AI時代にWEBでファンを作るブランディング戦略「後編」

河本扶美子

河本扶美子

テーマ:50代・60代起業のブランディング整理

前回は、AI時代だからこそ50代・60代の経験が大きな価値になること
そして「自分の経験や想いを、必要としている人にWEBで届けていくこと」が
これからのパーソナルブランディングにおいて重要になる、というお話をしました。

では実際に「この人にお願いしたい」「この人から学びたい」と思ってもらうためには
どのようなブランディングページを作れば良いのでしょうか。

後編では、私が普段、50代・60代の起業や独立を支援する中で実際にお伝えしている
「WEBでファンを作るためのブランディングページ5つの要素」について
具体的にご紹介していきます。

AIを上手く活用しながら一つひとつ整理していけば、特別なセンスがなくても
必ず形にすることができます。
大切なのは完璧を目指すことではなく「自分らしさ」を丁寧に言葉にしていくことなのです。

WEBでファンを作るブランディングページ5要素


要素1:ターゲットに向けた事業を説明するショートメッセージ


最初に作るのが、自分の事業を一言で言い切るショートメッセージです。
ポイントは「誰の、どんな悩みを、どのように変えるのか」を
50文字以下にまで凝縮することです。

たとえば私の場合なら
「50代以上の方が、年齢に縛られず自分らしく働けるよう、起業や独立を支援する」
といった形で、対象・課題・変化が伝わるように表現しています。
50文字という制限が厳しく感じるかもしれませんが、ここを絞り切れないと
結局誰の心にも残らないメッセージになってしまいます。
AIに10案・20案と出してもらいながら、自分自身が「これだ」と腹落ちする
メッセージを一つ選ぶことが大切です。

要素2:ショートメッセージを補足する詳細文(約200字)


次に、ショートメッセージだけでは伝えきれない背景や強みを
200字程度の詳細文で補足します。
読者が「もう少し詳しく知りたい」と感じた時に
ここで納得感を得てもらう部分です。

「なぜそのターゲットなのか」
「どんな実績や経験があるからそれができるのか」
「他の人と何が違うのか」を、押し付けではなく自然な語り口で書きます。
長すぎても短すぎてもダメで、この200字という分量は
読者がストレスなく読める絶妙な長さです。
AIに下書きを作らせて、自分の言葉で書き直していくと、効率よく仕上がります。

要素3:ターゲットが安心し、共感する顔写真


意外と軽視されがちですが、顔写真は最重要要素の一つです。
AI時代だからこそ「画面の向こうにいる本物の人」を感じてもらえる写真の力は
むしろ強まっているのです。

大事なのは
自分が好きな写真ではなく、ターゲットが安心し、共感する写真を選ぶことです。
50代以上の経営者に寄り添いたいのであれば、誠実さと落ち着きが伝わる写真を。
若い世代の挑戦を応援する立場なら、親しみやすさを前面に出した写真を。
プロのカメラマンに撮ってもらう価値は十分にあります。
スマホの自撮りで済ませると、それだけで信頼が一段下がってしまいます。

要素4:自分の事業ができる理由となる経歴・プロフィール


経歴とプロフィールは、「なぜこの事業を自分ができるのか」のエビデンスです。
読者の頭に浮かんだ「この人で大丈夫?」という問いに、過去の事実で答える部分です。
ここで気をつけてほしいのは、ただの職歴の羅列にしないことです。
「どこの会社に勤めた」ではなく、「そこで何を経験し、何を学んだか」
を、今の事業との接続が見える形で書きます。
失敗談や苦労話も、共感を生む重要な資産です。
完璧な経歴より、人としての厚みが伝わる経歴のほうが、AI時代には選ばれやすいのです。

要素5:なぜこの事業を行っているのかの取材記事


そして、実は最も大切なのが「取材記事」です。

今の時代、自分の課題を解決してくれるスキルや経験を持っていることは
もはや当たり前になりつつあります。
その上で、最後に選ばれるポイントになるのが「共感」です。
「なぜこの事業をやっているのか」
「どんな経験を経て、この仕事にたどり着いたのか」
「どんな想いでお客様と向き合っているのか」
こうした背景が伝わる記事を、ぜひ1本作ってみてください。

自分で書く自己紹介と、第三者の視点でまとめられた取材記事では
読者に伝わる重みがまったく違います。
第三者が問いを立て、それに答える形で語られるストーリーは
押し付けがましさがなく、自然と人の心に入っていくからです。

「取材なんてハードルが高い」と感じる方もいるかもしれません。
しかし最近では、ネット上で数万円程度からインタビューや
記事制作を依頼できるサービスも増えています。
そうしたサービスを活用しながら、自分の経験や想いを「第三者の言葉」
で整理してもらうだけでも、大きな価値があります。

AIによって、誰でも簡単に自己紹介文を量産できる時代になりました。
だからこそ取材の記事は「人が問い、人が引き出し、人がまとめた物語」
の価値が、ますます高まっていくのです。

AIに使われる人ではなく、AIを使う人になる


私がこれまで10年以上にわたり、1万人以上の専門家の方々とお会いしてきて感じるのは
成長していく方には、ある共通した姿勢があるということです。
それは「まずは新しい道具に触れてみる」という姿勢です。
これはAIに対しても、まったく同じことが言えます。
「難しそう」
「自分たちの世代には向いていない」
と最初から距離を置いてしまう方は、残念ながら少しずつ時代とのズレが広がっていきます。

一方で、完璧に使いこなせなくても、まずは触ってみる。
そして、自分の仕事や発信の中に少しずつ取り入れてみる。
そういう方は、半年ほど経つと、本当に見違えるように変化していきます。
大切なのは「完璧に理解してから始める」ことではありません。まず一歩触れてみること。
その小さな行動の積み重ねが、AI時代に選ばれる人と、そうでない人の差になっていくのです。

そしてもう一つ、皆さんに強くお伝えしたいのが
AIは「自分を消す道具」ではなく「自分の強みや想いを増幅する道具」だということです。

ショートメッセージの案出し、プロフィール文の下書き、取材記事の構成整理、
発信テーマの壁打ち、写真選びのアドバイス等。
先ほどお伝えしたような要素すべてにおいて、AIは非常に心強いサポート役になってくれます。
ただし、どんな言葉を選ぶのか。
何を伝え、何を伝えないのか。
どんな想いで仕事をしているのか。
それを決めるのは、最後まで「自分自身」です。
だからこそAIに使われるのではなく、AIを「自分らしさを伝えるためのパートナー」
として活用してほしいのです。

年齢を重ねてきた方こそ、長い人生や仕事の中で培ってきた「固有の経験」と「自分なりの判断軸」
という、AIには真似のできない大きな資産をすでに持っています。
大切なのは、その経験を捨ててまったく新しい分野に飛び込むことではありません。
自分がこれまで積み上げてきた知識や経験、想いを、本当に必要としている人に
WEBを通じて届けていくことです。
そして、出会った人と一人ひとり丁寧に向き合いながら、信頼関係を築いていく。

今は、リアルで手が届く範囲だけでなく、日本中、そして世界中に
自分の想いや価値を届けられる時代になりました。
AI時代のパーソナルブランディングとは
「自分のファン」を場所や年齢を超えて作っていける可能性を持っているのです。


もちろん、それは簡単なことではありません。
地道に発信を続けること。
泥臭く試行錯誤を重ねること。
すぐに結果が出なくても、諦めずに積み上げ続けること。
その積み重ねが、やがて「この人にお願いしたい」「この人の考え方に共感する」
という信頼につながっていきます。

AI時代だからこそ、最後に選ばれるのは「人らしさ」を持った人です。
経験や想いを隠すのではなく、それを言葉にし、届け、信頼として積み上げていく。
これが、私が見てきたAI時代のパーソナルブランディングです。

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河本扶美子
専門家

河本扶美子(経営コンサルタント)

株式会社ファーストブランド

2人に1人は50歳以上の日本。より多くの人に年齢や定年という枠に囚われず自律したキャリアを目指してほしい。10年間多くの50代以上の創業に携わったノウハウをベースに50歳以上の起業のお手伝いをします。

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