志

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藤原武志(社会保険労務士/ファイナンシャルプランナー 藤原事務所)

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