事業復活支援金の事前確認 準備のための3つの要点
東京都の食品製造業界の方々に朗報です。
コロナ禍でたくさんのご苦労をされてきたみなさんに、更に追い打ちをかけるようにウクライナ戦争などによる原材料価格の高騰が襲い掛かっています。そんな折、東京都中小企業振興公社から素晴らしい助成金事業が始まりました。東京都に本店もしくは支店がある食品製造業者(中小企業もしくは個人事業主)が対象です。
東京都に居ない方々、飲食店業の方々には、ごめんなさい。
他府県在住の事業者垂涎の「高付加価値化に向けた食品開発支援事業」について、ご紹介いたします。
東京都中小企業振興公社の公式Webサイト:
https://www.tokyo-kosha.or.jp/support/josei/jigyo/koufukakachi_shokuhin.html
高付加価値化に向けた食品開発支援事業 のあらまし
公社の公式サイトから要点を抜粋して読みやすくしました。
正式な内容は公式サイトをご確認ください。
内容:
都内の食品製造業者等に対して、開発経費等の一部(4/5)を助成(最大1500万円)します。
助成対象事業:つぎのいずれか。
①原材料の変更等による既存食料品の高付加価値化の開発事業
(既存製品の性能に変化が必要です。容器包装デザインの変更は対象外です。)
②付加価値の高い 新たな食料品の開発事業
(飲食店におけるレシピ開発等は、助成対象となりません。)
助成対象者: 次の2つの要件を両方とも満たすこと
・都内の本店又は支店で実質的な事業活動を行っている中小企業者(会社及び個人事業者)
・食品衛生法で定められた製造・加工業の営業許可や届出を行っているもの(※)、
又は(※)に製造委託しているファブレス事業者
助成対象期間: 令和4年(2022年)8月1日~令和5年(2023年)7月31日(最長1年間)
助成対象経費:
<開発費>
①原材料・副資材費、②機械装置・工具器具費、③委託・外注費、④専門家指導費(上限50万円)、
⑤賃借費(上限150万円)、⑥産業財産権出願・導入費、⑦直接人件費(上限500万円)
<試作品広報費>(上限300万円。開発費の申請が必要。)
⑧広告費、⑨展示会等参加費、⑩イベント開催費
事業実施場所: 原則として、東京都内。
ただし、公社が購入物品・成果物等を確認できる首都圏(東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県、茨城県、栃木県、群馬県、山梨県)であれば申請可能です。
対象になりそうと思ったら、、、
食品製造業のみなさんにとって、製品の高付加価値化や新製品開発は、必須の業務だと思います。この助成金事業を使わない手はありません。
そのためには、以下のスケジュールを把握して、最初の一歩をできるだけ早く踏み出すことです。
物事には、すべて期限があり、予算満額達成による〆切の前倒しだってあるかもしれません。事態は常に流動しています。
①東京都中小企業振興公社「ネットクラブ会員サービス」への登録
・・・ 東京都内に本店・支店がある中小事業者(法人・個人)はすぐに!
この後の③申請エントリーには「ネットクラブ会員」である必要があります。
会員になるために事務局の確認があるため、日数が必要になりますから、早めの登録が望ましい。
今回の助成金事業の対象外のみなさんも、この機会に登録をオススメします。
②募集要項
対象者になれるかな?と思ったら、「募集要項」(A4判23頁あります)と「申請書様式」(2つのエクセルファイル)
を入手してください。
公式Webサイトに掲示してあります。
https://www.tokyo-kosha.or.jp/support/josei/jigyo/koufukakachi_shokuhin.html
③5月13日金曜日まで。申請エントリー(必須)
ネットクラブ会員の登録メールアドレスを使って、Web上で必要事項を記入するだけなので、
対象者はさっさと申請エントリーしておきましょう。
④5月2日月曜日~5月13日金曜日まで。申請書類の提出(郵送。当日消印有効)
審査に通過するために入念な開発計画書を作成することが肝要です。
購入すべきものの見積書の入手も始めてください。開発計画がより具体的になります。
⑤書類審査(6月)、面接審査(7月)、助成対象者決定(7月末)
審査では、提出された開発計画が、助成金事業の趣旨に一致しているか、実現可能であるかが審査されます。
東京都の予算が決まっているので、高い点数を取ることが必要です。資格審査と経理審査に加えて、事業審査があります。
事業審査の内容:
(ア)新規性:申請内容が従来にない新しい開発となっているか等
(イ)優秀性:創造的、技術的、利便的に優れており、既存の製品との差別化を図るための付加価値があるか等
(ウ)市場性:市場動向を的確に把握し、販路開拓の見通しがあるか等
(エ)実現性:開発における能力があり、スケジュール等が具体的かつ実現可能性を持ったものか等
(オ)妥当性:事業計画と資金計画の整合性があるか等
⑥交付決定日(令和4年(2022年)8月1日)
この日から、助成金事業のお金が使えるようになり、必要なものの発注が始められます。
これ以前に発注したものは、助成金の対象外になってしまいますので、注意してください。
⑦事務手続き説明会(8月中旬)
助成金の対象となる経費について、細かな説明があります。
対象にならない経費についても細かな説明があるので、注意してください。
⑧事前支援
スケジュールが組まれていますが詳細内容は不明です。
事業計画が完了するように、東京都中小企業振興公社が支援してくれます。
⑨実績報告(完了報告)
事業計画が完了したことを、既定の書式で報告します。
実際にかかった経費を計算して、助成金の申請を行います。
事業が完了するまでは、開発した製品の試作品を販売することはできません。
(無料で配布してアンケート調査するなどのことはできます。)
助成事業の成果に基づく事業化(販売)は助成事業の完了後から開始できます。
⑩完了検査、助成金額の確定、助成金交付
約2~3か月かかるとされています。最終的には開発資金が4/5助成されるとしても、
助成金交付までは事業者が経費を負担する必要があります。
金融機関とも入念な打ち合わせをして、資金計画を立案しておく必要があります。
⑪企業化状況報告書の提出・収益納付
助成事業の完了した年度の翌年度から5年間、報告書の提出が必要です。
この間に助成事業の事業化により相当の収益を得た場合等には、その収益の一部を納付する義務があります。
⑫関係書類の保存(事業完了年度の翌年度から起算して5年間)
⑬財産の管理と処分
助成事業により取得した財産は、管理状況を明らかにし、5年間保存しなければなりません。
また、処分(目的外使用、譲渡、交換、貸付、担保にすること、廃棄)をしようとするときは、
あらかじめ公社に申し出て承認を得なければなりません。(助成金額の一部返納が必要になる場合があります。)
助成事業により取得した財産について、固定資産として計上するなど関係法令に基づく適切な会計処理が必要です。
⑭公社職員による調査等
立ち入り調査を行い、報告を求めることがあります。